主に鈴鳴家について雑記。
シナリオのネタバレと、狂気山脈のEDネタバレ含む。
響子さんという人物は、俺の中でよく天然とか不思議ちゃんとか言われるような人として作ってきたキャラなんだけど、俺は個人的に、天然ってよく言われる人は、自分なりに世間ズレを実感しつつもあえて空気を読まなかったり、もしくは普通がわからなかったりしてズレてしまうのかなと思ってて、そういうズレを抱えながらも隆や周りの人に支えられた結果、自分は頼りない、周りの人は頼れるみたいなのを深層心理に抱えてる人として動かしてた。
だから、子どもたちのことも、隆が言うことに疑問を覚えたり、柚が心配だったり、李の態度に困ったりしても、自分の思ったことを言っていいのかわからなくて、ずっと困り笑顔を浮かべながらも天然お母さんでやってきた部分があったんだろうなと思ってた。
物語中盤まではそれでも良かったんだろうけど、だんだんと家族の仲が拗れるようになっていくうちに、そして自分が望んだ箱庭が今この結果を導いてるんだと思うとどんどんと苦しくなって、余計に何も言えなくなって、そんなときに柚から「お母さん黙ってばっかり」って言われたときにはすごくハッとしたんじゃないかな。
あの言葉がなければ、響子さんがみんなでお話ししましょうって言うこともなかったし、家族禁止の提案もなかったと思う。
そして、呪文を使うことを躊躇うこともなかった。
歪んだ家族関係を正した結果、自分の抱えてる信念が正しいのかを見つめる時間が生まれて、そんなときにネックレスの話をされて、少し焦っちゃったんだろうね。
でも、子供に使ってしまうのは響子さんの中での親としての最終手段にすることができたんだと思う。
もし、話し合うことがなければ、自分はしっかりしてないから、これしかもう方法がないと思い込んでたような気がする。
もちろんゲーム的に2Rに1回使う方が盛り上がるって考えもあったけど。
あのあたりはPL的にはサブKPやってる気でやってた。
今思えば、あのシーンで一人でがんばって説得したのも季だし、やっぱり強い子になってたんだね。
そんな季ちゃんのお母さんで、もうしばらく居てあげたかった。
終わったあとも、李ちゃんはこれから先、どんな成長をするんだろうって、中学校の制服を着た姿を想像したり、色んなお仕事に就く姿を想像したりして。
どんな人と結婚するんだろう。隆さんみたいないい人が見つかるといいな。もちろん結婚だけが幸せじゃないのよ。なんて考えたりしても、もう彼女がその姿を見ることはないんだと思うと、力が抜けてしまう。
けどそんな気持ちは多分、終盤、天井が落ちてくると全てを察したときに飲み込んで堪えて、間違ってた自分に、一生懸命に言葉をかけてくれた李の強い部分に託してあげたんじゃないかな。
ずっとずっと、響子さんは家族みんなを見てあげて、言葉は上手くないけど、料理も上手じゃないけど、それでも家族みんなのやりたいことを尊重してあげる、強いお母さんでいられてたと思う。
隆さん。悪魔のRPは悪魔らしさがあるといえばそうでもあって、でもその中できちんと隆という人物像を描いていたなと思った。
聴こえてくる音は悪魔の声なのに、言葉や所作は隆でしかなかった。
ライバーとしても悪魔に支えられたライバーは数多く居るだろうし、そういう面倒見の良さや安心感みたいなのが奥にあるから、それが隆に現れたんだろうなと思う。
空気を読めないときもたくさんあるけど、でも家族のことを考えて守ろうとして、どっしりと構えた人だった。
そんな隆さんのおかげで、不安なこともたくさん乗り越えて来たんだろうし、ときどき抱えきれないことがあったときには二人のときに甘えさせてもらってたんだなと思う。
天国があったとしたら、柚がいないときにはまた泣きじゃくって隆に抱きしめてもらってるんだろうな。
柚ちゃん。健屋は本当に初心者とは思えないくらい、シーン作りが上手い。エチュードが好きなのもあると思うけど、やっぱり地頭の良さというか、システムの読み込みが早いから、そこに裂けるリソースが多いのかなと思った。
今回かなり、柚の言葉で動かされた人は多いと思う。響子さんもそうだし、李が爆発する要因になったのも柚だし、隆にも怒鳴るときがあったし。
そんな中、最後に言ってた「早く来られたら困るよ。私が甘えられなくなっちゃう」って言葉が忘れられない。
柚は李が生まれてお姉ちゃんになってしまったけど、それも小さな頃の話で、長女としての自分しか知らないし当たり前だと思って過ごして、自分が我慢してることにずっと気づかないでいたんだと思う。
それに気づいたときに、どうしていいかわからないって混乱したり泣いちゃったりしてたのに、最期にあんな嬉しそうに甘えたいってはっきり言ってくれたのが嬉しかった。
あの言葉をあの場で紡ぎ出せた健屋は本当にすごい。
きっと一人っ子を満喫したあと、李が来る頃には成長したお姉ちゃんとして迎え入れてあげられる気がする。
そして李。周央さんは今回本当によく頑張った。
狂気山脈のときは、どちらかというと周央さんのキャラが天然でずかずかと進むようなキャラだったから、周央さんに引っ張ってもらいながらも支えることが多かったけど、今回は周央さんに全てを託す形になってしまったのが、なんとも嬉しいような申し訳ないような気持ちでいっぱいになる。
TRPGプレイヤーとして信頼できる人物だと思ってるからこそ、シーンを委ねられたことはすごく嬉しいけど、中学生には酷だよなと思って、どうしても声をかけずにはいられなかった。
あれだけボロボロになったのは、李のことを一番に考えて、自分のように大切に思っていたからこそ、李の大事な家族のことを一心に請け負うことができたんだと思う。
改めて、プレイヤーとして信頼できると感じさせてもらったし、間違いなくTRPG配信に新しい風を吹き込んでる一員だと思っていて、周央さんがにじさんじに居てくれたことが嬉しい。
娘のことを一番に思ってくれてありがとう。
李本人はすぐには立ち直れないだろうけど、みんなの言葉を受けて、外に出ると決意したのに嘘はないだろうし、いつか時間が経ったときに、その決意の熱が李の中でじんわりと広がっていくときが来ればいいな。
狂気山脈のときはみんなで生きてかえれたのに気持ちが帰れなかったけど、今回は本当に帰れなかった分、身も心もまだあの場所に置いていかれているような気がする。
プレイヤーでさえこう感じてるんだから、李は当然もっと抱えているものが大きいだろうし、すぐに前を向いてほしいなんて絶対に言えないし言いたくない。
けれど行ける道は確かにあって、それを知ることはできるから、時間をかけてたくさん知って、たくさん感じて、たくさん乗り越えていってほしい。
鈴鳴 李の、残された者の道が、どうか幸せでありますように。