刀ステ天伝、面白かったですね…!😂
无伝を観る前に書いておきたいもの中心に、天伝を観てわかったことや強めの幻覚なんかをまとめてみました
まず、三日月殿がまんばちゃんに目をかけてる理由はシンプルに「初期刀だから」なんだろうなあと
刀剣乱舞は【史実】に加え【本丸の軌跡】という2つの時間の流れがある作品ですが、
刀ステはそこにさらに【円環の周回】という3つ目の時間の流れが加わっています。
…3つの時間で構築されたSFとかすごない?!ゾクゾクするんだが?!よく思いつくな?!
【史実】はそのまま、歴史の流れ。
【本丸の軌跡】は、天伝のOPや維伝のパンフレットに出てきた表(便宜上『本丸時系列表』と呼称)の順番。
そして【円環の周回】は…公演順だろうと。
だから【天伝】と【无伝】は、【維伝】の段階では『本丸時系列表』に載っておらず、
周回を重ねたことで浮かび上がった『過去に発生した未来』なのだと思うのです。
(ちなみに大阪の陣のPVの冒頭に出て来る文言は
「それは反復する過去か それとも過ぎ去りし未来か」です)
https://www.youtube.com/watch?v=eLpAp7vuEcU
そう思うのは、太閤ちゃんや大千鳥殿&泛塵殿という未来軸の刀剣男士が出ていることもありますが、
「歴史を守るは刀(刀剣男士)の本能」という、維伝の南海先生から始まった概念を、天伝のまんばちゃんも口にしていたからです。
(それまでは「役目」とか「主命」とは言っていたけど、「本能」という言い方はしていなかった)
「自分が顕現されてから砕かれるまで」の時間の円環に囚われている三日月殿は、おそらく「自分が顕現する前の過去」に行くことができない。(たとえば、序伝時間軸に飛んで、山伏殿に直接お守りを渡したりはできない)
如伝では、当時は顕現していなかったソハヤ殿たちも序伝時間軸に行くことができたし、
天伝では、太閤ちゃんが「まんばちゃんがまだいる」過去の時間軸へとやってきた。
他の刀剣男士は『時間軸が絡まり重なりやすくなっている条件下』では、自分が顕現する前の本丸の時間軸にも(偶発的だが)行くことができる。
でも唯一、時間軸の絡まりの中心『結いの目』である三日月殿の行動範囲は「自分が顕現してから砕かれるまで」に限定されているわけです。
おまけにこの本丸が守る時間軸の歴史は、三日月殿が顕現した時点で、すでに改変されている。
序伝の敗北は如伝で修正しているので、歴史改変の起点は【序伝と虚伝の間の空欄】にありそう(というか『黒田官兵衛の戦歴書』が起点だと思う)ですが、
虚伝の時点で、明智光秀が『本能寺の変』の前日の茶会に参加したりと、史実とは違う動き方をしているし、
森蘭丸を討ったあと改名し主君を転々としながら慶長2年まで生き延びたはずの「安田国継が死んでいる」ことも、
史実と虚伝の戯曲本では山崎の戦いの「11日後」に討たれる明智光秀が、舞台では初演再演ともに「13日後」に討たれていることも、まんばちゃんは「史実通り」と言っている。
もしも刀ステ本丸が「すでに歴史が改変されていると気付かないままその歴史を守り、いずれ『放棄される世界』となる」ならば、史実の歴史と本丸の歴史、両方の歴史を修正する必要がある。
けれど、三日月殿は自分が顕現される前の時間軸に行くことはできない。
ならばどうすればいいか、できるのは誰か…
そう、まんばちゃんです!!!!!
一番最初に顕現されたまんばちゃんなら、この本丸が守る時間軸の改変を最初から修正できる。
改変の起点となった任務にも行っているだろうし、もし万が一、三日月殿のように円環に囚われたとしても、初期刀であるまんばちゃんだけは唯一、刀ステ本丸の時間軸に最初から介入可能なわけですよ。
だから三日月殿はまんばちゃんに強くなってほしいと願った。
最後まで未来への希望を繋げられる、最初の一振りとして。
そんな、歴史を守る刀剣男士らしい合理的な理由で、刀としては縁深くないまんばちゃんを、時に不審がられながらも見守り続けた。
その結果…まんばちゃんとの約束を果たすためだけに、それだけをよすがに、色が抜け落ちるまで刀解に抗い続けるほどの関係性が構築されているの、エモすぎて意識が遠のく…。
しかもこれは、元々関係が深い刀同士じゃないからこそ成立するギミックなんですよ。
「三日月宗近がなんで山姥切国広にこんなに構うんだろう?」と疑問に思わせることで、原作にはない「何かがある」んだとわかる……すごすぎんか?!
