2023年8月20日(日)にトリックスター大塚店で行われた『奇想、アムネジア』の感想です。未通過❌
v 1.2.3 2024/01/06 23:26
本感想は、2023年8月20日(日)の14:30からトリックスター大塚店で行われた『奇想、アムネジア』の感想になる
盛大にネタバレを含むため、未通過の人は読まないこと
まず関係者各位に感謝を述べておきたい
トリックスター様にGM様。アムネジアの作者様に『第1回新作マーダーミステリー大賞』の関係者の方々。何より同卓してくださった方々。今作を通じて、マーダーミステリーというものの天井の高さ改めて確認できました。ありがとうございます。改めて感謝を伝えさせていただければ幸いです
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0-本感想の構成等
本感想は以下の7節から構成される
1. 事前情報の振り返り
2. ハンドアウトの読み込みとキャラ造形
3. 第一フェーズ
4. 第二フェーズ
5. 結末
6. 反省:TAIGAと柳米太郎、トリックなど
7. 感想
なお、"4.第二フェーズ"は些事に終始するため、目が滑るなら5.結末に飛んで読むが良いかと思う
また別のプレイヤの感想を以下に紹介する
多視点で見ると、立体的に見えて楽しいかも知れない
・https://fusetter.com/tw/w17KcLmF#watchword
著者ケイトさん、ラビエル役
・https://fusetter.com/tw/yea8sl7V#watchword
著者カリヤさん、佐伯一洋役
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1-事前情報
キャラクタ選択時に公開されていた情報をまとめると以下になる
(これはhttps://twipla.jp/events/503644を参照させていただいた)
- カードマジシャン 佐伯一洋(32歳 男性)
カードを扱わせれば右に出る者はいない、クロースアップマジックの達人
最年少で「マジシャン・オブ・ザ・イヤー」を受賞している
- コメディマジシャン マドウ健司(65歳 男性)
熟練の話術で観客の心を掴む、ショーマジックの大御所
関東奇術連盟の会長にして、マドウ一座の座長
- アイドルマジシャン マドウ魔遊(24歳 女性)
以前は国民的アイドルグループのセンターまで務めながら、
マドウ一座に弟子入りした異色のマジシャン。一座の花形。
- メンタリスト TAIGA(27歳 男性)
心理学や催眠療法を取り入れた超能力風マジックを専門とする新世代のマジシャン
TVバラエティ番組でその知識と話術が評判となっている
- 物理学者 柳米太郎(35歳 男性)
若き天才物理学者。その知識を活かしてTV出演が多く、
長年出演する「米太郎せんせいの科学てじな」が子供たちに大人気の名物番組となっている
- マスクドマジシャン ラビエル(年齢不詳 女性)
不特定多数に対してマジックの種明かしを行い、若者に絶大な支持を受ける動画配信者
マジシャン業界から恨まれ、命を狙われているとの理由で常に覆面で顔を隠している
- 執事 谷村泰水(48歳 男性)
奇術界の至宝・華城蒼也の元アシスタント
現役を引退してから彼の使用人を務めている。よくメモを取る習慣がある。
印象としては、それぞれモチーフとなる有名人がいるのかな?だった
実際、他PLの方々はあーあれかなー的なリアクションを多く取られていた
TVも手品のyoutubeも見ない身としては、マドウ健司かTAIGAくらいしか聞いたことがなく、どれを選ぼうかってなってしまった。柳米太郎は物理学者というのもあり、アカデミアならイメージが付きやすいため、柳米太郎を希望をする (中の人が博士を持っててまぁアカデミアと接触面が多いのものあるため)
一人だけ被って、じゃんけんで勝って柳米太郎を演じることに
(パーで勝ったのを何故か覚えている)
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2-ハンドアウトの読み込みとキャラ造形
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2-1 第一印象
柳米太郎の最初の印象は、NHKにそういう方いたっけ?だった
確かカマキリ先生こと香川照之みたいなのはいたけど、そういう路線だろうか?東野圭吾のガリレオで湯川を演じた福山雅治でも思い浮かべればいい?あるいは、テレビドラマのTrickで阿部寛演じる上田次郎とか?あれを手品師として変換すればいけるだろうか
