1. エルガちゃん関係の考察
注意:クロノクロスのネタバレも含みます!
キャラ設定のほとんどが謎に包まれているキャラの一人。キャラクエ3からは、雷心王の王子アルファルドと恐らく恋仲、オーガゼノンの娘と推測できるが… #アナザーエデン
謎その1:エルガちゃんはなぜ今オーガじゃないのか?
困ったことに、今の姿は全くもってオーガ族ではないのだ。これはどういうことなのか?
1-1. エルガちゃん転生説
これはハッキリと否定できる。そもそもエルガは現代で「賞金稼ぎとなった後の記憶しか持っていない」からだ。現代でエルガが前世の因果を保ったまま生まれてきたとしても、賞金稼ぎ以前の記憶がないという設定と矛盾してしまう。
1-2. オーガ族の力が封印されて現代に飛んだよ説
これについては興味深い項目がいくつかある。1つにオーガバノンの姿が挙げられる。彼はオーガ族なのだが、アルド達に敗北した後は普通の人間サイズのキャラクターへと変貌しているのだ。キャラの肌の色なども魔獣に酷似しており、何かしらの関係性を伺わせるのだが、これは魔獣と同様、力を抑えた状態が存在するということではないだろうか。(ヴァレスの人間形態と魔獣形態の違いと同様)
とすれば、エルガもそのような人間形態とオーガ形態の変化が行えるだろうし、実際に彼女もキャラクエ3の最後で「自分の中に覗いちゃいけない何かがある」という事を触れていたことを考えると、オーガ族の力を封印された上で現代へとやってきたと考えるのが自然であろう。
だが、そうすると新たに浮かぶ疑問がある。「誰が」、「何のために」エルガのオーガ族としての力を封印し、あげく全く別のAD300年へと時空転移させたのかという点である。
これについては後述するが、このような芸当を行える、そして行うべき理由をもった人物が一人だけいるのだ。
以下、オーガの力が封印された説を前提に考察を進めたい。
謎その2:なんでエルガちゃんは時空を超え(られ)たの?
これは1.5部本編のストーリーの考察とクロスする仮説である。
本編では、オーガベインは雷心王の持つ聖剣パルシファルを自身に変えることで歴史を書き換え、現在のミグランス王の持つ聖剣を自身で上書きしてしまうことを狙った。しかし、星の夢見館のあるじが「剣の手入れ」と称して両者の聖剣を入れ替えて渡したことで、オーガベインの企みは阻止されてしまう。本編でもアルドたちが語っているように、「オーガベインの狙いを知らなければ出来ない芸当」であることは確実である。とすれば、そのことを知っているのは、オーガベイン誕生の場に居あわせた人物ということになる。それに該当するのはアルドたち一行、ミグランス王、そして雷心王である。その中でも雷心王は、物語のエピローグで世界樹のもとに行き、「この魂も現世に留まり、この世界を見守る」ことを述べている。
そこで考えられる可能性として、以下のものが挙げられる
2-1. 星の夢見館のあるじ=雷心王説
真っ先に思い浮かんだ可能性だが、実はこれは可能性が低い。
星の夢見館のあるじは、アルドと似た意匠の鈴の首飾りを身に着けており、アルドとの関係性を強く疑われている人物でもある。雷心王と風貌上似ても似つかない、その上アルドとの関係性が薄い人物が星の夢見館のあるじになるとは到底考えにくいのである。だが…
2-2. 星の夢見館のあるじ=アルファルド説
唐突な説に聞こえるかもしれないが、実はこれを示す根拠がいくつかある。
・エルガクエスト3のタイトルが「かつての面影は 今も隣に」
このタイトルが示す「かつての面影」がアルファルド、そして隣にいるのはアルドではないか。
・エルガがアルドに対して「懐かしい感じがする」的なことを述べていた。同様のことは雷心王も述べている。
(この辺記憶がちょっと曖昧です。申し訳ない……キャラクエを確認できる動画が上がったら、もう一度吟味します)
・アルドとあるじの風貌上の共通点(鈴の首飾り)
(主観ですが、アルドとアルファルドの名前が似ているのも単なる偶然で済むとは思っていません)
・アルファルドの名前の意味が、アラビア語で「孤独なるもの」
クロノトリガーの時の賢者ハッシュが時の最果てでクロノたちの運命を導いたように、あるじが星の夢見館でアルドたちの運命を導いている。その上ハッシュと星の夢見館のあるじの両者とも孤独な存在であることが、この説を支える根拠となっている。
(「アルファルド」という名前を見た時、「クロノトリガーのジャキが飼っていた猫の名前(アルファド)とほぼ同じやんけ!」と一人で勝手に興奮していました。完全に余談ですが)
【追記】
クロノシリーズの重要キャラに近い存在って、やたらAlphardっていう語句を連想させますよね。魔王の飼い猫のアルファド、クロスで魔王と強い関係があるとされるアルフ、そしてアナデンのアルド。
しかし、オーガの罠にはまってしまい、最終的には殺されてしまうアルファルドがいきなり星の夢見館のあるじになれるとは思えない。いくつか可能性があるが、情報不足のために憶測の域を出ないので注意されたし。
・死後、アルファルドの魂が星に選ばれた