三日月宗近が刀解されても三日月宗近の円環が終わっていないことから、私はこの本丸自体が巨大な円環の中にあり、三日月殿は特異点にはなっているが『結いの目』ではないのではないか、と思っていたのですが、
歴史が改変され『放棄された世界』となった科白劇(と維伝)が「はじまりもおわりもない世界」と呼ばれていたので…刀ステ本丸も同じように「はじまりもおわりもない世界」になっている(いずれなる)のだろうと。
そして『放棄された世界』=「はじまりもおわりもない世界」は「繰り返す」……
円環やん!!!!!!!!!!!!
つまり刀ステバースは、
はじまりもおわりもない『放棄された世界』というでっかい円環の中に、
三日月宗近という『結いの目』を中心とした円環があるという、二重の円環構造に…
三日月殿どんだけ廻ってんだよ!!!!!!!!!
黒田官兵衛が名付けた阿形と吽形。
その由来である「阿とはシンなり、吽とはチエなり」という言葉の意味(漢字)を、ずっと掴みかねていたけど、
師匠が「阿吽には『はじまりとおわり』という意味もある」と教えてくれたので、
「阿とは芯(心)なり、吽とは千重なり」…かなあと思ったのです。
はじまりに巻き付く、幾重もの時間軸の糸。おわりまで繰り返す、おわらない繰り返し。
巡る円環…それを、黒田殿もまた知っているのだろうと。
刀剣男士に勝っても、次の刀剣男士を送り込まれる。
歴史を改変すれば、その時間軸は放棄される。
ならばどうすれば、歴史を改変できるのか…
虚伝の時間遡行軍も、黒田殿の指揮の元動いていたと仮定するならば、
目的は『本能寺の変』を起こさないことでも、織田信長や明智光秀の暗殺でも、森蘭丸の生存でもなく…安田国継の暗殺では?
生きるはずの人間が死に、その代わりを誰かがすることで、形だけの歴史を維持する…
奇しくも天伝で泛塵殿が提案した苦肉の策が、虚伝で実行可能となっている。
そして安田国継の席に、本来死ぬはずだった人間が座れば…形だけの歴史を維持したまま、歴史改変できることになる。
…という風に考えられる『可能性』を作ることが、黒田殿の目的なのかなあと思うのです。
たとえばこの場合は「森蘭丸を討った安田国継は、山崎の戦いのあと天野源右衛門に改名し、慶長2年まで生きた」という『史実』しかなかったところに「いや、実は本能寺の変で死んでいて、別人だった可能性がある」という『諸説』が発生する隙間が生まれている。
そこに「安田国継と天野源右衛門は別人だった」という『記録』を、のちの世に残るように残せば「安田国継=天野源右衛門」という『史実』は覆る。
さらに「天野源右衛門は、実は明智光秀だった」という『記録』も残せば…「明智光秀は慶長2年まで生存していた」という『史実』を作り出すことができるかもしれない。
そうすれば、逆説的に「明智光秀の生存」が『正しい歴史』となり、刀剣男士も手出しできない『歴史改変』が完成する。…たとえ、明智光秀が本当は、山崎の戦いの十数日後に死んでいたとしても。
上記の『明智生存説』は、わかりやすく説明するためのただのたとえですが(でも安田国継が死亡したのは6月2日(本能寺の変の日)なので、織田信長の祟りではないかと言われたりしたらしい)
黒田殿が目論む『歴史改変』は、こういう方向性だと思うのです。
つまり『記録』を用いて未来の『史実』を覆し、過去を変えられるようにする『歴史改変』。
『歴史』の礎であり『刀剣男士の在り方』さえも定める『記録』を、『歴史』と『歴史の守護者』を壊す武器とする。
歴史のままに生きることを是としない人間の用いる刃として、これ以上にエモ恐ろしい兵器があるだろうか!!!!!
(※これらはすべて強めの幻覚です)
黒田殿の策謀の恐ろしさ鮮やかさに思いを馳せるだけでゾクゾクゾワゾワしてアドレナリンが出まくりますが、
そんな黒田殿でさえ想定外であろう『厄介な刀剣男士』三日月宗近はなぜ『結いの目』になっているのか…
これは、歴史改変に気付き、修正のために改変の起点を探そうと時間遡行しまくった、のかもしれないですが…
わざと『結いの目』になった説……ないですかね?
