レオナさんが
誰もどうにもできない「出自の順番」で苦しんでいて、精緻なシミュレーションはできても「夕焼けの草原の王政は血統にのみ続いていく」っていう国の根幹のルールを変える力は自分にないって分かってそうなのがなんとも…。
誰がレオナさんを救えるんだ…!?で自分で割り切るわけだけども何も変わらず、だからこそ新天地を求めていくという結論になるんですが。
国と書いてプライドと書いたり、永遠に幸あれや真実の友や時が来たなど原作のセリフがいっぱいだ…!てなった。
レオナさん、基本俺は怠けます!て堂々と認めるのはプライドが許さん云々はストーリーの通り、勝てば官軍で卑怯な手を使うのも厭わない、でも憎みきれない謎の求心力があるのは天性の王族らしさもある。
幸せな夢すら自分に見せられない頭の良さと、自分や周りの環境に対する第三者視点もある。レオナさん以外にも代々完璧な為政者はいないから、キファジさんのような隣でビシッと諌めてくれる人がいて成り立っていたのかなと思った。
ジャックくんの「お前らの王様じゃなくて俺たちの寮長だ!」がすごーくいい台詞なんだけど、レオナさんはハッて笑い飛ばしてそうではある。
ジャックくんは先輩たちのこと好きだけど、評価がそれだけじゃ拭えない「こいつら基本悪い奴」なのも好き。ジャックくん良い子すぎるけどどうしてNRCなんですか?
ラギーくんも地元一緒!てニコニコしてるけど、自分とこの環境の悪さはレオナさんのとこがちゃんとしないから〜みたいなことを一度も言わないのがすごいなと思う。
そしてキファジさんがすごかった、ザズーじゃなくて王を導くラフィキ要素もあったんだな…と思ったしこういう最強おじいちゃんに滅法弱い。
声も低いならこっち系統だと思っていたのでうれしい…土師孝也ボイスの従事長なんでみんな好きじゃん…。
幼い頃のレオナさんに手を焼かされながらも万が一の控え選手の「第二王子」じゃなくて「レオナ殿下」としてどこか別の道を…と思うときもあったんじゃないかな。
キファジさん、言動が一貫していて、自分の立ち位置に誇りすら持っていそうな雰囲気がある。
王家のために命を奪われてもかまわぬという覚悟で言うべきことは言うし、彼自身の王家への忠誠と献身がしっかり王家側に伝わっており、何も出されていなければまあそうだねで終わるところ、
監督生である私はジャミルくんといういつか俺が!と諦めていないし環境に満足なんて絶対していない従者と、リドルくんを諌めることができず、献身も真に伝わらなかったであろうトレイくんという薔薇の騎士を知っているからこそすごいことだと感じる。後者は擬似的なものだけど。
ーーーー以外、タマムイの話してますーーーーー
タマムイ読んだ時「あれっ普通にレオナさん愛されてるが…!?」と感じて本人の口から語る思い出と現実に乖離があり、
もしかしてこの人は周りしか冷静に見られなくて自分のことはユニーク魔法で怖がられて疎まれたっていうところで時間が止まっているんじゃないか?
そして第二王子もすごいんだ!の声に応えられなかったらもう自分の身の置き所はなくなってしまうからあえて実力を試さないのか?とぼんやり思っていたことが当たっていたのかもしれないと思った。
ラストシーンがどちらも雨だったので、変化の象徴だといいなと思う。