GMによるマダミス恒例のルール説明を聴きながら、そんなことを考える
そういった事前準備は、また多くのマダミスと同じように、予想外の設定に大きく修正を迫られることになる
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2-2 HO中の柳米太郎
柳米太郎という人物を特徴づける性質は以下である
・警察と協力関係にある
・本事件の前の事件を追っている
・その調査の過程で、前事件の真犯人的な存在『阿邪辻真我』から招待を受けてやってきた
・ラビエルの顔を直接見て、前事件の被害者の双子であることを知ってる
・魔道シンジが爆弾を持ってきてることを知ってる
・天才の直感(シナリオにそう書いてあった記憶)で、"誰かまだ殺意を持ってる人がいる"ことがわかる
ぱっと理解したのは2つ
1. マジモンの天才として定義されている
いやだって、天才の直感とかいう固有能力がHOに記載されてて、
その結果(=予感)が”正しい”とお墨付きされている
であれば、柳米太郎は実際天才なのだろう
2. 探偵役である
まず他キャラクタが秘匿していたいだろう情報をめちゃくちゃ握ってる
そして警察との関係もある
前の事件から追いかけてるし、どうみても柳米太郎は探偵である
ここまでなら天才探偵。犯人を追い詰めるだけだ
"しかし"と、このキャラクタには但し書きが着く
それは「警察との関係は自分では口外してはならない」というもの
これは要請ではなく強制で、絶対に守らなければいけないものだった
この唯一にして最大の制約が意図することは明確だった
「お前は探偵役だけど、同時に最も怪しいキャラなんだよ」
これが作者の意図を答える国語の問題であれば、そう答えただろう
(実際はそういう問題はないそうだが)
作者はキャラ設定から雄弁に語る
「明確に探偵役がいるマダミスなんて面白くない」
「力関係が歪になって、犯人追い詰めゲームになってしまう」
「それじゃぁツマラナイ」
「だから、きみは核心的な情報を握ってるけれど、だからこそ最も怪しい存在になってくれ」
HOを開いて読み込み始めて5分くらい。そういった矛盾を飲み込めるキャラクタとはどういう造形だろうか。そんなことを思案するようになった
本感想を書きつつ全体を整理していて思ったのだが、やはりこの解釈はやはり正しかった気がする
柳米太郎は犯行に関する情報を何も持ってないし、情報にアクセスしにくい人物の一人だ。ラビエルやマドウ魔遊は殴打の当事者だし、その(元)恋人や師匠である佐伯一洋とマドウ健司は関係性から情報をまだ入手しやすい。しかし柳にはそれはない。純粋な部外者である。ゆえに自分で信頼を勝ち得、推理して情報を得る必要があった
シナリオもそうした構造をしているため、柳米太郎は泥に塗れてこそ進めるキャラというのは合っていたように思う
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2-3 キャラの設定深掘りを試みる
これはマダミスである。キャラクタに血を通わせなければならない
パッと以下のような思案は出るけれど...
・Trickの上田よろしく不器用な物理学者はできる
しかし、それは作者の指定した"天才"感が薄れる
・天才に振り切って、コミュニケーションが苦手な数学者的なのもできる
しかし柳米太郎の制約は、一人で推理してはダメよとも読める
どちらも一長一短ある
...どうするか数秒逡巡した
そうして天啓は降りてきた
2つを混ぜてしまえばいい
『漫画DEATH NOTEのLと、Trickの上田を混ぜて、柳米太郎の原型にしよう』
作者は言う
"核心に迫ることを言ってもいいよ。でもその分胡散臭くあったね"
(とその瞬間の僕は思っていた)
DEATH NOTEのLも、Trickの上田も、十分に胡散臭い人物である。しかし物語上の臭み消しがあり、手に負えないほどの胡散臭さにはなっていない。DEATH NOTEのLはその知性とカリスマ性によって。Trickの上田はその朴訥さとコミックリリーフによって。両者とも信頼を勝ち取る存在だ
では、その2つを混ぜたらどうなるのか?
"天才"かつ"物理学者"になることは間違いあるまい。Lを原型に持つため警察と繋がっているのも自然だし、上田なら尊大な態度を取っても許されるだろう
しかし、果たしてそれは他プレイヤが信頼できる存在になるものだろうか?
