『死と誰かに翳した理解について』軽い解説
モヤモヤした終わりのものをめちゃくちゃキッパリ明白にするふせったーなので、余韻を大切にしたい方、まだプレイしていない方は見ないことを推奨します(逆張りでネタバレ→プレイしたい人は見てもよい)
解説の順番はおおまかに 登場人物→解説 となります。少し差別的な内容なども含むので気を付けてください。
・登場人物
登場人物ですが、NPC3人とPC1人です。
『ウラミ』
紫髪の女装男の娘、今回の依頼者。「友人を助けてくれないか?」という依頼をしてくる。報酬の金額を見るに相当の金持ち、或いは何かしらの理由で金を持っているようだ。見た目は華奢な少女という印象だが、話してみると案外声も口調も男らしい(口調クーポン的には尊大口調)。それなりに良い服を着ている。
『キク』
左目に眼帯をつけた茶髪の少年。ウラミと少し似た色の服を着ているが、服から感じられるイメージは「囚人服」や「患者服」だ。数日アイシテルのいた教会に居たらしい。
『アイシテル』
「友人」を助けに向かった場所にいた、規格外に身長の高い男。ウラミの話が正しければ、彼は死を肯定するような宗教のトップだと考えられる。
以上がシナリオ内でPCが把握できそうな範囲の設定です。どこも書いてませんが書く場所がなくて…。りどみとかに書けばよかったかな
ここからはしっかりした設定です。ウラミ→キク→アイシテル→2人について→シナリオの順番。
-ウラミについて-
現代でいうと中学〜高校生くらいの少年。大体14〜17程度ですが、身長は139cm程度の低身長。また、人によっては少し病的な細さに見えなくもないような体格。
キクに関しては、シナリオ内でも「楽しく飯を食える奴」とも言っていて、彼の事を良い友人であると考えていると思っていただいて構いません。
家庭は比較的一般的な家庭ですが、彼は主にビスクドールの製作を生業にしています。ドールや人形に詳しい者であれば名を知らない人の方が少ないくらいの知名度であり、報酬としてもらった人形を売ると分かる通り彼のドールは相当な高値で取引されます。その為、高い報酬を出すくらいの金銭は持っている、という訳ですね。
-キクについて-
最初にデッケーネタバレすると、最後の「わからないでください」は彼のセリフです。
こちらも、年齢としては中学〜高校生くらいの少年。ウラミと大体同い年です。身長は160cm程度。ただし彼も体が細く、ウラミとは違って明らかに病的な細さです。
彼はシナリオ内で感情を話すことはなくただ「わからないで」という主張しかしませんが、基本的には友好的で温厚、特に難もなく性格の良い少年といえます。希死念慮という最悪の感情を除けば。
彼が片方の目に眼帯をしているのは、彼の片目が宝石から出来ている為です。義眼ではなく、生まれつきそちらの目が宝石。
少し話が逸れますが、他の自作シナリオに出てくる「ハルキ」という男も体が宝石で出来ています。血縁(石縁?)自体は彼らにはありませんが、彼らは知り合いではあります。彼らのいる街(リューンとは少し離れている設定です)では鉱石族は珍しい為その事を隠すことが前提とされていますが、鉱石族の中では鉱石の範囲が広ければ広いほど純血(純石?)であるという考えがあります。某魔法学校のマグルとか純血とかそんな感じに似てますね。その為、鉱石族では基本的に『全身が宝石或いは鉱石であり、なおかつそれをきちんと人間界で隠し通せる者』が最優先されます。
つまり、全身が鉱石ではなくまた眼帯をする事でしか隠せない彼は地位がはちゃめちゃに低いって事ですね。ちなみにキクは鉱石族と人間のハーフなのでこうなっています
話を戻します!つまり何が言いたいかというと、菊は地位が低いせいでちょっと虐められています。その為、ちょっとストレスのせいでご飯を吐きがち。過食嘔吐の人です。そしてこれは実はウラミも。
-アイシテルについて-
Animal sweets gardenというシナリオをやっていただけるとアイシテルについてよく分かりますが今回はやっていない事前提で話を進めます。キクの知り合い、ハルキもこちらのシナリオに出てくるのでもしよろしければ。ちなみに今回は名前が愛してるとなっていますが、これはプレイした貴方の言語が日本語だからです。英語圏の人とかがいたらごめんね
アイシテルは「ユズ教」という宗教で崇められている死神です。教祖ではなく。ただし、死期の訪れた人間の魂を…とかではなく単純に人を死なすことに長けた最悪神人(さいあくかみんちゅ)です。好きな事はお話。
生前から『死は救いである』という思想を掲げ、希死念慮や死にたがり思考の人々と心中をしては自分だけ生き残る、という行動を繰り返したのちに救世主として崇められていましたが、山から滑落して死亡、その後死神に。
