ハーヴェステラのクリア後ネタバレ感想をだらだらと
スタッフロールを終えたときにホッとしたことが2点ほどあって。
1つめは、スタッフロール中にエラーが発生してアプリが落ちなかったこと。
Switch版だからか、マップ移動時にたまにエラーが発生してアプリが落ちる(2回ほど発生)。
エンディング中に各キャラが手紙を読むシーンがあるけど、マップがころころ変わるので、正直エラーが発生しないか気が気でなかった。結果としてはエラーが発生しなくて、大変安心した。
オートセーブは日替わり時にしか行われないしね。
2つめとしては、ガイストが仲間にならなかったこと。めっちゃ安心した。
こいつ人格消去したとはいえのうのうと仲間のフリしていやがるのがめちゃくちゃ図々しくて嫌いだったので、仲間入りしなくて本当に安心した。こんなやつのキャラストなんて読みたいと思わなかったので本当に良かった。
この2点に胸をなで下ろしたというのが、クリアして最初に感じた感想だった。
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(追記)
総合的には、めちゃくちゃ好きな作品だった!
その分もったいないな~と思う部分があったり、思い入れが強いお陰で逆にこいつは絶対好きになれないな(主にガイスト)ってのもあったりして、まあそういうノリでここは書く。
(追記おわり)
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冒頭のアリアが「未来から来た」と言ったのはきっと間違いなんだろう……というのは途中で察しが付いた。
たぶん他のプレイヤーもきっとそうだろうけども。
最初にそう思ったのはハイネのキャラスト。だいたい3話の最中くらいの頃だろうか。
海底に埋まったアメリカの国旗と白い服(恐らく宇宙服のことだろう)が出てきたときに、「ああ、ここはきっとテラフォーミングされた未来の月なんだろうな」と予想がよぎった(実際には月ではなかったのだが。でも月だと思うじゃん?)。
ここで最初に「セブンスドラゴンじゃん!」って叫んだ。
そのあと確信に至ったのは、ロストガイアという言葉が出た時だった。
これで「あ、これもう地球滅んでるな。てことは、アリアは滅ぶ前の地球から来たな」と察しが付いた。
この辺りの仕掛けや情報提示の順番は良く出来ていたなあと感じた。
冒頭にプレイヤーに誤解を植え付けるという、良く出来た叙述トリックでしたね。
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魔族(レーベンエルベ)たちについて。
情報規制がめちゃくちゃめんどくせーなと思った。
自分は「真実を知っているのに語らない(語れない)」「自分の目で見た方が早い」とか言ってくるキャラが大嫌いなので、魔族の人らの行動原理は概ねみんな嫌いだった。
情報規制の存在自体は理解できる。
人類を存続させるためにも、戦争を起こさないように文化レベルを抑えたい。そのために情報を公開出来ない。
加えて自分らは魔族であるという噂を流し、自分らに対する忌避感を出して接触を避けるように仕向けていたりしていたわけで。
そう考えると真実を淫らに喋ってはいけない、というのは理にかなっている。
しかしガイスト戦のあと辺りくらいから、ディアンサスやガイストたちが人類に対して協力的になった後にもその情報規制を解かないのは納得が行かなかった。
人類(というよりも主人公たち)に対して人類の成長や死季の解消への積極的協力を決めたのであれば、さっさと真実を語れよ、と思った。お前らが口をつぐんでいるから遠路ロストガイアだの月の揺り籠だのに行かなければいけなくなったんだが? と。
「目で見た方が早い」という理屈は分からんではないが、せめて少しは語れよと思うし、わざわざその言葉を言い放つ必要ある? とずっとイライラしながらプレイしてた。
魔族全員そう。ガイストが一番嫌い。結局匂わせぶりなセリフを吐くためだけの大塚明夫だった。
人格消去した別人だからって旧人格のやったことについて謝罪がなく味方のフリをしてるのも気に食わんし、新しい人格も結局やってることは旧人格と変わってねーな反省してねーなってのも嫌い(だから仲間にならなくて本当に安心した)。
魔族たちは人工知能で論理的な行動理念で動いてるという割に、所詮このゲームの舞台装置でしかなく、その理念をめちゃくちゃにされてたのがかわいそうだなと思った。
※なお、アリアもそこそこに事情を語らなかったが、アリアは自分が未来から来たと思っているので「下手に喋ると歴史改変の怖れがあるから喋れない」という、いかにも科学者らしい理由付けで終始一貫してたから違和感はない。未来から来たわけじゃないと判明した頃には、もう主人公たちと知識の差はなかったしね。
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ガイストの話をもう少し。
終わってみても、やっぱりガイストの旧人格の行動原理が分からない。
彼の主張としては、戦争をなくしたことで文化レベルが上がらないから、人類が成長しないのだと。死季を越える・解決するためには人類の文化レベルを上げる必要がある。そのためにもシーズライトを破壊し、人類を淘汰して、生き残った優秀な人間による文明の成長を促すと。
ここまでは一貫している。
しかしその後の話として、ガイストはロストガイアの存在を知っている。
しかも月の揺り籠でカイン種人類(地球人類)が眠っていることも知っている。
カイン種人類の冷凍保存の期限が迫っているということも勿論知っている(その上で楽園構想という次善策も用意していたのだから)。
え、なんでその状況でシーズライト壊すって結論に至るの?
人類の文明レベルを上げるためにシーズライト壊して云々って、めちゃくちゃ時間の掛かるプランじゃない?