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2-4 今シナリオにおける柳米太郎とは
今シナリオにおける柳米太郎は、どうしようもなく胡散臭い探偵である。僕はこのキャラクタを、特にマーダーミステリーという点で酷く気に入った
・僕は核心を話す人かもしれない
・しかし同時に最も怪しい人だろう
他プレイヤがこれを見極めれるかどうか
そうしてみんなで遊ぼうじゃないか
謎はみんなで解くものだ
それでこそマダミスじゃないか
これをキャラクタ読み込みの間に思い付いてしまった
正直、欠点や懸念はたくさんある。下手したらシナリオが破綻するかもしれない。探偵役として明確に行動しなければシナリオが進まない場合もあり得る。しかし、僕はみんなを信じてこれをやろう。誰かを孤独にしないために、孤独になるかもしれない天才を演じきってやろう
...結果だけを先に言えば、この目論見は半分くらいは成功したと言える
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2-5 シナリオの優先順位
柳米太郎の優先順位を以下のように設定する
1. 殺意を持ってる人に犯罪を起こさせない
2. 阿邪辻真我を特定する
この1は、柳米太郎の天才の直感で得られたものだ
それはテキストの虫食いが多く、誰がとかどうやってかすら分からない、完璧とはほど遠い情報だった。存在は疑いようがない。しかし論拠は直感という曖昧なもので、誰かに伝えるのも難しい情報。言及すればするほど怪しさが増すだろう内容。それが1だ (なお用語の統一のため、1.の殺意を持ってる人を以降は「未だ殺意を持つ人」と呼ぶ)
2に関しては優先順位は低い
招待を送ってきた阿邪辻真我は気になる。しかし、正直それよりまず手前の殺人を防ぐ必要がある。これは阿邪辻真我との関係が、因縁というほどでもないことにも起因する。阿邪辻真我との関係は、前の事件調べてたら「やるね君」的な感じでファンレターをもらったのと、今回の招待をもらった程度の関係でしかなかったのだから
ここで面白いのは、阿邪辻真我は柳米太郎に執着していたが、柳米太郎は阿邪辻真我に執着していなかった非対称性がある点だ。なので阿邪辻真我の取り押さえは、ギミック的にもoptional気味な位置付けにあったように思う
(というか、「未だ殺意を持つ人」は華城蒼也を殺した下手人とも阿邪辻真我とも別かもしれないため、これからの殺人を防ぐには全ての人をケアする必要があった)
もちろん両方解決してこそ名探偵である。実際、プレイヤーとしては両方の実現を目標にはする。でももし、優先順位をつけるとしたら、この1>2になる。きっとDEATH NOTEのLもTrickの上田もそう返すんじゃないだろうか
(Lはニヤリと笑って「両方解決します」と自信満々にいいそうだし、上田は筋肉と勢いで「両方解決するぞ」とかいいそうだけど)
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3. 第一フェーズ
キャラクタ造形をインストールして、ゲームが始まる
まずは密談の開始だ
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3.1.1 ラビエルとの会話
最初にアプローチしたのはラビエルだった
柳米太郎が持っている秘密はラビエルとマドウ健司のもの
信頼を勝ち取りにいく方法として、その秘密をもとに懐に入ろうという作戦だ
基本的にマダミスで時間が余るということは少ない
全員を懇切丁寧に説得して回る時間はない
であれば、当たりをつけて最初に味方を作る必要がある
これら時間的な制約から、慎重に扱うべき情報を初手からぶつける方法をしばし取る
「黒須絵麻」の双子の相方ですよねと1,2言目に聞く
柳米太郎はラビエルの場合は顔も見ていたし、前事件を調べていたからその被害者である黒須絵麻のことも知ってる。そういうことも基本的にそのまま話す。少し強引かなと思ったけれど、今の僕はLと上田を足して2で割った存在だ。それくらい強引でもいいじゃないか。そういうノリで話をした
なんで知ってるのか的な疑問も、素直に前の事件を調べていた旨告げる。その上で「双子を殺された復讐としてyoutubeで手品の種明かししてるんでしょ?」と聞く。背景の理解と阿邪辻探しの共闘という点において主張をしたのが功を奏したのか、ある程度納得してくれたようだった
このやりとりで、なんとなくラビエルは「未だ殺意を持つ人」でも、阿邪辻真我でもないと判断
まず「未だ殺意を持つ人」にしては殺意がなさすぎる。道具に対する執着もないし、犯行を防がれる懸念を持つ思考ではなかった。そして阿邪辻真我とも考えにくい。阿邪辻真我は己の美学を持っているタイプで、暴露する路線とはちょっと違うだろう。ラビエルの場合は特に、一つの事件にフォーカスを絞ったものでもあるし、演出家的な立ち位置とは違う
大体そんなことをばーっと考えて、阿邪辻に関して協力できることがあればしようと申し出た
