リナを娯楽と言って憚らなかったロッキーの生き様(死に様かな)に打ちのめされているという呻き
KGF1&2初見観てきた感想でもあるけどおまけですおまけ
長いのでお暇な方どうぞ。
(もはや恒例だけど、本当に長いです。記憶とも戦ってるからつらつら書くしかなかった…)
観終わってからもずっと引っかかっていた。当然に反感を覚えるあの言いように。愛する人を娯楽と言って憚らないあの態度に。
でもな、分かったんだよ…
多分な、ロッキーは特別リナを不快にさせようとああ言ったわけでも、あの言い方を悪いと思ってないわけでも、逆に相応しくないと理解した上であえて言ってるってわけでも、ない。
ロッキーはな…ロッキーにとっては…“あの終わり方”を叶えること、そのために為すこと以外の事象の一切は、娯楽なんだよ。娯楽…余興に、すぎない。ただそれだけ。
そう表現するより他になかったというだけのことなのだ。
なんて生き方なんだろうって、思った。
一人の男が夢を叶える様を見せる映画だってことは分かっていたはずなのに、何も理解できてなかった気がする。
人は、どこかの地点で自分の夢に見切りをつける。普通は。
誰だって一度くらいは夢に見るんだ。大金持ちになりたいって。でも世界一の金持ちにはなれないことを、どこかで理解する。(世界一は相対的なものなので現実に存在はするけど、なろうと思ってなる奴は多分いない)
理解し、諦める。たまの贅沢で自分を納得させて幸せを感じる。そんなもんだ、人間。子どもの夢なんてのはそんなもん。
一介の人間らしい“身の丈“にあった、些細な幸せに満足を見出すようになる。それは当たり前のことで、悪いことじゃない。人生を豊かにする大事な心構えだと思う。
でもロッキーは言ってきた。
安い、人生を、だ。安い人生を豊かにするのはそんなもんで十分だろうな、って。
そんな生き様を…感じた。
格が違うのだ。人生への向き合い方の格が、私とロッキーとでは。私は打ちひしがれている。
人を愛し家族を持つことすらきっと彼には娯楽だった。そんな人の当たり前の幸せを、娯楽だと、生きる上でのエクストラ的要素でしかないと言った彼の覚悟が…あまりにも眩しい。貪欲への覚悟の格が、あまりに違いすぎる。
だからさぁ……だからこそさぁ……、
私は許せないよ、あのシナリオが。
私はロッキーから奪われたものが許せない。彼から奪われたものを許容できない。あのシナリオが、許せない
これは脚本を変えろって文句を言っているのではなくて、辛すぎて嫌だと駄々をこねているだけだということをご理解ください。そう、嫌なんですよ。
あんな辛いことあるか????
金塊一枚奪われることすら1ミリも許容できない彼が、二人も失ったんですよ。
分かってるよ。夢を叶える男にはエクストラなんて必要ないことくらい。失われたからこそ終わらせることが出来る神話であることくらい。
でも嫌なんだもん!!
あんなに夢に真剣な彼にさ、人が当たり前に享受していい幸せを娯楽=極論無くても生きられるものだと線引きする彼にさ、あのたった一つの普通の幸せを許容しないあのシナリオが辛くて嫌なんだよ私は!
“夢”のために生きるロッキーを唯一“現実”に留めておけたかもしれない要素なのに……だからこそ死んだのだろうが…夢を追うロッキーのためにリナは死んだのだが…私だって夢を成し遂げるロッキーを観たかったのだが…仕方ないと分かっていても辛いものは辛く嫌なものは嫌だ。駄々をこねこねしています。
あとな!
私はな!!!
ロッキーがリナに一目惚れしたシーンが大好きなんだよ!!!!
だから許容できないだけなんじゃ!?!?そうかも……
”Congratulations.”
“Why?”
“I love you.” 「君を愛した」
が好きすぎるんよ。本当の本当に。めちゃくちゃ満面の笑みになっちゃったよ。外であの顔してたら通報される。映画館で良かった…(?)
