MIU 1~9話時点、8話の話。 そう、件のガマさんの回ですね……ガマさん……
8話:伊吹さんの恩師ガマさんのはなし。
これも~~どこから書けばって感じなんですけどぉ……
私はこの回、盗聴器のアレコレがあったりとかハムちゃん絡みのお話があった後で
伊吹さんが「一緒に住めばいい」って言ってる辺りにものすごい不安を覚えていて。
なんていうかこういう状況で冗談を使う時の伊吹さん、ものすごく不安というか……
これは後々に志摩さんが、語ってくれたこと…感情で蓋をするってはなし。
伊吹さんは嗅覚が鋭い代わりに真実から目を塞ぐときにああやって誤魔化すんですよね。
「合点承知の助は合点してないときだ」とかもそうだし……伊吹さんの癖なんですよね多分。
事実、ガマさんはあちこちに証拠を残している。
にも関わらず、その真実から目を背けてしまう、伊吹さんの構図……
疑似家族のときもそう、「そうあってほしかった」から疑わなかったんですよね。
どこで止められた?何もできなかったんですよね。
そしてガマさんは、「何もできなかったよ」という。
実際そうなんですよね。
引退して、平和な余生を暮らそうとしていたガマさん。
奥さんと「外国人労働者の支援」の話をあれこれしたりして…
ガマさんは別に悪い人になった訳じゃない。
ガマさんはずっと善良で居続けていたんですよね。
けれどその中の一本の電話を取り逃した、それがひとつのスイッチで。
そう、これもスイッチを入れ違えただけなんですよね。
あの犯人だって、ガマさんに救いを求めていた。
……けれど電話は途中で途絶えてしまった。
もし悲劇を止められるとすれば、それは罪を犯す前に止めること。
轢き逃げ犯になってしまった男の手を取る事だった。
2話の疑似家族の犯人は「戻りたかった」でも、ガマさんは違う。
ガマさんの中ではあの事故で全部が終わっていたんですよね。
支えにしていた許しであるとか、奥さんの存在であるとか……
多分それは刑事人生の中で幾度となく支えになったはずのことで。
犯人を殺すときだってそう、あれは多分、諦めなんですよね。
戻るつもりもない、片道の一本道しかガマさんにはなかった。
「彼女はお前を許すだろう」返して言うなら、自分は許すことができない。ってことで。
ガマさんを支えていたものはなんだったのか。
ガマさんにとっての救いとはなんだったのか……
伊吹さんの中でのガマさんはずっとカッコイイ憧れのガマさんで
奥さんを失って悲しみにくれたかつて刑事だった男ではなかった……
ガマさんを救う事なんて多分できなかったんですよね。
ガマさんは犯人を殺した時点で、もうすべてを諦めていたんじゃないかと思うんですよね。
凶器はその場に残したままで血痕もそのままで。
きっといつかは捕まるだろうことがわかっていたんじゃないだろうか…
ガマさんに必要だったもの。
ガマさんはもうなにもほしくなかったんだと思うんですよね。
これまではずっと未来ある人々の話だった。
けれど、これは糸がぷつりと切れてしまった人のおはなしで。
9話の前にこれをやるのはほんとに……ね。