孤児院の思い出、燃える村のトラウマ
しゃみさん卓。
ソードワールド2.5のメモ書き、第7話。
前回(https://fusetter.com/tw/UhYJzK6z )
【7話】
・導入:猪鹿蝶
ついにハーヴェス王国に降り立った面々。滞在チェック1日目。
なお、お召し列車での入国なので身辺検査はなかった。
よかったねオーレア。
情報収集にあたって、危ない組織の話が聞きたいこともあり少しアウトローめな冒険者の宿を探すことに。
GM「ではあの五歳児に優しくしようってことで、いかがわしいお店に行きましょう!」
全員「何て?」
店の名前は「猪鹿蝶」。
賭け事に強い人間の女将、通称「オババ」が迎えてくれる。
「見かけない顔だねえ。ここの流儀は知っているかい? 一丁揉んでやろうじゃないか」
アットがスカウト技能で応戦することに。
三回振って大勝ちした。
そのストレートな打ち方に感銘を受けたオババは、謎のタビット(?)のイラストに困惑しつつも、柊の棘冠に関する情報源としてとあるお店を紹介してくれる。
・シーン神殿
向かった先には魔動機術のネオンで「Sin Temple♡」と掲げてあった。
ここは月神シーンの神殿である。誰が何と言おうと。
「これはまた……」
「なんか、神殿っぽくないな」
「……」
「え、どうしたんですか皆さん? さっさと入りましょうよ!」
ちなみにアットはシーン信仰である。
ともあれ出迎えてくれたボーイに、アットがオババから教わった符丁を告げる。
「ご指名はいかがなさいましょう」
「リルドラケンはいるかい?」
「……本当によろしいですか?」
「ああ、とびきり可愛い子を頼むよ」
通された先の部屋で待っていたのは、もちろんリルドラケンのキャバ嬢ではない。
シーンの聖印を提げた人間の女性だった。
「月の光に導かれし迷い子たちよ……
って、とりあえず言わなきゃいけないんだけどさ!」
ざっくばらんか?
これでも高司祭様と呼ばれているらしい。
「このタビットを知らないか? ベックというんだ」
「ベック? なんだかそんな話をしてた子がいたわねえ……」
そう言って一人の娘が呼び出される。
アットは彼女と顔を見合わせ、開口一番
「「あっ!」」
「こういうお店で会った仲なんですかね?」
「いやあ、人は見かけによらないねえ」
・聞き込み調査:イズ、オーレア、メル
アットの孤児院の同期で名前をカンマというらしい彼女は、アットを連れて別室へ消えていった。
どうやら司祭は、彼女の思い出話として「ベックというタビットを探し続ける孤児仲間」という内容を聞いていたようだ。
ひとまず残された面々で柊の棘冠について情報収集をすることに。
司祭曰く、
「そりゃあ、どんな人にも手を差し伸べてやりたいが、彼らは頑なだよ。文明を、ひいては鉄道をなくしたいって思っていて、そのために人を傷つけることを厭わない」
とのことだった。
組織の全容について、詳しいことはわかっていない。
その辺りにも一般人の振りをして潜んでいるかもしれないし、目的を果たすために蛮族と組んでいるのではというような噂もある。
「入会届があるならさ。一番手っ取り早い方法として、中に入っちまうってのがいいんじゃないのかい?」
「いやですぅ……」
ちなみに、この後オーレアは「……外しましょうか?」と気を遣ってくれている。
なお別に困ることもないので一緒に聞いてもらった。
また鉄道事故で断絶した貴族についてもイズが聞いていた。
「何でもキングスレイ元老院の一角だったらしいけどさ。その後は分家が後釜として家名を引き継いだらしいよ」
「ふーん……、そうですか」