カイン種人類が目覚め間近なのにそんなちんたらやってる場合か?
しかもシーズライトを壊したところで死季がなくなるわけでもないんでしょ?
ガイストの旧人格の行動原理が分からなさすぎる。
結局どういう結論であの行動に至ったんだ?
もう人格消去されてしまったから何も分からん。
こう考えると早々に人格消去したのも正直怪しく思えてくる。何らかの証拠隠滅のためか……?
ガイストを始めレーベンエルベたちは概ねこの問題の解決策を最初から持っていて、そのきっかけを引き出したのが主人公たちだったというだけ、というのがなんともしょぼいオチだなと思ってしまっている。
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とはいえ、レーベンエルベたちの存在自体は非常に愛くるしくて好きだった。
この手のストーリーではよく人工知能が暴走して人類を滅ぼそうとするはずだが、レーベンエルベたちは一貫して人類の存続のことだけを考えていて、単にやり方が不器用だっただけ、というのがとてもかわいらしい(三大禁忌もあったお陰だろうが)。
彼らは自分たちに「心はない」と言っているのも、どう考えても嘘でしょって感じも良かった。
特にロストガイアのレーベンエルベたちはみんな可愛くて良いね。
そういう意味でもディアンサスのキャラストは大変良かった。
彼(彼女?)が心を感じていく話だけど、どう考えてもそのことに悩んでること自体すでに心があるじゃろ! っていう回答が最初から出てるのにめっちゃ悩んでる、っていうかわいさよ。キャラストの各話タイトルも良かった。
ディアンサスは推せますね。
彼らには一貫して「人類の隣人たれ」というのがあるのが良かった。
ガイストの行動も、結果としての行動は理解出来ないけど、根底には人類愛があってそれが空回っただけというのも良い。
人類愛に満ちた作品が好きです。
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魔族ことレーベンエルベ。
Lebenerbe(Leben+Erbe)だとしたら、ドイツ語で「生命の遺産」とか「生命の相続人」とかそういう意味だろうか。
エモい。
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魔王アリア戦。
アリアは未来から来たわけじゃないンだろうなという予想はついていたものの、アリアとバトルする展開は流石に読めなかった。大変良かったですね。
アリアと戦わなければならない理由も明確だったし、アリアの葛藤も理解しやすかった。
魔王アリア戦の曲も相まって、最高に最高だった。
あそこがこのゲームの最高潮だった、間違いなく。
この展開だけで、このゲームの評価が爆上がりした。
だいじんさんは熱い展開が大好きです。
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エンディングの最後に語られる主人公の話も、最高でしたね。
プレイヤーは地球出身のカイン種人類の視点を持つ者として主人公に憑依していたんだよという説明、最高だった。
メタ要素混ぜてくる最強の飛び道具だったので、好みが分かれるところではあると思うが、自分は単純なので最高だったと思ってる。
いやー、ハーヴェステラ最高でしたね(チョロい
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それにしてもスクエニ作品へのオマージュがふんだんにあって良かった。
4つのシーズライトはどう見てもFFのクリスタル。
冬の街での裁判は、言うまでもなくクロノトリガーの王国裁判(この街だけ妙に選択肢が多いなというところでもう察してたけど、ホントに裁判やってて笑ってしまった)。
世界が滅んでるのもクロノトリガーかな。レッドクイーンはさしずめラヴォスか。
新しいジョブを習得するのをラーニングと呼ぶのはまんまFFの呼び方。
飛空艇も、空飛ぶ船のことを「飛空艇」という漢字を使って呼ぶのは概ねFFに見られる用語(他のゲームではあまりこの呼び方をしないしこの漢字も当てない)。
釣りで釣れるトラベラーダコ。隠す気もないオクトパストラベラーやんけ。
音楽は椎名豪だけど、どう考えてもスクエニナイズされたサウンドだった。
FEAR戦は間違いなく「イトケン節を意識した椎名豪」だったと勝手に思ってる。
このゲームはスクエニから出してしかるべき作品だったなーと思える一作であった。
でもSwitchのみて。PSでも出せ。
オクトラ1が未だにPSから出てないところを見ると、このままPSでは出なさそうだなって気がする。
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(追記)
生涯のパートナーを選ぶやつ(これクリア後要素なのか?)。
何も悩まずにアリアを選んだわけだけど、控えめに言っても最高だった。
主人公とアリアの2人は本当にここまでくっついたり離れたりしながらも色々あって、そしてこのパートナーを選ぶやつで遂にゴールイン、という展開がもう最高すぎた。
ありがとう、ありがとうハーヴェステラ。
この2人には本当に幸せになってほしい。というかアリアはワシが絶対幸せにするからな……ってなった。
あと女主人公でやってた手前、本当にここで百合が完璧に完成された。
そういった意味でも、これ今年のベスト百合ゲーに認定しても良い。
いやー、アリアとのやりとりマジで最高の最高だった……。
今年いっぱい引きずると思う。
ちなみにアリアを選ぶ前に試しに村長を選んでみたんだけど、当然ながらギャグパートでわろた。
そして村長と一緒に住む絵面がキモすぎてわろた。なんでこのシナリオ用意したんだよw
まあDQ5のルドマンのオマージュなんだろうけどね。いいと思うけど、マジでゴールインさせるなよわらっちゃうだろ。
(追記おわり)
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ネタバレなしの感想はまた日記にでも書くので、ここはネタバレありのみで。
→書いた。
https://www.zephyr-cradle.info/diary/20221130p01.html