あのね、正直に言うんだけど、正直ね、私がロッキー大好きになったのこの瞬間なんですよ…
なんか凄い衝撃を受けちゃって。すごいセリフだな…って。自分の愛を獲得したことを「おめでとう」…おめでとうかぁって。すごい自信じゃん。とんでもねえ奴だなロッキー、って思ったんだよ。
今思えばあのロッキーから…母との誓いの道を突き進むロッキーから、彼には必要なかった愛って感情引き出したのは確かにcongratulationsだわなぁ。夢以外眼中にない彼が目を離せない存在…そんなもんが目の前に現れて彼は祝辞を述べざるを得なかったんだろうな…あの時のロッキーの気持ち…あれで衝撃受けたのはリナだろうけどそれより先にロッキーも雷に打たれてるからな…
“How dare you.”
“How fair you.”
も好きすぎる。韻って概念にこれほど感動したことはないかもしれない。
1観てた時は「ロッキー厄介な女に一目惚れしたせいで余計ややこしいことになってるじゃん😂」って笑って見てた私、おい笑ってられるのも今のうちだ。存分に笑っとけ…
「娯楽」とか「おめでとう」とか、あと「おまえの親父は俺だ」(だっけ?)とか、結構ロッキーって自分の中でしか通ってない文脈でハイコンテクスト的な理解を求めてくる言葉を急に投げてくるから、初見結構セリフがっつり理解するの難しかった。次観に行ったらしっかりキャッチしてみせる…
「俺はもう死んでる」も時々言ってたけどこれって対リナ限定でしたっけ?2作同日に観るの記憶力との戦いになるのがいけない…「君に心臓ぶち抜かれたからもう死んでる」って意味なんですかね。ロッキー語むずい…
いやさ、あのシーンまでのロッキーもかっこよかったんだよ?
私あの映画の時々詩的になるセリフとか歌詞の表現が大好きでさ。途中から覚えるのやめちゃったんだけど(大変だから)、「嵐を吊るしてはならない」とか「打ち寄せる波すら彼の許可が必要」とか「宛名が無くとも手紙が届く」のくだりだとか、いや、人をそこまでカッコ良く表現できるもんかと。
私KGFの舞台が近現代で良かったなって思ってた。ロッキー、あまりに強すぎる。あれはロッキーっていう人の形した武力だなって思った。一騎当千、万夫不当。だから彼が生まれたのが戦国的な武力のみがものを言う世の中と土地だったら多分世界の半分くらいは一人で直接征服したろうし、後の半分は属国になってたよ。彼の母が世界征服しなさいって言わなくて良かったな…
って、思ってたよ。
でもロッキーを人間として面白いって強烈に思ったのはリナとのシーンからだった。
自分でもあの一連のセリフだけでよくもまぁここまで転べたもんだと思うんだけど、本当急に人として魅力的に見えたんだよなぁ。とんでもなさが、すげえなって。
だいぶ書きたいこと書くためには記憶が足りんなぁってなってきてるから、もう一回観てこなきゃな本当に。
一目惚れシーンでロッキーにすっ転んだ私だけど多分次にまた一段引き摺り込まれたの、バッグを落として困ってた母子を助けたシーンのセリフかな。
「あんたは世界最強だ」って言葉にめちゃくちゃ感動しちゃったんだよな…あれはさ、誰かに道徳的に「母は強し」みたいな言葉を吹き込まれたんじゃなくて、ロッキー自身が感じ考え言葉にした、本気で母という存在に対し思ってる言葉だって…分かったんだよな。ロッキーはマジで思ってる。母親というものが世界で一番最強だって。
そういう母をロッキーは内に抱いてるんだって。ずっとその存在がロッキーの中にはあるんだなって、あの母子から目を逸らせないロッキー見て思った。
リナがさ、リナだけがそれを目撃してる脚本いいなって思うんだよ…リナだけだったんだよな、ロッキーが母の立派な墓作るまでの間、彼の一番底にあるものを知ってたのは。何が彼の礎なのか。
確信はなかったのかもしれない。リナは自分がロッキーに惚れた部分に確信が持てるまでロッキーを愛さなかった。彼が母を想う気持ちは本物だと分かったから、彼女はロッキーを愛した。良かったなロッキー。あの1分は多分初見のとんでもない印象付けの遥か上を行く効果あげてたぞ。
リナからcongratulationsが返ってきた時も満面の笑みでした(私が)。1、2跨いでこのやりとりは数年待ってたらマジで狂喜乱舞ものかもしれん😂
あとリナと話す時だけ1トーン声が高くなるロッキーがかわいいんだ。
次何の話する?