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3.1.2 マドウ健司との会話
マドウ健司についても同様のアプローチした
あなた爆弾持ってましたよね
解体して持っていたのは私です
そう単刀直入に告げた
幾許かの驚きのリアクションののち「入手したら渡して欲しい」とマドウ健司は言う。これは拒絶の返答をする。柳米太郎的には、「未だ殺意を持つ人」がいるのを知っているし、健司がそれである可能性は十分ある。であれば渡すわけにはいかない
この拒否に対し、シンジは警戒心を強めたように思う。あとで考えれば、シンジは火薬に関する手品を専門にしていて、そこに対するプロフェッショナリズムを持っていたため、回収したかったようだ
でも、それは言ってくれないと分からない。さっきまで人を殺そうとしてた人が回収したいというのは、外部から見れば殺意と見分けがつかない。柳米太郎視点ではそうだったけれど、その感覚が伝わらなかったらしい。もし狂言回しならこんなに表立て出てこないだろう、ということで初手突っ込む選択肢をした。でも今回は逆効果だったらしい
慎重にアプローチすべき所に突っ込むのが柳米太郎のスタイルだ
損得勘定や帳尻はあとで合わせる
そういう天才だ
結果的に言えばこれは(探偵としては)失敗していたように思う。メタ的には、おそらく爆弾回収にミッション的なのがあるだろうと思ったけど、拒絶の返答した時から不信感が伴ったのは何となく理解できた
損得や帳尻を合わせられる方法は限られている
柳米太郎の場合は、圧倒的な推理力か圧倒的なキャラクタ性がその候補になる
そして、今回は両方足りなかった。人心を掴むのは難しい
(そのあとで実際に爆弾カードを取得はでき、再度持ちかけをしてみたがこの認識は修正されなかったように思う)
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3.1.3 谷村泰水との会話
次は谷村と話をした
曰く、90分しか記憶がもたないとのこと。内容は手帳に書いてある
なるほどアムネジアってなる。手帳がどうなっているのか聞いてみたい気もするけど、情報の処理に手一杯であまり深く聞ける感じではない。直接見せてくれる感じでもない
ディフェンスが硬い
情報処理もあるけれど、そんな印象
本当は聞きたいことがあった。それは、柳米太郎が館に来た日、華城蒼也が「泥棒が入った」と言っていた事件について。それについて聞ければよかったのだけど、その憶測まで整理できない印象だった。多分、情報の整理ができてない(=外部とどう関係していいか指針が定まってない)感じ
でも、なんとなく、隠してることはあるだろうけれど殺人はしてなさそう、と仮置きする。「未だ殺意を持つ人」でもないだろう。何かを探す感じではないし何かを誤魔化す感じでもない。もしどれかであっても情報整理ができた後々でまた話をすればわかるだろう
そう判断をして手短に聞いて離脱
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3.1.4 TAIGAとの会話
一瞬だけTAIGAと話をする
まず当日のアリバイに関しては、途中まで一緒だったし、話すことあまりないよねーって喋る
ただし、阿邪辻真我についても聞いてみると、知ってる的なリアクションを得る。あれ、どういう経緯でその名前を聞いたの?と質問すれば、「僕も追いかけてるから知ってるんですよ」って返答
ダブル探偵?ってなるけど、まぁそういうなら…って一旦は放置。胡散臭さはなくはないが、柳米太郎も同じこと聞かれても同じ答えになるし。何よりメタは良くないしなーと再度思う
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3.1.5 佐伯一洋との会話
ちょっとここはうろ覚え
佐伯もネタを盗まれてると聞く
ここら辺で、華城蒼也はおそらくほぼ全員から恨まれてるなーってなる
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3.2 全体会議
柳米太郎とTAIGAが同室している理由が話題に上る
阿邪辻真我から招待されたことを述べ、ここで初めて前日に泥棒が入ったことを話題に挙げる。谷村に聞くが、やはり記憶がないとのこと(だったと思う)
また次の二つを、当人たちのリアクションを見ながら話題に挙げる
1. 爆弾があること
2. ラビエルの顔を見たことを話す
どちらも、"誰が"は明示しない形で情報を暴露していく
1.の爆弾に関しては、爆弾を屋形の中で見つけたので解体しておいた。2.のラビエルの顔については、顔を見たけど、誰か言っていい?的にラビエルの顔を伺う。という風に情報を一方的に暴露をしないように、でも話すよう促してみる (誰かの情報を勝手に暴露するのは好きでないため、その辺の振る舞いには結構気をつけている。効果があるかはわからないが...)