ただし生前も死後も彼は無差別に人を死なせている訳ではなく(まあ情緒によっては問答無用なこともありますが)、死にたい人の話を聞いて改善されるのならそのまま帰し、ダメそうなら一緒に心中、というスタイルをとっています。ここがシナリオにも関わってくる部分です。
-2人について-
キクとウラミの2人にはいつくか共通点があります。
まず一つ、服が緑色な事。もう一つ、彼らが病的な細さである事です。
この2つはどちらも繋がっている共通点で、実は彼らは摂食障害の為病院に入れられています。病院と言うほど大層ではないかもしれませんね、隔離とか…とにかく親や本人がそれを治したいと思って、同じ空間にいます。そこでのドレスコードとして緑色の服を着ていますが、ウラミはお金があるので少し良い待遇を受けています。キクはその反対。ウラミはそこの医者のような人に「緑であれば好きな服か患者服を選べる」と説明されているので普通に緑色のワンピースを着ていますが、キクは患者服一択です。
ただしウラミはそれを本人が好きでやっていると思っているので特に気にしてはいませんが、キクは普通にウラミとの待遇の違いを理解しています。ただし特に言及する事はないです、誰に言おうと意味はないので。また、ウラミは割と待遇が緩いので外出なども難なくできます。
ウラミがキクと飯を食うのが楽しいと言うのは彼が単純に良い人であり、共に飯を食べる事が苦痛にならない会話・対応をしてくれる為です。それ自体はキクも同じで、キクもウラミと飯を食べる事自体は嫌ではないようです。が、誰にだってもうなんか全部やだな〜、となる事はあります。それが今回の事件の発端です。シナリオへ続く。
-シナリオ-
事の発端は、突然病院からキクが失踪したというところから始まります。ウラミとキクはお互いの事をそれなりに話し合っている間柄であり、シナリオ中にもあった通りウラミはキクに希死念慮があることも知っていました。また、病院周辺でユズ教という怪しい宗教の話が出回っている事も。なんか怪しいな〜、本当にあるんですかね〜、などという話をして数日後、キクが失踪。どんな方法かは分かりませんが、ウラミはその失踪とユズ教が繋がっている、と確信。そして貴方に依頼をしに来ました。
場所は変わってユズ教、アイシテルのいる教会に辿り着いたキクは彼に教会で数日匿ってもらう事、それから心中或いは殺害を求めます。アイシテルから与えられた対価は「自分との会話」だった為、数日そこで過ごしてから、アイシテルと何があったのか、今はどういう環境にいるのか、友人との関係、など…あらゆる話をしました。死ぬ前ですから特に何かを渋る必要もありませんし。その途中でぼんやりと希死念慮が薄まり、今日はまだ死ななくても良いかもな、と思い帰ろうとした…ところで現れたのが、貴方です。
アイシテルは簡単に言えばメンヘラに共感出来る男です。なので、キクを連れ戻しに来た貴方に対して依頼とはいえ死にたがってる人を連れ戻そうとするんだ〜、と思います。それが悪いと思っている訳ではないですが、少し疑問でした。なので、貴方に問いました。
回答に正解はありませんが、強いていうのなら「全て知らない」が正しいです。貴方にとっての死の選択肢が空白なのも作者の私には知り得ない事だからです。選択肢がないのも、実は嫌味ではなく単純に選択肢を出せないからです。ただ全て知らない とそれ以外 の選択肢でその展開が違うのは、「貴方は何も知らないけど自分の死生観は分かるから」です。選択肢に好きな内容を入れてください。逆に選択肢でわかる事を選んだ貴方には、私から貴方の死生観に対する選択肢は出してあげられませんからね
話を戻します。
貴方の話を聞きたかっただけでしたから、アイシテルはそのままキクを帰しました。温かいご飯と友人はキクにとって大切なものだとアイシテルは知っているので。どんなにお粗末な病院であっても、ご飯は暖かくて嬉しい。そしてそのまま事は円滑に進み、貴方は多額のお金とドールを手に入れ、シナリオ終了。ホームに戻る…と見せかけてキクから1つ、「わからないでください」。
キクとウラミの報酬やセリフについてですが、ウラミは単純に「人の生死に値段はつけられないが、大切な友人を助けて貰えるのであればいくらでも出す」というただのお人好し精神の報酬です。キクのセリフですが、人の感情はそうやって頭を覗くように見られるものではないですからね それに貴方がキクの思っていた事、ウラミの報酬の意味、どうしてキクが帰ることにしたのか、を知ったら貴方が幻滅するかもしれないし。思っていたよりも全部薄っぺらい情報で出来てて、何か大きな陰謀があったりする訳でもなくて、ただの思春期特有の遁走と友情ですから。
『死と誰かに翳した理解について』、理解は出来ましたか?理解出来て良かったですか?良かったなら嬉しいですね ありがとうございました。