→雷心王が星の一部として、煉獄界にいたアルファルドの魂を星の夢見館のあるじとして選定。この星の運命を左右する人々に介入することで、星の運命を変えるきっかけを作ることができるようになった。
・星の一部となった雷心王が時空に介入した
→先代の星の夢見館の館長が実は雷心王だった可能性も。
などなど。正直この部分については、情報不足のために確信をもって推測することができません。
仮にあるじ=アルファルドとするならば、自分が愛したエルガを救うことは、時空に干渉する動機付けとしては十分である。
(むしろこれエルガの考察じゃなくて雷心王とアルファルドの考察になってるぞ…)
以上をまとめると、エルガが現代に流れ着くまでのシナリオはこのような感じだろうか。
・雷心王介入前はアルファルドが殺害され、エルガは幽閉される
・世界樹と同化して、星の一部となった雷心王が3000年前の時空に干渉。どのような方法かは不明だが、アルファルドの魂を星の夢見館のあるじとして選定したことで、アルファルドは星の運命にかかわる人物の運命に干渉できるようになる。
・あるじが3000年前の時空に干渉。エルガをAD300年に時空転移させる。
・その際に、エルガのオーガとしての記憶・能力を封印。
【2018/10/05 色々と修正】
オーガ砦でのデスオーガたちの会話が正しいとするならば、アルファルドが身につけていた指輪の入った肉を、幽閉されていたエルガの食事として提供。エルガがその指輪の存在に気づいたことで、自分が愛していた人を食べてしまった(無論デスオーガたちが悪戯で指輪だけを入れた可能性もあるため、断定は出来ないが…)という強烈なトラウマが植え付けられていた。
だからこそ、「肉」や「指輪」といった、オーガを連想させてしまうものが、彼女のオーガとしての記憶、3000年前の悪夢を蘇らせてしまう恐れがあった。そしてそれは事実、キャラクエ3の終盤に起きかけてしまう。
ちなみに、何でアルドとアルファルドに深い関係性があるんだというツッコミに対しては、まだ情報が不足していることと、こちらの考察力不足のためまだ打開できるに至っていません。申し訳ない…
正直この部分の考察は、なぜキロスの転生した姿がアルド(=エデン)の姿になったのか、アルドとアルファルドの接点がどこに存在するのかという部分まで考えなければ答えがでないため、現状ではこれが限界になります。
謎その3. エルガのフードと猫耳
キャラクエの中では、フードの下には猫耳があると語っていた。しかし、これはフェイクの可能性が高い。
これまで述べてきたように、エルガはオーガゼノンの娘である可能性が高いうえ、時空転移で現代にワープしてきた以上、転生して獣人になったなどという可能性は極めて低い。
その上、エルガのフードのデザインを見てみると、猫耳の部分だけフードから独立しているわ材質も硬質なものになってるわと明らかにおかしいのである。
逆に言えば、その「猫耳」の部分だけ、材質を硬質なものに変えなければいけない事情があるということである。ただの猫耳であるならば、そのような必要はないのだから。
ということで、勘の良い読者であれば気づかれたかもしれない。
彼女がフードの下に隠しているもの、それは「角」ではないだろうか。
オーガ族の特徴として、全ての個体に角が生えていることが挙げられるが、それはエルガとても例外ではないだろう。
隠さねばならない角にこそオーガとしての個体の性質がある以上、それを隠しておかないこと、すなわちエルガが角=自分の一部として一体化することは、即ちエルガがオーガであることを自他ともに認めることに他ならないわけである。
だからこそ、彼女は自分の本当の姿をフードで隠す必要があるのだろう。眠れる「自分」を目覚めさせないためにも。
おまけと妄想. キッドとエルガ
キャラクター登場時から言われているように、エルガのキャラクターがクロノクロスのメインキャラ「キッド」と大きく被ってくる部分がある。ざっと思いつく部分としては以下の通りだろうか。
・一人称が「オレ」
・使う武器が双剣(余談だけどルイナちゃんも双剣設定に変えてほしいなあ…どうですかアナデンスタッフの方?←)
・いちおう三つ編み(エルガの三つ編みの方向がおかしいのは気のせい)
・自分の中に過去の自分がいる(キッドとサラの関係と同じ)
・VC3の「他の誰でもねー、オレはオレだ!」というセリフは、クロノクロスの最終決戦前でキッドがルッカの幻影に向けて放つセリフとほぼ一致する。
仮にエルガ=キッドとするならば、今のエルガの姿は、オーガの時のエルガから生まれた「希望」の部分ということになるのだろうか。となると、サラ=「絶望」の部分というのは何にあたるのだろうか。恐らくそれはオーガと人間が結ばれなかったこと、アルファルドを死に追いやった原因が自分にあること、あまつさえ彼を食してしまったといったことなどが思いつく。
もしかしたら、時の暗闇の果てで、彼女の絶望が全ての時間を否定する存在と結びついている可能性もあるのだ。(それこそ時喰いやクロノス・メナスのようにね)