結果として、1.の爆弾の情報公開に関してマドウ健司は渋る感じになり、2.についてはラビエルは自分から話してくれることになった。ここでも、その渋る対応からマドウ健司の怪しさが払拭されずにいてしまった
どうせ他者に握られてる情報はいつか公開されるので、ならせめて自分で公開する機会を、と道先案内をしたつもりだったが上手く伝えられなかったらしい。難しい
そうこうして、持ってる情報の公開と整理に時間が使われて全体会議は終わった
この時点で柳米太郎が考えていることは次になる
・阿邪辻真我の正体は二の次でいい
・「未だ殺意を持つ人」を止めることが先決
(情報収集のために阿邪辻真我の正体に関しての議論には乗っかったが)
この点で考えると正体の分からない人物は次になる
- 佐伯一洋
- TAIGA
- マドウ魔遊
他のキャラクタに関しては以下の印象を持つ
- ラビエル
阿邪辻真我にしては美学が足りない
情報公開が復讐の手段であれば、「未だ殺意を持つ人」とは違うだろう
- 谷村泰水
怪しいが、殺意を持っている感じではない
ただしPLの方が情報整理に手こずってる感じ
- マドウ健司
爆弾に固執してる。爆弾を使わない可能性は否定できない
噛み合ってない印象があるが、柳が言うと逆効果な気がするので放置
これらのため、第二フェーズでは佐伯とマドウ魔遊に時間を割くことになる。TAIGAは怪しいなと思いつつ、やはり第二の殺人をしそうな気配ではなかったから放置した
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4. 第二フェーズ
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4.1 密談時間
休憩を挟んで、密談可能なターンの訪れである
記憶が朧げなため、散発的なまとめとする
・佐伯と話す
ラビエルと恋人だったらしいことを知る
これは正直、柳米太郎的には興味がない
・マドウ魔遊と話す
阿邪辻真我に依頼したことを知る
この会話で、マドウ魔遊の殺意の高さをなんとなく理解する。わからない/情報を整理できていないのではなく、何かを隠そうとして多弁になってる感じ(そういうのあるよね)
・谷村と話す
阿邪辻真我の名前を聞く。谷村の昔からのファンだったとのこと
犯罪芸術家とか気取るなら、足取りを残すなよとか心の中で突っ込みつつ話を聞く。同時に、阿邪辻真我=昔から谷村を知ってそうな人を探すといい?となる。またやはり谷村は阿邪辻真我ではないだろうという結論に達する。また最近手品を知っただろう、マドウ魔遊も範囲から外れる。あの殺意で違うんだ、なるほど...?
