なんで!
なんで梨々花、みぞせんぱいの演奏会に誘われてへんの!?
「響け!ユーフォニアム 最終楽章・後編」感想。
ネタバレあり!
発売日前日に6000文字の感想書いてるの、めちゃくちゃウケますね。
このふせったーは「響け!ユーフォニアム 最終楽章・後編」のネタバレあり感想です。
読んだだけで内容が全部わかるレベルなので、本編読了後に読むことを強く推奨します。
でも、いいねはしてほしいです。
いいねは、
して、
ほしいです!!!
前提として、数か月後に「あー、最初の感想は読みが甘いなぁ」と、最初に読んだ時の新鮮な感想を振り返るための備忘録のようなものであり、考察の域には達していないと認識しているということをお伝えしておきます。
まずは後編の展開予測の自己採点から。
・月永求くんのお姉さんは亡くなっている:〇
・前編モノローグは久美子先輩で、久美子先輩は北宇治の顧問になる:〇
・針谷さんが退部しちゃうのでは:×
・黒江先輩は火薬庫にみせかけたふわふわしてるだけのクラゲ:〇
・塚本先輩と麗奈先輩は道を分かつ:〇
ほぼ8割正解って感じですかねー。
センター試験だったら、いいとこ行けますね。さすりり。
●最終楽章のテーマは「音楽の本質」
「響け!ユーフォニアム」は成長の物語です。
久美子先輩だけでなく、麗奈先輩も、求くんも、他の部員も、卒業していった先輩も、きっとどこかで悩んでいて、悩んで悩んで努力して、そして懊悩の果てに結果を勝ち得る。
「頑張るって、なんですか?」
頑張った結果が良くても悪くても、全てが成長の糧になる。
そういう、吹奏楽部全員の成長の物語。
そして「最終楽章」は、久美子先輩自身の物語です。
今までは、久美子先輩の目というファインダーを通して観た、周りの人たちの物語でしたねー。
●では感想いきます。
まずテキストの44ページを開いてください。
ほらぁ!!
優子先輩と麗奈先輩が仲良し!
ほらほらぁ!
希美先輩に麗奈先輩が噛みついた第二楽章のシーンとか、背中を撫でるシーンとかで、『絶対、優子先輩と麗奈先輩仲いいわ』って思い続けてたやつを、やっとはっきりと綾乃さんが描写してくれて、嬉しくて死にそうです。
私は優子×麗奈を推してて、2017年の10月から二次創作を連載してます。
いま現在、トータルで20万文字(文庫本1冊半くらい)になってます。
よろしくお願いします。
https://www.pixiv.net/novel/series/888310
宣伝はこのくらいにしておきまして。
「優子と麗奈は仲悪いっしょ」とか「はぁ、なんでその二人なわけ?」とか、私に言ってきた人に、44ページを3000回朗読してもらいたいです。刮目せよ。
「全国は応援に行くからね」
「優子先輩が来るって知ったら、みんな喜びますよ」
「高坂がお世辞? めっずらしー」
「お世辞ではなく本心なので」
お世辞ではなく本心なので ≒ 私は優子先輩が来てくれたら嬉しいです。
ほらぁ!!
ほらぁ!!!!!
●梨々花の圧倒的に少ない出番。
おかしいです。なんだったら、梨々花いなくても成立します。
アニメ化したときにまたモブになっちゃう。つらい。
でも、ちょこちょこ察しがいいところは見せていて、進路に悩んでることを察して大学の説明会に誘ったり、麗奈先輩とケンカしたことを見抜いてたりと、暗躍を見せています。
暗躍してないで、表舞台に出て欲しいのですが!!
ただ、なぜみぞせんぱいの演奏会に誘われてませんか?
あれですよね、優子先輩に渡したチケットとは別口で私にもチケットが来ていて、久美子先輩チームとは別で演奏会に来てたんですよね?
そうですよね、綾乃さん。
……そうです、よね?