「1年前の事故については、陰謀論もまことしやかに囁かれているね。なんでも複数あった傍流の1つが本家を継ぐにあたって、大変スムーズに決まったらしいから。ご遺体が見つかっているのは当主と奥方だけ。一人娘の亡骸は見つかっていなくて、本家を継いだ傍流の家が人手を集めて、血眼になって捜索したようだよ」
「……そうだろうな」
フロレンティーン組、思うところがあり過ぎる。
本家の血が最も古くて、後釜の傍流は婚姻で力を付けた裕福な家だとも聞かされた。
ちなみに途中、オーレアはハーブティー、イズは林檎ジュース、メルは紅茶を飲んでいたよ。
・一方その頃:アットとカンマ
アットはカンマとのイベントをダイスで決めることに。
5より下を出すと貞操の危機、という中々に危ない橋を渡らされる。
結果は6/8/8。
よかったね。最初だけギリギリだった。
「アットもいつまでそうやってぷらぷらしてるの? 冒険者なんていうけどさ、結局ただの根無し草じゃん」
「そんなことないよ、冒険者だって立派な職業だ。この神殿の看板に使われてる技術だって冒険者が……」
「冒険者ってさ、すぐそうやって何でも自分の手柄みたいに言うじゃん」
「アットもさ。ベックばっかり追いかけてないで、そろそろ自分の人生歩きなよ」
「でも、この真相を追い求めるのが俺の人生なんだ」
「そうやって言うけどさ、――」
それはそれとして、こっちでは思い出のラムネを飲んでいた。
カンマはエールも追加してたよ。
ほんと男って、いつまで経っても子供よね。
・依頼:奈落の魔域を調査せよ
アットの合流後、柊のペンダントを見せたり、オーレアの入会届を増刷する話をしたりしていると、キャレットという少女がクッキーを運んでくる。
彼女は3か月前に海難事故で孤児となり、この神殿に引き取られたらしい。
司祭の頼みで、彼女の話を聞いてやることに。
曰く、嵐で船が沈み、波に揉まれる中で不思議な場所に辿り着いたらしい、
そこで彼女は、食事や布団など願ったものが何でも出てくる代わりに、「もう死んでしまいたい」と思えば怪物に襲われるという体験をする。
何とか逃げ延びて見上げた先の空には、オーロラが見えたという。
「あんた、私に話した時にはオーロラなんて言ってなかったじゃないか!」
「そうだっけ……」
司祭が驚くのもやむなし、そこまで行けば誰がどう聞いても奈落の魔域である。
ちなみにオーレア、イズ、メルはオーロラまで行く前に気付ける出目をしていた。
「奈落の核を壊して、欠片を持ち帰れば報酬も出る。いまこのことを知っているのはあんた達だけだ、ひとつ調査を引き受けてはくれないかい?」
「勿論だよ、被害が出たら大変だ!」
「私も別にいいですよ」
「こういう時、どうしたらいいか分かるかい?」
「アットさんたちが行くなら! 私が守ります、仲間ですからね!」
この番組は、お人好し、根無し草、設問者、回答者の構成でお送りしています。
PLはイズとメルの密談を思い出してウケていた。
調査をするためには、彼女の心を開いて話を引き出しつつ、魔域の場所を特定する必要がある。
前者はアットが振って17で成功した(冒険者+精神)。
後者は残り三人で振って、オーレアが18で成功した(冒険者+知力)。
イズも成功はしていた気がする。
メルは知力担当のくせに1ゾロしていた。「何でわかるの? 全然要領得ないけど」
何はともあれ、イズはライダーギルドで馬のジョージアを借りる。
オーレアは受益者のシンボルを前衛に配った。
「ジョージア、今度の御主人はきっと優しい人だからな」
「仲間外れにされたなあって思っておくよ」
「あの、これは違うんですう……」
そんなこんなをしつつ、調査を急ぐことに。
・道中:海路
司祭が手配してくれた船に乗って、パーティは目標の座標へ向かっていた。
……なぜか、爆速で。
