『すずめの戸締まり』。忘れかけてるところもあるし劇中の流れ関係なく思いついた順の過剰書きで。まず、見た後どころか見ながら浮かんだ細田守。『サマーウォーズ』の話はもうしたので、あとは『竜とそばかすの姫』か。いわゆる保護者同行の話。
『すずめの戸締まり』。保護者である環さんが、すずめの家出(保護者にはこう見える)についてきて、最後まで付き合うの本当にえらいな、と思いました。
『竜とそばかすの姫』では、妻を他人の人助けで失った実の父親が、娘の他人の人助けに同行もしなかったので。
画面演出的に問題ないからそれでいいとかじゃないんだよ。
環さんがSAで、すずめに対する本音を吐露してしまったあとに、言ってしまった内容を否定するんじゃなくて、あれは全部心の中で思ったことがあるが、でもそれだけじゃない、とすずめに言い、すずめもそれに納得しているのが大変良かった。
心の中で思うのは多分お互い様で、でもそれだけでなく、10年以上保護者をやってくれたこと、無断外泊に大困惑で気にしてたこと、心配して東京まで追いかけてきて、すずめの東北行きに付き合ってくれたこと。全部の行動がそれだけじゃなかったことを証明している。
初期案として、女2人旅の構想もあったみたいだが(多分、草太とすずめ)、草太不在の東北旅で十分、女二人のバディものに近いことをやってくれていると思う。
エンディングの帰路で、環さんと行きでのポイント全てに寄っていくの、演出としてのサービスだとは思うけれど、草太と同じ旅を環さんともする体験をしながら帰路につくの良かったですよね。
『竜とそばかすの姫』の父親が娘についてこないのは、細田守らしい人間不信の賜物という気がするが、映画の登場人物をあまりに人間として扱っていない気はする。
例えば、環さんは、マンガなら確実に環さんが主役ですよ。
親類の集まりで、啖呵きって、すずめを引き取って、悪戦苦闘しながら保護者をやっていく。
現在1~7巻まで刊行中で、今なら1巻期間限定無料ですよ。
そして高校生になったすずめの物語がこの映画。
この映画の主人公ではないけれど、環さん側の人生(コミックス1~7巻)はちゃんと見えてくるし、本音で言い合い、関わろうとする大人をちゃんと最後まで参加させている。
細田守の人間不信や、父親を肯定できずに何も出来ない人間にしてしまいがちなのは、今まで全部見てるから分かっているけれど、新海誠先生のコンプレックス無しの横綱相撲見せられると、もう個性でも強みでも何でもないな、と思えてくる。
そういう作品でもいいんだけど、じゃあ50億、100億稼ぐ映画じゃなくてもいいんじゃないかな。
作る作品の資質と、作らなければならなくなった作品がミスマッチしてるのは誰にとっての不幸なのか。
※推敲なしの書き殴りです。