●今回一番死んだのは、間違いなく「なかよし川」クラスタ。
大学でバンドを組んでるそうですね。
夏紀先輩ベースで、優子先輩ギターボーカル。
これって……二次創作で見ましたね。
せたさんとか、むっしゅさんの二次創作にありましたよね。
これがあれですね、原作との解釈の一致、ってやつですね。
●W鈴木。
見ましたか皆さん。
【冷静を装って二人を眺めているが、内心ではさつきを甘やかしたくて仕方ないのだろう】
この一文を読むだけで、もうなんの説明も要らなくなってしまいました。
なので、なんの感想も述べません。
ただ私はこの一文を読んで「殺す気か!」と言ったことだけを記しておきます。
●月永求くん
求くんが感極まって泣くところ、やばかったです。ちょっと泣きました。
求くんに関しては、事実の開示をしただけで、なんら核心には触れておらず、全く掘り下げられていない印象があります。
求君のお姉さんが亡くなっているのは事前に予測していた通りで、お姉さんがコンバスっていうのも想像の範囲でした。
求くんがお姉さんの死に具体的にどのような感情を抱き、祖父との間にどんな亀裂を生じさせ、緑先輩にどんな感情を抱いていて、合宿でなにを伝えたのか。
一切、描写されていません。
個人的には、合宿で求くんが伝えたのは「先輩を亡くなったお姉さんに重ねています。すみません」というような内容ではないかと思っています。
それが描写されていないのは、本編が一貫して「久美子先輩の物語」ではないかと考えています。
求くんの背景と問題について、久美子先輩が介入するまでもなく、緑先輩が求くんの存在を肯定している以上、久美子先輩の視点から語られる物語でこれ以上掘り下げることはない。
ということかと思っています。
短編集は久美子先輩以外の視点から描写されることが多々あるので、求くんについて掘り下げ、あるいは緑先輩の卒業後にどうなったのか、お付き合いするに至るのかとか、いろいろ描写されるのかなー。
●久石奏くん。
奏ちゃんの考察は、久石奏クンさんにお任せしまーす(まだ名前の読み方を覚えていない
ともあれ、奏がAメンバーから落ちるとはあんまり思ってなかったので、奏の心象描写が少ないのは残念に思います。
奏の抱えている悩みや悲哀の描写は全然なくて、終始一貫して「久美子先輩の味方である」というスタンスのみが強調される描写になっています。
久美子先輩の頑なな態度を軟化させようとして、結果として上手くいかなかった、ということに見えますが、どうなんでしょうね、先輩。
梨々花と奏の絡みもほぼなくて、あやのさぁーん!って感じです。
りりかな……。
●針谷さん。
弥生ちゃんの親父ギャグにツッコむだけの存在と化していて、あれ?って感じです。
この物語はユーフォニアムの話なのに、針谷さんがフィーチャーされないのはきな臭い。きっと何かあるに違いない。
とか言っていた1ヶ月前の記憶を抹消したいです。
●一年の詩。
北宇治の自由曲「一年の詩」は、滝先生のために作曲された曲です。
でも、作曲の戸川さんが、戸川さんのお父さんが亡くなったときに、亡くなるまでの一緒に過ごした一年間を描いた曲です。
滝先生のための曲だけど、内容は戸川さんのストーリー。
この部分の表現が、少し分かりづらい。
「一年の詩」第三楽章ソリは、別れを予感させる悲哀のメロディです。
戸川さんとお父さんの死別を表現しているものですが、滝先生と千尋さんの別れもイメージさせます。
そして、全体としては「久美子先輩の北宇治高校の三年間」ですよね。
演奏シーン読み飛ばしがちな人が多いって聞いてますけど、全国大会の自由曲のところだけは丁寧に読んで欲しいです。
「冬は終わり、それでも春がやってくる」という言葉が印象的です。
●麗奈先輩。
今回登場の新用語。
「滝先生パトロール」
「(滝先生)過激派」
滝先生が暗に肯定している通り、滝先生は「自分の好きな音楽」より「コンクールで勝てる」音楽を優先して編成を決めています。
奏や久美子先輩がそれに気づいていたように、麗奈先輩もそれに気づいていたんではないですかね。
でも、顧問を信用することこそ全てという思考が、頑なにならざるを得ない状況を作った、とか。
久美子先輩も「ブレないことは、盲信と何が違うのか」というようなことを考えていますね。
麗奈先輩は「部長失格」と久美子先輩に言ってしまったことを、おそらく直後に激しく後悔して、なかったことにするために衝突を避けたわけです。
「高坂、お前そんなこと言うたんか」と塚本先輩に糾弾されたときに口ごもり「叱られた子供のように」「傷ついた顔」をしていたのがその証左です。
この点については、人間的でかわいいな、って思います。
演奏に於いて圧倒的実力を持っていながら、人間関係に未熟である自分を肯定できずに思い悩んでいたわけです。
ユーフォって完璧な人間がいないんですよね。
そこがキャラクターの魅力を作り出してるのかなーって思ってます。
●黒江真由先輩。
フリーペーパーに書いてありましたが、黒江先輩の名前の由来はやはり「ダフニスとクロエ」のようです。
ダフクロを名前の由来としたことにどんなメッセージがあるかは謎です。
黒江先輩に関しては、なんだか未だに靄に包まれていて、良く分かりません。