というのも、船の操縦に関してイズの達成値が9だったのである。
振り落とされないか筋力で判定して、落とした仲間を拾いに戻るまでの時間を1d6で決定した結果、オーレアが6ターン泳ぐはめになった。
「えっ、どうしてちゃんと掴まっていないんですか?」
無事オーレアを回収し、イベント表のターンに。
アット→8:風光明媚
メル →9:イルカ
イズ →7:凪ぎ
最後が凪だったので、次の操縦判定にはボーナスがついた。
運転に慣れてきたのもあり、特に問題なく目的地へ到着する。
到着したのはよかった。
……が、何もなかった。
しかし、よくよく周囲を観察してみると、海面にうっすら黒いものが見えている。
まったく全容がわからない。わからないが行くしかない。
錨を降ろして船を留めつつ、全員で飛び込んでみることに。
・探索:奈落の魔域
2-3分ほど落ちた後、6名は花畑に着地した。
具体的にはイズとオーレアが一人ずつ増えている。
何でだよ。
ちなみに2d6を振って低かった2人である。
「そもそも2人いたら駄目なんですか?」などと言っているイズ2名を横目に、オーレアの1人が小魔法トーテムダンスの使用を提案した。
アットが持っているそれと同時に踊れば、その受益者のシンボルが本物であるという話だ。賢い。
・戦闘:ダブラブルク
試してみよう、というところでオーレアとイズが一人ずつどろっと溶ける。
達成値が12だったので駄目かと思ったけど、ぎりぎり知名度を抜いていた。
人に化ける魔神、ダブラブルクだ。
アットが先制を取り、魔神2体を相手に全員乱戦で戦闘開始。
1ラウンド目
メル :後列に移動、怒涛の攻陣Ⅰ
イズ :攻撃×
オーレア:バッドスチーム〇
アット :攻撃〇/×
2ラウンド目
アット :攻撃〇/×
メル :怒涛の攻陣Ⅱ、プライマリィヒーリング
オーレア:バッドスチーム×、魔力撃×
イズ :攻撃〇、回って30点くらい入る
このあたりで敵が1体落ちた。
3ラウンド目
メル :怒涛の攻陣Ⅱ、プライマリィヒーリング(効力亢進Ⅰ)
イズ :攻撃×
オーレア:バッドスチーム〇、魔力撃〇
アット :攻撃〇/〇
4ラウンド目
イズ :攻撃〇
・戦闘:シンカーハウス
魔神2体を撃退し、改めて周囲の探索に。
花畑の傍を小川が流れ、少し行った先に小屋が一つ。
アット曰く、孤児院の近くにあった景色と同じらしい。
奈落の核を探して小屋の中へ向かう面々。
アットが入室し、オーレアが続きかけたところで立ち止まった。
「どうしたの?」
「これ、小屋じゃないですう……」
「何だこれー!」中で不意打ちを食らっているアットの声
「このように……」
「わあ」
これまで前を歩きがちだったイズは、馬をつないでいたおかげで助かった。
何はともあれ、シンカーハウスとの戦闘に。
1ラウンド目
部屋 :不意打ちでアットに攻撃
メル :怒涛の攻陣Ⅰ、フレイムアロー△
イズ :チャージ乗せ攻撃×(当たったもののダメージで1ゾロ)
馬攻撃〇
アット :攻撃〇/〇
オーレア:魔力撃愚断剣〇、24点くらい入る
2ラウンド目
部屋 :アットに攻撃しつつ床も燃える
イズ :攻撃〇、馬×。残り3点くらい
オーレア:15点ダメージ
シンカーハウスの防護点で結果8点→3点を削って残りの5点がアットに行く→アットの防護点でちょうど0点に、という完璧なダメージ調整だった。
今回のオーレアは全体的にすごく偉い。
・連戦に備えて
部屋から吐き出されるアット。
立ち寝のレギンスがあるから意識が無くても垂直に着地する。
イズが応急判定で1,2を出してて少しひやひやした。
シンカーハウスがあまりボスっぽくなかったことから、ひとまず回復しておくことに。
魔人戦後の回復で共有の救命草が尽きていたので魔法も併用。
