第14週のシナリオ集で気になったところだけまとめ #虎に翼
14週のシナリオ集で気になったところ(主に寅子と桂場の関係性)をまとめていきます。気になったところだけでしかも抜粋なので、内容が知りたい人はシナリオ集を買ってみてください。前週分が毎週月曜日に出ていて、電子書籍で三百円ぐらいです。
うーんと最初の多岐川との会話が詳しくなっていることで、星長官の仕事を受ける寅子のニュアンスも変わってきます。このあたりは読んでみてください。簡単にまとめると、「出る杭は打たれる」けど「打たれているうちはまだまだ」、だから「徹底的に打たれてやろう」、「忙しくても桂場なら引き受けるであろう名誉な仕事なんだから受ける」という文脈になっています。
で、話題になっていた「無理をしてまた」の言いかけのくだり。ここシナリオ集では「また、心が折れて逃げ出すんじゃないかと?」に「あぁ」って返答してますね桂場。
SNSでは消えた言葉を「倒れたらどうする」で理解する人が多くて、たしかにそのほうが人情味はあるんだけど、わたしはちょっとそこどっちかなあとずっと思っていて。というのも、寅子の再就職活動の週で、桂場は寅子を「一度逃げた人間」だと評しちゃってるんですよね。
寅子の妊娠出産をめぐるあれを寅子自身が「逃げた」と思うのも、そこに関しては完全に下駄をはいた立場の桂場さんが「逃げた」と思うのも違うと思うんですが。でも、とりあえずあの心が折れたくだりは「逃げた」な認識で一致しているわけで。
まあねえ……寅子からすれば「心が折れて逃げ出す」っていう言葉になるけど、桂場からすれば「逃げた」は「水源の同志がいなくなる」ということでもあるから、まあ……。倒れたその先まで心配しているという理解でよいのかな。で、寅子のほうは、まだちゃんと認められていないからもっと打たれる杭になってやる、という認識。
この場面、会話が放送よりもう少し長くて、寅子が桂場に攻め入ってる感があります。やりこめられる桂場。詳しくは読んでみてください。
家庭のパートは花江たちがみんなすごく優等生しているなあという感じ。花江のおかげで家の空気がすごくよくて、逆にちょっと怖い感じが放送版とはまた別の印象かも。放送版はもっと全面的にひびを予感させる緊張があったよね。どちらも先を思うと怖いです……。
航一だけ心情の説明があきらかに多くて、どういう意図でしゃべっていたかよくわかります。とりあえず、人当たりはいいし、悪意もないけど、面倒くさいところは巻いていくスタイルです。あと星航一もまた穂高先生の教え子でした。
航一とのやりとりは、梅子さんの視線を感じるからうーんやっぱりなんらかのフラグが立ってるんだろうな……やはり再婚なのかな……いや寅子と桂場さんの関係性を推しているからといって、別に桂場さんとくっついてほしいわけではないんだけど、コンビとして好きすぎるから、お互い以外にこのあとパートナーを作らないでほしい気持ちはまあちょっと否めない……ぐらいの温度感(面倒くさい思い入れ)
まあでも、そもそも桂場さんのプライベートがわからなかった。一話から出ているメインキャラなのに、いまだに結婚しているかさえわかっていない。謎多き桂場。
そうだ、寅子の生理のくだり、この時点の生理用品についても詳しく説明されていて参考になりました。あと産後は食生活の安定とともにまた苦しみリスタートだったのね。そうか。
桂場の「なんちゅう顔してるんだ」の「なんちゅう顔」のくだけ方が好きだったんだけど、シナリオもそうでした。基本、固い喋りをする中で絶妙にくだけててよいよね。
で、シナリオ集のほうは「色々あったのは分かっている。でも先生に恩があるのは事実だろう? 今日でお互い水に流して、快く花道を作ってやってくれないか」って言う桂場。スンッを要請されている。寅子のスンッ嫌いなくせに、穂高先生のためにここでは要請するんだなあ……。
で、穂高先生のスピーチがだいぶ違って、自分が楽になりたい文脈でわざとみんなの前で寅子に謝っちゃうんですよね……。しかもあの時のことを(具体的に説明まではしていないけど)。これは辛いな。怒りのトリガーとして、放送版の流れもわたしは理解できたけど、正直こっちのほうがだいぶわかりやすいかも。寅子、穂高の狡さにまず怒ってるし。
なお、温和な穂高先生の爆発に桂場も驚いている。
ここの場面はね~、とにかくもう松山ケンイチの解釈がすごくすごくすごくすきで、長いツリーであの場面の解釈をポストしちゃったぐらいなんだけど。シナリオの桂場は困らされて頭抱えている感が強い印象なんだけど、放送の桂場はもう少し寅子の気持ちを察して受け止めている印象なんだよなあ……諫めるのをやめたあとの横顔に浮かぶ痛みがすごく好きだった。わたしは桂場にはそうあってほしい。穂高の味方をしたくても寅子が怒りを言語化したときに、当事者ではない立場からでもなるべく理解しようと(理解しきれないんだけど)する人であってほしい。その繊細さを全面に出してきたあの演技がめちゃくちゃ好き。
あと第一声が「ガキ!」なの距離感~~~って感じでいいですね。
で、お酒のシーン。まさかの桂場が誘ったのは寅子だけでした! 家庭局まで誘いにきたよ。でも他ふたりもついてきちゃったね……。「俺はお前らを誘っていない」とのたまう桂場。おおお、どっかでリベンジしてくれ……。
あの事件から一か月経ってるけど、桂場に穂高と和解したことを報告してなかったのは、さすがにトラちゃんそこはしときなって思いました。
多岐川の肩を抱くシーンは放送観ていてややセクハラ……と身構えたけど、特にシナリオ集には書いていません。肩を抱くならライアンと寅子を左右に抱く感じでガッとしたらもう少しセクハラっぽくなかったかも。でも多岐川まわりの演出って故意に悪びれないセクハラ入れてる感じはあるよね。めちゃくちゃ嫌だけど、ないほうがおかしい時代だもんね……。
カットされてたシーンはよねさんの炊き出しは梅子さんに比べてだいぶおいしくなかったっぽいくだりと、神保先生のくだりと、トラちゃんが梅子さんに相談するシーンががっつり、とかだったかな。台詞は要所要所でだいぶカットされてました。