というのも、刀剣男士が同じ時代に時間遡行しても、時間軸がズレるので、過去や未来の自分(もしくは同一本丸の刀剣男士)と会うことはない「はず」なんですよ。
でも「歴史を改変された本丸の歴史を修正」しようと思ったら「同じ時間軸に時間遡行」する必要があるわけです。
で、実際に刀ステ本丸は「同じ本丸の刀剣男士がいる時間軸への時間遡行」が、何度もできているわけですよ。
(そしてジョ伝では序伝の敗北(および山伏殿の刀剣破壊)を如伝で修正することに成功している)
なぜならば、時間軸が絡まり重なりやすくなっている=『結いの目』と化した三日月殿が、いるので…。
なので、荒唐無稽な説かもしれませんが、
「三日月宗近は、自ら『結いの目』となることで時間軸を重なりやすくし、他の刀剣男士が同じ時間軸に遡行できるようにしている」
という強めの幻覚を推していこうと思います!
黒田殿(官兵衛・孝高・如水)は、他の時間軸の自分と記録(戦歴書)を共有しているけれど、
科白劇のガラシャ様も「ここは行き止まり」だと言っていた。
虚伝の初演と再演では、三日月殿以外も言動に違いが発生していたし、
何よりも悲伝の大千秋楽では、まんばちゃんが三日月殿に一騎打ちで勝った。
繰り返す時間は、記憶や記録を有する三日月殿や黒田殿以外にも、確実に変化や進化をもたらしている。
そこにね、最高にワクワクするんですよ!!!!!
数多の時間軸の己と連携し、数多の時間軸の己すら使い捨てて進む黒田殿は恐ろしく、
己の身に時間軸を巻き付けて、気が遠くなるほどの周回と修正を繰り返す三日月殿も凄まじい。
でも、ふたりだけだと、物語は進まない。拮抗したまま、ずっとぐるぐると停滞し続ける。
物語を進めるのは、その時代を必死で生きる人間の生々しい足掻きやまぶしい生き様であり、その歴史を守る刀剣男士たちの痛みと愛に満ちた戦いなわけです。
そうやって、全員で必死に進んだその先で、いつか、内と外から、三日月殿とみんなで、円環をブチ壊す!!!!!
…と、いいなあって。そんな日を夢見て、強めの幻覚を作っては兄と吸う毎日なのでした。(文字にするとやべえな…)
天伝のまんばちゃんが「歴史を守るは刀(刀剣男士)の本能」という、維伝の南海先生から始まった概念を口にしていたのも、この「周回を知覚してはいないが、変化や進化はある」の一環だと思うんですよ。
だから、維伝のおくれちゃん=まんばちゃんだと思っているんですよ。
でないと南海先生の言葉を知る機会がないし、何よりおくれちゃんは金髪だったし、肌に血の気もあった。存在に『色』があった。
刀剣男士と時間遡行軍の大きな違いは『歴史を守る意志』と『色』の有無だと思うのですが、
弥助が顕現させた織田の刀も、真田十勇士も、時鳥も、朧の志士たちにも、色がない。(※真田十勇士は服に赤がありますがそれは置いといて)
「歴史を守るは刀(刀剣男士)の本能」という言葉…これは「最初から備わっている、ついそうしてしまう衝動」みたいなぬるい意味ではなく、
「そうしなければ刀剣男士ではいられなくなる(変質する)」という、魂に突き付けられた匕首みたいな意味なのでは?
だから「織田の刀剣男士」「真田の刀剣男士」と言ってはいるけども、刀剣男士であるための絶対条件は「歴史を守る意志」であり、それがある者には色がある(失えば色は抜け落ちる)のではないかと、考えています。
(でも兄は、おくれちゃん=外伝と慈伝を経験しておらず悲伝で三日月殿に負けたまんばちゃんオルタ説、を推しています。それもまたエモし😌)
…なので、悲伝の白い三日月殿も、もしかしたらそうだったんかなあと。
あれは刀解のせいだとは思うのですが、まんばちゃんとの約束のために存在するあの三日月殿は、歴史を守る本能よりも心を優先しているから、色が抜け落ちたのかなあと…ちょっと思ったりもしました。
そういえば、ジョ伝に出てきた「屋敷を普通に歩いている時間遡行軍ふたり」は「黒田の屋敷では時間遡行軍が普通に闊歩している」という表現だと思っていたんだけども…
これ、阿形と吽形だな?! 太刀と打刀だもんな!!
ジョ伝の時点で出てたのかよ~!!たしかに他の時間遡行軍とは一線を画した挙動だもんなあ。伏線の張り方すげえ…!!
長々と書きましたが、毎度の如くこれらは考察ではなくただの強めの幻覚で、二次創作の物語みたいな感覚で書いておりますので、添削や考察を送るのは、どうかお控えくださいね。物語を読むようにお楽しみ頂けると、幸いです。