黒江先輩を、緑先輩はクラゲに例えました。
クラゲはただ、きままにふわふわと浮かんでいるだけです。敵を刺して攻撃しようという意志を持ってはいません。ただ、誰かが近づいてきたときに、結果として触れたことが攻撃になってしまう。
黒江先輩の「リズと青い鳥」の解釈にある「最初から欲張らなければ、お別れも寂しくなかったんじゃないかな」という言葉が、本質を表しているのだと思います。
仲良くしたいけれど、いずれ別れることを知っているから、欲張らない。
それが、実力はあるのに、成績に拘泥しないという究極の事なかれ主義を醸成したのかなーと思います。
ただ、過去の同級生を「仲良し」と表現し、部屋には昔のアルバムが沢山ある。
なのに、そのアルバムに収まった写真は、自分自身がファインダーになっているので、自分が写っていない写真ばかりである。
うーん。
ざっくばらんに書きなぐっても、なんら答えが出ないですね……。
というかもしかして、過剰に自分に自信がないのかな。
だから空気を乱したくなくて、安寧を望んでいる。
久美子先輩と奏と三人で写真を撮るときに「私が写っていたら、二人とも嬉しい?」を見てそう思いました。
ただ、久美子先輩が教師という選択をする上で、黒江先輩の存在は極めて重要だったと思うんですよ。
結局のところ、久美子先輩が「吹奏楽」「音楽」「コンクール」の意味について、滝先生と同じように悩んでゆらいで、最終的に教師になろうということを心に決めるに至る過程を描くために、黒江真由という存在があったのかなって気がします。
黒江先輩がいなければ、奏はAメンバー、ソリストは久美子先輩固定で、後輩がふたつに割れることもなく、波は凪いでいて、久美子先輩は教師になるという選択に至らなかったのではないでしょうか。
●久美子先輩。
その久美子先輩ですが。
相変わらず、真面目な話してるときに、太もも凝視してたりして笑っちゃいます。
久美子先輩の心のゆらぎについては、何度も読み返さないと核心に迫れないなーと感じてます。
久美子先輩の進学先は言及されていません。
おそらく故意に隠してますね。
なぜなら、教育学部・音楽大学に進学することを事前に明示してしまうと、教師になることが読者にバレてしまい、一番最後のセリフ「北宇治高校吹奏楽部へようこそ」のインパクトがなくなるので、進学先についての叙述を避けたのでしょう。
見逃しがちですが、久美子先輩は「副顧問」です。
「顧問の姿を真似るように、腕を大きく広げた」という描写がありますね。
最終楽章前編で、滝先生が腕を大きく広げ「北宇治高校吹奏楽部へようこそ」と言っているので、滝先生は四年後も北宇治で顧問をしている、ということになります。
●抹消されたトランペットパートの三年生。
北宇治は葵先輩以外に退部者がいないはずなんですよ。
1巻を読むと、トランペットパートは「高坂、吉沢、糸田」の三人なんですね。
でもトランペットのAメンバー発表で糸田の名前は呼ばれません。
「二年、小日向夢」と呼ばれているので、三年は麗奈先輩と、吉沢先輩の二人だけと考えて差し支えないと思うんですが、糸田さんはどこへ消えてしまったのですか。
ユーフォ七不思議に追加です。
●分からないところ
68ページ
「真由ちゃんだって仲良しの友達はいるでしょ? つばめちゃんとか」
自分の名前を出され、つばめが肩を強張らせる。(中略)瞳が不安に揺れた。
これ、なんでしょう……なぜつばめ先輩は不安げなんですかね。
察するに、「久美子先輩と真由先輩の関係は微妙だから、自分を真由派みたいな立ち位置にされると困る」ということでしょうか?
108ページ
久美子の触れられたいところを的確になでていく。共感し、言葉を重ね、相手の本心を探る。このやり方には覚えがある。
これ、あすか先輩のことを言ってます?
覚えがある、から嫌悪感があるのでしょうか。久美子先輩の感情に迫れません。むずい。
151ページ
奏は久美子先輩が黒江先輩より上手いと認識していて、
黒江先輩がソリストになった理由を「思い出作りをさせたかったのでは」と発言しています。
同様のことを塚本先輩、緑先輩も発言しています。
結局、全国大会のソリストが久美子先輩になったからよかったものの、結局これってどうだったんですかね。
奏や塚本先輩が久美子先輩に近いので、贔屓のバイアスがかけられて「久美子先輩の方が上手いのに」ということになったのか、実際に黒江先輩が三年生だから重用したのか。
●「誓いのフィナーレ」テレビシリーズ制作の可能性。
やっぱり思ったんですけど。
「最終楽章」って、分割するの無理じゃないですか?
「第二楽章」は、希美先輩とみぞれ先輩の物語を、独立した一つの物語としてパージしましたけど、「最終楽章」は終始一貫して久美子先輩の物語です。
とすれば、アニメ化で考えられる選択肢はふたつ。
「映画一本に全部まとめる」「テレビシリーズにする」です。
とても二時間に収まらない内容なので、前者は困難。
よって、テレビシリーズ確定です(?)
そして、いきなり三年生は映画見てない組がついてこれなくなるので、二年生編をテレビシリーズ放映してから、ということになりますね(?)
はぁー、テンション上がってきましたぁ!!!