まだちょっと気分あげる話しとくか。
私1のさ、ロッキーのKGFでの内偵がバレるかもってシーンでめちゃくちゃに感動しちゃってさ。いや自分が相当心打たれてるのを自覚できてそんなに?ってびっくりするくらいの衝撃があって。
あの男の人が自分を犠牲にする展開にすごい衝撃を受けたんだよな。予想してなかった。
その衝撃が少なからずロッキーと重なってるって感覚があってさらに感動したんだ。
あの人はロッキーに賭けたわけじゃないですか。自分一人が助かっても無意味だから。妻子をロッキーが救ってくれることに賭けた。
ロッキーは望みを賭けられた。そんなこと予想だにしてなかったと思う。彼は自分が望むことは自分の手でなんとかしてきた。自分の行動を怪しんでいたあの男が情報を売ろうとするだろうと、当然に考える。あの男は自分にできることをやるだろうと。
でも違ったんだよな。望みを、願いを託された。命を賭けて。
あれはさ、ロッキーが初めて母以外の者から“何かを受け取った”瞬間なんじゃないかって、思ったんだよ。母との誓い以外のものが初めて肩に乗った瞬間。
王になるなら運命の他に、他人の手が必要だと言った女性がいた。王に押し上げる民の手だ。あの男がロッキーに託した願いは、ロッキーに王たる資格を与えた最初の要素だと思う。言ってしまえばただの殺し屋に過ぎなかった彼に、人の上に立つ者が背負うべきものを教えたんじゃないかって。
全部を暴力で解決するだけの映画なら…いやロッキーはなんだかんだ9割は暴力で解決するのだが(残りは謀略)…そこに至るまでのストーリーに彼の信念やそれを支えるものを差し込んでくるからこの映画を面白がれている気がする。いや一回観ただけだと解像度低くてぼんやりそう思うだけなのだが。
だって私(も)暴力は嫌い。景気のいいぶっ飛びが最高だって思う心とは別に、平和と法を愛する私は存在している。私は暴力も不法も不正も嫌いだ。(ラミカ・センをヒーローだなって思って応援したい気持ちになるくらいには)
でもな……平和と法が取りこぼした存在が、全身全霊で世界を手に入れようと高みを目指す様は…とても眩しかった……ロッキーは悪人だよ…私はただの悪人は嫌い…
でも貪欲な奴は好き。信念がある奴はもっと好き。自ら何かを掴もうとする奴が好きなんだよ。これはロッキーに会う前からそうだったのだが…ロッキーはドンピシャにそのゾーンにストライク私アウト。
悪人は嫌い。でもロッキーは好き。
(ロッキーが悪人だから普通の幸せが手に入らなかったって言われたら私泣いちゃうんだけど…なんかそんな気もしてきたな…)
ロッキーをさぁ〜〜5時間かけて好きになったからさ〜〜(上げた分下がる話)
いや、この映画、過去の伝説の話を今してるって構成なんだから、“どこかにロッキーの終わりがある”ってことは分かってなきゃいけなかったのにさ…
ロッキーの最期に本当に呆然としちゃって……
あれで本当に死んだのかとか3もあるよとかそういうのはまぁ置いといて、あそこで!ロッキーの!夢のおはなしは!!終わりじゃん!!!
最後の最後まで母の話のように、全てを支配し富に囲まれて光る海に沈むロッキーが…その神話の終わりが…なんだろう、なんであんなに悲しくなっちゃったんだろうか。寂しいというか…ああ、本当にロッキー、母との誓いを生きる男だったんだなって…
あんなに血と暴力で彩られた人生の最後が、絵本にできそうなくらい静かな最期だなんて思わないじゃん…
そのおとこは、きらきら光るきんかいといっしょに、海にしずんでいきましたとさ。
おしまいにできるか!!!!!!
絶対また1も2も観に行くからな!!!!