イズがMP変換を使いつつ、アットと並んでウィスパーヒールで範囲回復。
その後、アットにヒールウォーターを2杯飲ませた。
イズの手持ちの救命草も焚いて、MP減ってる組に魔香草も使っている。
・燃える村
今度こそ奈落の核を探そうと一歩踏み出した時(ここ再度小屋に入ったんだったか? シーン切り替え演出の記憶が曖昧。分かったら修正します)、そこで村が燃えていた。
家として掘られた穴倉を黒い油が這って回り、逃げ出てきたタビットたちをザルバードやシハルス、または名前も知らないような魔神が空から狙っている。
そして、そのすべてを村の中心から発生した黒い球体が覆っていた。
アットは目標値20の精神抵抗に当然失敗して呆然自失。
村から少し離れた丘の上。
いつかと全く同じように立ち尽くす彼の隣で、黒い影が語りかける。
「見ろ、村が燃えているぞ!」
PL一同、大爆笑。
「いいのか? みんないなくなってしまう! ニンジンが好きだったアイツも、カボチャの皮が大好きだったアイツも! みんないなくなってしまうぞ、このままでは!」
みらの「食べ物の話ばっかりだな」
「力がほしいか? お前は全てを取り戻せる、私は――願いを叶える者だ」
「……過去を取り戻すなんて、できっこないよ」
「と思うだろう?」
PL一同、大爆笑。
「私たちは魔神だ。ここに現れたのが『導いて差し上げましょう』などと宣う神々しい何かだったら、お前は喜んで飛びついたろう? だが同じだ、むしろ契約に従う我々の方が余程律儀だ。お前の願いを叶えてやろう。お前は、望まぬのか?」
「くそ、こいつ……!」
頭を抱えるあやたか、大喜びする一同。
「そうか、要らぬのか。ならば仕方がない、次を待とう」
「……」
「……俺がほしいのは、村での平穏な生活じゃない。あの日、何があったのかを知るための力なんだ」
「知りたいんだろう?」
「知りたい……」
「ならば望めばいい! 叶えてやろう。……いや、お前は実に面白い。ぜひとも契約したいのだ! ――私は、運命を、未来を司る」
「……いいだろう。君がどんな力を持っているのか、言っていることが本当なのかもわからないけど。あの日、何があったのかが分かるのなら……悪魔とだって、手を組もう」
「契約成立だ」
そしてこれは契約印だ――その言葉と同時に、アットの心臓の上に悪魔の印が刻まれる。
曰く、ろくに欲望の集まらぬ僻地で思わぬ収穫を得たので一旦店仕舞い。
ベンチを立てば景色が硝子のように砕け落ち、――気付けば元の船の上にいた。
そして、物語は幕間に繋がることになる。
・余談:今後のアット
アットはこれから、デモルとミスティックを並行して伸ばしていくことになる。
双方の技能が一定条件を満たすとオリジナル技能がもらえるらしい。
最初に得られるのは「a beautiful star」。
努力、未来。
ミスティックの悪魔さんからコメントが届いています。
「ミスティックはいいぞ」
だそうです、ありがとうございました。
・余談:米津玄師
今回のテーマソングはKICK BACKらしい。
それはそれとして私は米津曲だと爱丽丝が一番好きで、そっちもちょっとだけ合うんじゃないかと思うなどした。
真っ逆さまに落っこちた。兎の背中を追いかけていた。遠くで何かが燃えていた。
でもアットは虚しさを抱えたまんま愛を使い果たしたり、夢幻なら大歓迎だと思ったりはしないんだろうな。
ところでアリスといえば、みらのも懐中時計がアリスみたいで可愛いと言っていたと思う。
不思議の国のアット。メルは帽子屋の役がほしいかな。みんなの自PC解釈も聞きたい。
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