・マドウ健司のカードを引く
内容は手品のネタ帳的なもの。シナリオ的には、爆弾の起爆能力を付与できる
この手帳をラビエルが欲しいという
これは返答に窮する要望だった。カードを見ると爆破の能力を獲得してしまうし、天才の直感で未だ殺意を持つ人の存在がある。ラビエルがそうなら、みんな爆発であろう
...思案する
ラビエルは「未だ殺意を持つ人」だろうか
逡巡して、カードを渡す
ラビエルはそれではない
この判断は、ざっくりと以下のためである
・印象やキャラクタの動機から多分違う
・単純に、他に殺意が高いキャラクタがいる
・柳米太郎の味方を増やす必要がある
・完全にプレイヤーとしての癖として、なるべく信義には正にも負にも答えたい
これらを天秤にかけ、カードを渡した。結果論だがキャラ的にもこの行動は良かったと思う
これが密談可能な時間での、覚えてる限りの振る舞いだ
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4.2 全体会議
あとは全体会議のみ
材料は最低限は揃ったかな...足りないだろうか、という感じ
犯行の動機(why)は理解した
しかし、ほぼ全員にあるためそれは役に立たない
犯人を特定するにはトリック(how)が足りない
そう考えて殺意マシマシだったマドウ魔遊について質問する
一貫性のある返答をもらえず、おそらく自分の言ってることを把握できていないのかなとなる。でも、頑なに否定していたけれど、まぁ殴ったのは彼女でしょう。他で服がなくなっていたとの情報があったけど、どうせ性別で女性のラビエルが関係してるんじゃないかな。そんなことはどうでもいい
柳米太郎としての認識はそれだった
しかし、ここでプレイヤ的には少しの混乱があった
もし君(=マドウ魔遊)が殺意を持つ人なら、犯行の隠蔽と阿邪辻真我探しは両立しないんじゃないだろうか。アイドルだけど手品師をやれる才能、それに殺された友人の復讐への冷徹さ。その2つをマドウ魔遊を持つはずだ。でもこの一貫性のない応対は何を意味するんだろう?
ここの対処のために、時間がかかってしまった (思考をトレースできない場合の対応が下手なのが、個人的な課題だと思っている)
他にも、警察からの内部資料が柳米太郎とTAIGAの部屋から出て、なぜかマドウ魔遊からそのことを詰められた。柳米太郎的には知らんと言うしかないし、TAIGAも知らないし。マドウ魔遊がなぜそこまで気になったのか、よく分からなかった (マドウ魔遊的には、警察内部の情報を盗んできた?的な疑問だったっぽいが、盗んできたら何なのだろうか)
...阿邪辻真我に到達するには、時間が足りない
そう考えたのか、佐伯一洋がここら辺で秘匿していた情報を話してくれる
曰く、華城蒼也の部屋の秘密の部屋にいたと。その部屋に爆発までいて、色々物音を聞いていたそうだ
・ガチャンという金属音
・高笑いの声
この情報を精査しているうちに、時間が迫る
ここで次の情報を思い出す
・一酸化炭素は爆発する
・空気より軽い
・天井の通気口は栓がされている
これらを組み合わせて考えられる時限式の爆弾は作れないか。思い浮かんだ答えは、部屋の上から一酸化炭素が徐々に満ちていって、最終的に火種に到達すれば爆発するのではないか。暖炉の容積を考えてもそれが一番あり得そうに思えた
ただ、今改めて考えるとバックドラフトなので新しい酸素がないと実現しないため、現実世界ではこれは実現しない。しかし同時に、シナリオの答えでも納得できていない箇所でもある。これは下で改めて言及する
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5. 結末
賑やかな捜査の時間は終わった
あとはグループSNEお約束の投票の時間だ
誰を指定するかとGMに尋ねれば「華城蒼也を殺した人」を指名とのこと。拘束したい人であったらマドウ魔遊だったが、優先順位としては二の次な阿邪辻真我を探さねばならなくなって困る
投票先に迷う
印象は相変わらず、ラビエル・谷村泰水・マドウ健司は多分違う。マドウ魔遊は殴った人だ。残るは佐伯一洋かTAIGA。正直、これ識別付かないんじゃないだろうか...TAIGAが実行可能だとしても、隠し部屋にいた佐伯一洋の証言を裏付けるものはないし、アリバイだけでは詰められない....?なら、物理的に最も近い佐伯一洋...?と考えて佐伯一洋に投票 (軍手を片手抜いでたからスマホを使った、というのがあったけど、別に佐伯一洋もスマホなら電話可能だし、この2人を識別できるのか?は今でも疑問に残っている)
そんなこんなで、他の方も含めた投票で多かったのが
・柳米太郎が2票
・TAIGAが2票
という状況になる
どうなるの?とGMに聞いて返ってきた答えは、決選投票
正直...僕はここで心の中でガッツポーズをしていた
最終的にどちらが選ばれるにせよ、やれることをやった
もちろん、”天才”柳米太郎というには推理は不十分だった
最初のキャラ造形の2割も実現できなかった
イーブンまで持ち込めたのは、他プレイヤの明晰さ故にだ
しかし何より、1人でプレイしない、というのが最初の目標でもあったのだ
であれば、どんな結果になろうが満足である
…そうして、柳米太郎は拘束され、マドウ魔遊に殴り殺された
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6. 反省等
反省点は多くある
そしてトリックへの不満もちょっとある
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6.1 TAIGAに関して
さて、TAIGAこと阿邪辻真我は今回のシナリオで最もクリティカルな所だろう
今回の感想でも、最後に持ってきたのはそういうことである
HOを読み込んだ時、TAIGAに抱いた第一印象を率直に述べれば「こいつ阿邪辻真我じゃね?」である(非常に負け惜しみ気味になるが)。より正確に言えば『金田一少年の事件簿』の高遠遙一ぽくね?印象がないけど傍にいたやつというストーカーっぽいのも一致するし...犯罪芸術家とかいうナルシスチックな印象と一致するし...