あの海に金塊と沈むラスト観てようやく、マジでようやく“ロッキーの夢への本気さ”を感じたんだよ私は(だから「娯楽」の言い方を理解できた)。遅えよ!!!
だってあそこまで母の話を再現してやる必要はないじゃん!!夢を叶えてからもロッキーはロッキーを生きて良かったじゃん!
でもロッキーは“最初から最後まで”夢のために在り続けた。支配と富を手に入れ死ぬ。生きる上で夢を見るんじゃなくて、ロッキーはただ夢のために生きた。
かっこいいじゃん。
最高にかっこいいじゃん。
誰にも真似できないよ、あんな生き方。あの死に様は。
最高の夢物語を観た。本当に。ありがとうな…ロッキー…
という呻きでした。呻けてるか?叫びかな?
やべえ男を目撃してしまって感情は結構大変でした、2観終わったあと。
次観る時は純粋にアクションとかロッキーのかっこよさを楽しみたいなぁ。ストーリー追うの結構大変だったしな、特に1は。
そういや1で話が飛んで王ロッキーの逸話が挟まるのってさ…
2でやってる暇がないからじゃん!
2で無かったじゃんそういえば!なんか無茶苦茶やりおるロッキー!署で皆んな慄かせたりバーで20人(だっけ?)薙ぎ払ったりするやんちゃなロッキー、2で描かれてないじゃん。時系列としては2の時の話だよなあれって。
く〜もっと観たかった〜〜。
あんな他の人が着たら嫌味にしかならなそうな服着て完璧に成立してる(めちゃくちゃキマってて本当)謎のセンスの塊のロッキーが、滅茶苦茶やったり皆んなにビビられるだけの話もっと観たかった〜(2の現場で直接指揮取ってるめちゃ働き者の王ロッキーもすごい好きなんですけど、何やってんのさそんなとこで😂みたいな話もっと見たい)(そういやラミカにロッキーの話してるあたりで流れてたシーン、ロッキーが雨の中タンクトップで無双してるやつ。あれもなんだったんだ。何してんだロッキーそんなとこで…暇つぶし…?タンクトップ珍しいからファンサかな…感謝)(て思ったりしてた)
3で見れるんかな。どうなんだろ。
そういやロッキーってフレアっぽいパンツ履いてたけど、あれがあんなに似合う男初めて見た。ロッキーのファッションが延々載ってるだけの本が欲しい。
何故似合うんだ…って衝撃が大きかったからラミカに会いに行って時の白シャツ赤スーツが結構好き。黒髪と髭が映えてて奇跡かと思った。ヤシュの魔力が凄い。(あとあのシーンはセリフが好きすぎる。世界一かっこいい”India”)
あとはメモに残ってるやつを手短に…
私ロッキーの父親は出てこないんだと思ってたからびっくりしたな…ロッキーらしい徹底した母への愛が表れてて良かったなあれ…
ロッキーの少年時代の子役の子、まつ毛凄かったですね…目力がとんでもなかった…
殉死者が出ないように新天地用意してた兄貴は偉いよ。俺は夢を叶えに行くって言われて放り出されたら私「どうかお供させてください〜〜」って泣いて縋るところだった。神が我らの住む場所を用意してくださったから俺は新生KGFに行くぜ…(正座で3を待つ私の姿)
特に轟音の劇場とかではなかったんですけど、なんか音めちゃくちゃデカくてすごい良かったですね。音響本気じゃん…って思った、結構開始早々から。
私、大のDolbyファンなんですけど「どうしてこの映画を今Dolbyで観てないんだ…」て思いが凄い強かった。通常のシアターであれならDolbyで観れたらもう最高って言葉じゃたらない体験が出来たんじゃないの…KGF…Dolbyシネマで観たかった…
ここまで長々ありがとうございました!
まーったくまとまってない感想でしたが今のところ感じたものは全部書き起こせた気がします。本当に読んでいただきありがとうございました。
セリフの言い回し、字幕の表現がすごく好きなので家でじっくり噛み締めながら観れる日も楽しみにしてますが!この映画スクリーンと音響の映えがめちゃいいので!もう一回観に行くのも楽しみです!
次の感想文は「楽しかったーー!!サラーム!ロッキーバーイ!!」完。の予定です!では!