@PCS_TL
初恋性現ミ❌
後出しじゃんけん ジャンケンポン!✌👊✋(たくみのレシート)
長っ⁉️
今回、たくみが初対面の人間には全くと言っていいほど心を開かない性格で行ったせいでいつもやってる通過前のレシート生成が出来なかったので感想戦でほとんどの全てを錬成したそれのまとめと、涙腺が鋼鉄人間がウィークポイントを刺されまくってついに泣いてしまった…という動揺の限界ふせです。
完全俯瞰型で自PCと対話しないとそいつのことを親である私でさえも知れない難儀な呪いのせいで、通過中にこれまでで1番自PCを観察した。
こんなことを思ってこんなことだったんじゃなかろうか、と言う私の研究結果です。
鬼長いです。
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一色たくみ(いっしき-)(26歳)
青緑色の猫っ毛を顔と首にそわせて伸ばした髪に、赤色の目。
男にしては華奢、女にしては骨張っている体型。
男にしては可愛らしく、女にしてはどこか凛々しさも感じる顔つき。
すらりとした手足と状況によって変わる端正な表情で第一印象はかなり良いものだ。
夜の新宿で18からダンサーをしており、普段は男性客を相手にしている。
店の人間とも信頼関係が出来ている。
客の前ではいつも微笑みを浮かべている。
大人しく、客の要望に応える。
ダンスは穏やかから激しいもの、可愛らしいものから色気のあるものまで様々。
歴も長いし、考え方も向いている。
化粧で隠してはいるし、店内も暗いのでそう目立つことは無いが、明るい部屋で見るとその仕事の時間帯からか消えない濃いクマが分かるかもしれない。
素の態度はわがままで理想主義。
どちらかと言うと一匹狼タイプだが、自分の不利な状況にわざわざ自らを置くほど愚かではない。
高卒で学は無いが、察しがよい。
一人称は基本僕。
客の前ではその客がどちらで自分を見ているか、で変えているらしく、本人曰く自分がどちらで見られてもいい。
元は女性、仕事をはじめる前や気の許した相手には一人称も私/あたし。
性自認も一応はどちらかというと女性だが、バイセクシャルであることもあり、こだわりは無い。
加えて自分の見た目が中性的であるからこそ男女問わず自分に合った人間を探せるという点と噛み合っており、その辺は気に入っている。
言いよってきた人間やアフターの客の対応の時などにあなたはどっちだと思う?どっちだと嬉しい?など聞く癖があるが、単純なスタンスの決定に必要なだけである。
母親も水商売の人間であり、父親は彼女に金を積み、自分のものにしたくて必死だった。
が、結婚前に借金が消化できるわけもなく、母親は結婚後も水商売を続けていた。
父親は仕方ないと思いつつも、家庭外で妻が他の男性を相手にしなくてはならないことに徐々にフラストレーションが溜まり、離婚。
悪い人ではなかった、優しい人だった。
でも、自分以外が常にいることを許すことは簡単なことではない。
たくみはそれを受けて「私はお母さんのようにはならない、お母さんは見る目がない」とずっと言い続けてきたが、母親もそれを笑ってその通りだねと返し、母子間は良好である。
高校まで進学するものの結局奨学金返済のため、自らも夜の世界に入る。
彼女自身、水以外の場所で踊れたらもちろんいいと思いつつも、自分の育ちや性格、誰かに習って技術を磨いたわけでもなく、真面目に人と競うのも違うと感じ、水で踊ることが1番の最善なのだと諦めてしまっている。
たくみは自らの容姿での加算や水商売で当たり前に良くしてくれる状況での勘違いなしに愛してくれる人間をずっと求めていた。
偏見や意固地でまみれた自分を無条件でフラットな土俵で安心させてくれる人間を探していた。
こんな狭い条件を揃えられる人間がいるわけがない。
そう思いつつ、その理想を掲げるのはこういう生き方しかできないという諦めでもあり、憧れだった。
はじめ、りょうのことはよくいる「傷心でついこのような店に来てしまった」人間だとすぐわかった。
だからこそ彼のことは「一時の勘違いで見惚れてしまった可哀想な奴」だと思ったため、全く相手にしなかった。
聞くと本当に傷心だったし、本当に踊る姿を見て見惚れた、と言うし、彼の情けない言動と表情に呆れ返った。
たくみは何度も お兄さんみたいな人悪いことは言わないからこんな馬鹿なことやめな、僕みたいなのは向いてない、と何度も突き返した。
けれど場違いな場に金を使ってでもやってきて、店の端っこで肩を張っているりょうを見ていると いい思い出になればいいね、と徐々に応じたくなった。
不器用なのと嘘が付けないのとで彼が浮べる屈託のない情けない笑顔には 自分が店とは違う態度で幻滅するどころか、本当に夜の人間であることを度外視して接っする純朴さと、なにより無欲でヘタレなくせに でも…となかなか諦めない意思が見て取れた。
たくみはりょうを客ではなく1人の人間として見ていく。
状況で言えば自分が恐れていた母の二の舞をたどっていることは明らかだった。
彼を愛おしく思う自分の事が憎くて怖くて痛かった。
そして恥ずかしいほどに悪くないと思えた。