そういう印象であったが、メタで予測するのはよくないとすぐそれを排する
そしてプレイし初めても印象が更新されない。なぜか阿邪辻真我の名前を知ってる程度。それ以外は無であるし、何してるか分からない
もし意味のあるプレイヤなら、一緒にいてアリバイが多いことをアピールするだろう。でもそれもない。最初の密談で、お互いのアリバイを話したけれど、それに固執しない印象があった。後ろめたい人ならもう少し手応えがあるものだけど
うーん
それがTAIGAの印象の全て
(そこまで自分の色を消せたTAIGAのプレイヤの力量とも言える)
メタをいうなら、TAIGAは最初探偵と言っていたのに、そういう振る舞いが全然なかった。後半でも存在感が消えたまま。その意味で怪しいと指摘することはできる。しかしそもそも"あなた怪しいですね"というのにも材料がいる彼を精査しても良かったが、いかんせん情報がない。物語としての舞台がまだ整ってない
そう判断して、トリックなどを詰める方に集中していた。これはこれで正しかったと思う
唯一思うのは、TAIGAに直接「あなたは阿邪辻真我?」と聞けば良かったことぐらいだろうか。それはほぼノーコストだし、リアクションを見る価値はあるように思えた。ただ結局、阿邪辻真我がどういうやつかを十分知らないので、違うと否定されてもそれで一旦納得していたように思う
なので今回みんなの総意としてTAIGAではなく柳米太郎が選ばれたのなら、それは柳米太郎のプレイスタイルの方に課題がある
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6.2 よりよく演じるには
さて反省らしい反省である
今回の柳米太郎のキャラ造形「DEATH NOTEのLとTrickの上田を組み合わせたキャラ」は基本的に良かったと思っている。しかし課題は多くある
まず、他プレイヤーが"柳米太郎"というキャラクタをどう受容すればいいか、分かりにくかったのではないかと思う。胡散臭さは当初の通りに実現できた。しかし、分かりやすい"胡散臭さ"はあるように思う。目指すべきはそこだったが、当時の僕の引き出しの中にそういうバリエーションは入っていなかった
全く新しいキャラ造形を生み出す力
接しただけで他者を納得させられるだけのパフォーマンス
まだまだ足りないことが多い
他にも、「みんなで謎を解く」というスタンスから考えれば、協力して情報を集め謎を解く状態に持っていくべきだった。しかし、天才というスタンス(&胡散臭さ)から、孤独に謎解きをする状態になってしまっていた。マドウ魔遊が殴打に関わってたことを確信できたのは最後の方だったし、佐伯の隠れているのも把握できていなかった
これは"DEATH NOTEのL"的にはOKだ。なぜなら、Lならそれでも解決できるだろうから。しかし、マーダーミステリーとして考えるとちょっと噛み合わせが悪い
もう1つの課題はhowではなくwhyから詰めたがる癖だ
マーダーミステリーとして考えた時、whyから詰める方が機能しやすい。机で齧り付くようにhowを考えているのもできるけれど、それだと状況が動かない。これもあって、whyに力点を置きがちだが、探偵としてはちょっと弱い所がある。もう少し謎を解く地力を向上させる必要性を感じる
(とはいえ、過去卓で"天才"達の集まり的なシナリオを遊んだ時、ちゃんと"天才"できたので、インストールするキャラにかなり影響を受けるらしい気もする)
ともあれ、このキャラ造形は個人的に気に入ってる所ではある
可能なら色々模索して、良い落とし所を模索できればと思う
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6.3 トリックなど
トリックは、半分まだ納得できていない
理由は明瞭だ
それは、"煙突の容積が足りず、おそらく部屋に一酸化炭素が流れ出る"だろうから
燻される対象の部屋は全部で5つある。それぞれの大きさは全て同じだと仮定する。また、燻せる時間は皆が寝ている間だけなので、確実に寝てそうな時間帯として02:00から07:00まで寝ているとする。この5時間の間で燻し切らないといけない。一酸化炭素は軽いので上から充満するし、人の寝具は基本的に部屋の下部にあるため、基本的には部屋の全てを満たされる必要がある。つまり、暖炉は1時間で1つの部屋を充満できることを意味する
いくらか単純化は挟んでいるが、オーダとしては合っていると思う
さて、華城蒼也は殴られて1時間ほど気絶していた。であれば、暖炉は1つの部屋を充満できるほどの一酸化炭素を生成していたはずだ
その上で考える
煙突は1つの部屋より広い空間を持つのか?
