Feuille-Morteよりゲキノウタの感想です。
当方のブログよりこちらが適切かと思い、こちらに書きました。以下追記
「劇」の多くは、『劇作家』によって創造された台本・筋書きがある。
この、『劇作家』の創造物は「劇」を構成する要素の中でも最も根底にあり、それは”核”であり”魂”でもある。
「劇」の登場人物は『劇作家』の手により”魂”を与えられ、
その”魂”は舞台の上の演者に憑依し、その身体を操り、
また、演者だけでなく道具や舞台装置などの無機物をも意のままにし、
そしてときには、その「劇」に込められた”魂”の震えは『観客』を支配下に置くことにさえ至るのだ。
『劇作家』とは、
演者に、
舞台に、
観客に、
「劇」を構成するすべての要素に”魂”を与える創造主、すなわち『神』なのだ。
・・・特に意味のない中二病な前置きはここまでにして、感想を書きましょうか。
短期間ながら『ゲキノウタ』を沢山聴きました。このCD、癖になるやつです。
『タビノウタ』と同じくミニアルバムで次の作品へto be continued...?って感じの位置付けのCDです。
こういった形式はワクワクするので好きですね。そして同時に苦しくもあるわけですが・・・。
オタクは大抵、情報を小出しにされるのに弱いイキモノなんですね。
では早速感想をば。
1. 名前の無い男
全てを奪われた男の無情なる叫び、その思い、”激するうた”。
ボーカリストは頼経遥さんです。声が格好いい!(語彙力
暗闇の奥から響くような重く力強い歌声は『ゲキノウタ』の世界へ聴く者を引き込ませる魅力があります。
頼経遥さんのブログによると”メゾソプラノ”とのことで、この声質を持っていらっしゃる方は女性ながら男性役(特に青年)に起用されることもあるんだとか。詳しいわけではないのですが、オペラ用語では”ズボン役”なんて言ったりするそうですよ。
RDさんの楽曲の多くを歌っておられる、めらみぽっぷさんとはまた違った声質です。
男性役を歌った場合のめらみぽっぷさんの歌声はどちらかといえば少年って感じですよね?(『随』の某仲良し村とか)
なによりRDさんの創作ワールドがぐんと広くなったようで、これからの活動がとてもとても楽しみです!
2. 「劇」
男。
何も無い男。
名前も無い、背景も無い、劇のタイトルすらも無い、
役に与えられた意味も設定も無い、発する言葉も無い、哀れな男。
何者かに破かれた未完の台本。
そこに登場する人物は、ただ独りの男。
その「劇」が、喜劇なのか、悲劇なのか、それとも愛憎劇なのか、男には何も分からない。
リッピングしてる時、秒数を見て「えっなにこのトラック・・・」ってなりますよね?
横目で開かれた『ゲキノウタ』のケースを見ながら数秒間思考して何か察しました。
* 『劇作家』の独白
とある『劇作家』の嘆きの歌。
この心の折れっぷり、どうやらこの『劇作家』は自らの作品に深い愛情と自信を持っていたようですね。
しかし、哀れにも彼が”魂”を込めて創作した作品は”駄作”の烙印を捺され、舞台袖の闇に消えていったのです。
ーーーここから↓は肥大した妄想ーーー
おそらく烙印を捺したのは大きな権力を持つ劇場の支配者、歌詞中に登場する”父君”なのでしょうか。
”父君”の言葉は劇場では絶対的な力を持ち、同業者も演者も観客も劇に携わるもの全ての者を支配し得るとして、
権力者の評価は大衆操作が働くことで共通認識へと変わり、こうして捺された”駄作”の烙印は覆ることは無いでしょう。
ところで、彼はどうして『劇作家』になったのでしょうか?
単純に劇の台本を書くのが好きだったから?たぶん、そういった純粋な動機もあったんだとは思いますが。
どちらかというと、自らの自由意志に基づく決断ではなく、”父君”の意志により『劇作家』という役を押し付けられた、という背景も強いのではないかと思います。
”父君”の評価は愛情故の厳しさから来るものなのか定かではありませんが、それ以前に劇に対する考え方そのものに食い違いがあるのかもしれません。
『劇作家』と”父君”の作風がどういったものかは定かではありませんが、なんとなくそう思います。(師弟モノの王道っぽい!
* 『劇作家』の閃き
哀れな『劇作家』は何かを閃いたようです。
”駄作”を創造した自分もまた”駄作”。
自ら”駄作”と伴に戦い、世界に牙を剥くと、彼は決意するのだった。
ウシーロニアー・・・。
曲が不穏に終わり、ブックレットを閉じると舞台袖から血が滴る刃物がチラリ。
えぇ・・・
”戦い”ってそういう?!
「破り捨てられた”駄作”を新たな作品として昇華させて~」とかそういう流れではなく”戦い”(物理)?!
じゃあアレですか?父親が創造した劇作品の登場人物を〇して回る『名前の無い男』とかそういう次回作?!
何それ怖い・・・。
ーーー以上、妄想終わりーーー
早計な妄想はともかく、ジャケットにいる少女が可愛いので彼には平和的な解決をしてもらいたいものです。
ところで凋叶棕の夏コミ新作『逆』のテーマは「逆転」ですね。
『劇作家』も世界への反逆の意志を示しているので、同時(?)頒布物としてちょっとした共通性を意識されていたりするのでしょうか。
まだ買われていない方はこの2枚は是非一緒に購入して反逆していきましょう。
謎が多く残されている状態でよくわからない部分も多いすが、小出しされる情報に弱い私はとても続きが気になります。
まだまだ暑い季節ですが、もう冬コミが待ち遠しいですね。
以上、いつも通りよくわからない感想となります。
(これ、大型のオリジナルアルバム来たら1万文字超えないかな・・・)