その愛おしさの感覚を嫌いになれなかった。
母にその話をしたら 私の娘だね、と笑った、否定をしなかった。
りょうが自分の職や育ちを嫌わないことはわかっていたが、たくみは彼ひとりを愛する準備をしたかった。
婚約は受けるが少し待って欲しい、そんなことでも言ったのではないだろうか。
あの日は退職祝いの日でもあったのかもしれない。
たくみは自分が死ぬこと、というよりは幸せになれないことを受け入れているところがあった。
幸せになるには馬鹿なくらいがちょうどよくて、諦めない人が幸せになるべきなのだと。
でも本当は奇跡のようなこの舞い込んだ幸せを手放したくなかった。
知ってしまう前には戻れなくて。
自分が祝いの派手な花束やイニシャルの入った恥ずかしい指輪を喜ぶようになるとは思わなかった。
指と指が絡む感覚を、自分に愛おしげに向けられる視線を愛せるようになるとは思わなかった。
自分が一人の人間として愛される幸せ。
それを叶えてくれる人。
きっと、自分はそれをたまらなく愛したんだろうな、と自然と分かった。
りょうが話したことはたくみには自然と嘘ではないように思われた。
誘拐だなんて、水商売の女を好きになるなんて、一時の気の迷い。
見るからに気弱でダサくて、気の回らない、なんとも夜の街が似合わない。
きっと傷心で来た日にたまたま自分のことを見つけてしまったんだろう。
大ごとにしたくないし自分も仕事に出たい。
今なら警察に言わないでおいてあげる。
1回高いけど思い出だしいいよね。
許してあげるから、思い出作ってあげるから、したいこと言ってみなよ。
けれど、彼が言ったのはただ3日間傍にいてほしい、それだけ。
かと思えば自分の欲求の指摘も否定する。
どういうことか、たくみにはよく分からなかった。
誘拐するほど自分が好きなのに、3日でいいなんて!
何もしなくていいなんて!
言われたら抵抗しないんだから何でもすればいいのに!
しまいには自分が悪いからその償い、そんなような事を言う。
じゃあ、自分は守られているだけ?
守ろうとするわけもただ好きだから、身を呈して守ろうとするのにそれだけでいいの?
もっと、その必死なわけを言ってよ。
矛盾してる、無欲さが、貪欲さが。
そういうのがないという割に必死さを感じる。
なんか可哀想な奴、気持ちの悪い奴。
私の事、嫌いにしてあげるから勘違いだったってすぐ思い直すといいよ。
精一杯突き放した、沢山罵倒した。
可哀想なサラリーマンの情けない勘違いお兄さん、早く諦めちゃえばいいのに。
なんだかムキになっていた。
守られているけれど事情をよく知らない。
そういうバツの悪さからだろうか。
ああ、そう、なるほどね。
なにかまずいことがあったから好きとか初恋とかそういうのは言い訳、勝手に償っていい気になろうってわけ。
最低。
だけど、薄っぺらい好きなんて言葉、慣れてるから大丈夫。
別に傷つかないから。
でも誘拐するほど馬鹿なのは初めて見たよ。
美人の初めてになれてよかったね。
夢の中の自分が知らない顔をした。
夢のくせに、ずるい。
なんで勝手に叶えたみたいな顔してんの。
手繋ぐだけで嬉しそうな顔しないでよ、みっともない。
みっともないったら、あいつの顔。
夢の話じゃん、なにムカついてるの、みっともない。
色々調べた、色々聞いた。
ありえない話じゃないなってなんで自然とそう思われるのか分からなかった。
時間を遡行する?本当の馬鹿じゃない?狂ってる。
なんで否定したくないんだろう。
なんでこの歪んだ文字が、必死に綴られた文字の中に自分の名前があることが、こんなに嬉しいんだろう。
一時の気の迷いは私もおなじか。
ストックホルム症候群って言うのがあるらしい。
もしかしたらそれかもね。
だから、あんたの話信じてあげる。
ほんの少しだけど大事にしたいって思ってあげる。
ほんの少しだけどその情けないの許してあげる。
その指輪、ほんとイニシャルとかダサすぎ、なんか汚れてるし。
私の名前入ってるし、ピッタリ過ぎる。
気持ち悪いけど他に誰がこんなのできるの。
ごてごてした宝石よりこういう方が似合うから。
だから、してあげなくもないよ。
きっと苦労して落としたんでしょ、だからその1番初めの私がいいだろうけど、代わりになってあげる。
その私と私、きっとほとんど一緒でしょ、気休めになればいいね。
でも、あんたはほんと馬鹿。
散々1人にされて、私のこと諦めればいいのに。
怒ればいいのに。
普通の情けないサラリーマンなんだからさ、身の丈にあった事しなよ。
普通のそこそこ可愛くて、優しくて、起きる時間も寝る時間も一緒で、見るからに柔らかそうな女の子で目を見る時は上目遣いで、手を繋いだら好きって言われたらふにゃって笑うような普通の、身の丈にあった子にしなよ。
もう一度会いたいから?
ささやかな願いだね、欲をかかないからこうなるんだよ。
本当に、最初の私は何をしてるんだか。
それと私、同じ私なのが本当に笑える。
いいよ、何やってもダメそうなお兄さん。
あなたの頑張り認めてあげる。
何度でも好きになってあげる、誘拐してよかったね。
ほんと、よく頑張ったね。
私の馬鹿な人。