いや、それは考えにくい
であれば、鎮火したか、一酸化炭素が部屋に漏れ出ていると考えるべきだろう
この「いやでもだって体積的に無理ですやん」という感覚は最後までまとわりつく疑念になる。この疑問は、室内に一酸化炭素が充満して時限式で爆発という方法を捻り出す動機の1つにもなった。あと死因も、一酸化炭素が部屋にそこまで充満してれば、立ち上がった瞬間死ぬので、死因は爆発よりそれじゃねとか。こうしてトリックの袋小路にハマってしまった感があった
というのがトリックで個人的に引っかかった箇所
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7. 感想
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7.1 総括
細かいことは書いたが、総括を述べれば一言、"面白かった!!!!!"
この『奇想、アムネジア』は過去ベストの中に間違いなく入る作品でした
記憶を消して、再度プレイしたい...
純粋な推理ものとしてもレベルが高いし、マダミスとしても演じていて楽しかった
(特に、柳米太郎をできたのは幸運であったと思っています)
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7.2 プレイヤの方々への感想
(以下は同卓していただいた方に向けた感想です)
ラビエルはここ最近、ご一緒している機会の多いケイトさんという方で、今回も質の高いプレイを打ち返していただいて流石だなーってなってました。爆弾カードを手渡したのも、そこまで信頼を形成できるだけのやり取りになっていたからです。推理に関してもさすがでした
佐伯一洋さん演じる方も、推理がすごくて目を見張るものがありました。おかげさまで決選投票までいけました、ありがとうございます。ただもっと上手くコミュニケートして、情報をやり取りできれば良かったなーって思ってます (どうすれば、柳のキャラクタでそういった交渉をするのかは、最近ずっと考えていることの1つ)
TAIGAは最後までスマートでした
立場的にあまり議論できる関係ではなかったのが残念です。勝利宣言のポーズはグッときましたね、格好良かった。たぶん、違うキャラならもっと色々やり取りして、面白いことができたと思っています。またどこかでお会いできれば嬉しいです
谷村泰水さんは、実は初マダミスとのことだったかと思います
不慣れな中、かつ特殊なキャラだったかと思いますが、キャラクタの形とそれに乖離がなくて、そういう方なんだなーと自然に思えました。良いプレイだったと思います
マドウ健司さんに関しては、爆弾の話が全てでしょうか
もう少し別の切り口で情報を提示できればよかったのですが、やはり時間的にも選択肢が少なく申し訳ない限りです。もっと、なぜそんなこと(=爆弾を渡してくれないのか)等、質問していただければいい感じの打ち返しが出来たかなーと思います
マドウ魔遊さんは情報の取捨選択に手一杯になってそうで、うまくヘルプできず申し訳ない。基本的に、マダミスでの目的は全て達成できることは少なく、場合によっては優先順位に従って一部を暴露した方がいい場合があると思います (より言えば、僕はマダミスとは暴露するゲームだとも思っています) 今回はそこのフィーリングをうまく読めず、ディスコミュニケーション気味になってしまってた気がします
もう少し精進したいと思います、良い経験になりました