FGO中国4thフェス内で公開されたドラマ『蘭陵王』の日本語訳です!
所々間違っているかもしれませんのでご注意を!
兰陵王/面具
■ナレーション
西暦564年河清3年の北斉。
北周は十万もの兵で洛陽を攻めました。
この年23歳になる蘭陵王は
斛律光将軍と共に命を受けて、
郡を率いて救援に向かいました。
この時の北斉は政局的に不安定で
蘭陵王は皇族ではありましたが、
北斉のプライドの高い兵士たちを統率する力はありませんでした。
初めての戦の中、蘭陵王が信頼できるのは自分自身だけでした。
※兵士がテント内に駆け込んでくる
■兵士B
馬鹿者め!!
お前は斛律光将軍を嘗めているのか!?
八つ裂きにされても文句など言えぬぞ!!
■兵士A
我々の皇子を馬鹿にしたのだから死んで当然だ!
※皆に背を向け猫をなでながら椅子に座る蘭陵王
■蘭陵王
なにごとですか?
■兵士A
皇子、私は夜の警邏に出た時に
貴方を侮辱する声を聴いたのです!
■蘭陵王
なんと言っていたのです?
■兵士A
その……私の口からは……
■蘭陵王
なんです?言ってください。
■兵士A
彼らは……彼らは貴方がそうだと……
貴方を……
■兵士B
この玉無しめ!
■兵士達(Aを除く)
玉無しめ!
※兵士たちが嘲笑する
■蘭陵王
どこの隊の者ですか?
※兵士Bが慇懃無礼に前に出る
■兵士B
お答えします皇子
斛律光将軍の隊でございます。
■兵士A
皇子!
いたるところで貴方を侮辱する声が出ています!
色白だし力強くもない!
戦争に行ったことがないから軍隊を育てるために!
部下を死なせるためにここに来たのだと!
私は本当に頭に来ました……
だから殺したのです!!
■兵士B
皇子、はっきりさせなければなりませんな!
ほら!
貴方が戦争に行ったことがないから
我々は多くの力を貸す必要があるのです!
貴方は戦況を見極める目がなく、いずれ手傷を負う
それは良いことではありません……そうですよね?
私はただ貴方のことが心配なのですよ。
■兵士A
戯言を…
■兵士B
戯言だと!?
■兵士A
私の皇子を理由にして部隊を混乱させているだけではないか!!
■兵士B
そ……そういう貴様は同胞殺しではないか!!
※雷鳴と共に蘭陵王が立ち上がる(猫は飛び降りる)
■蘭陵王
黙れ!!
※鬼面を付けた蘭陵王
■兵士達
鬼だ!!鬼だ!!
※ゆっくりと兵士Aに近づく蘭陵王
■蘭陵王
この領内で殺人を犯した者は
軍規に乗っ取り
斬る
※蘭陵王にすがりつく兵士A
■兵士A
皇子!
皇子……私は貴方に忠誠を誓っています…!
私は貴方と共に育ちました!
皇子……貴方は……貴方はお忘れですか?
昔、共にコオロギを捕まえたり、凧を揚げをしたことを…?
■蘭陵王
この領内で
■兵士A
皇子!私はまだあなたにお仕えしたい!
■蘭陵王
殺人を犯した者は
■兵士A
私はまだあなたにお仕えしたい!
■蘭陵王
軍規に乗っ取り
■兵士A
まだ貴方と戦いたいのです!皇子!
■蘭陵王
斬る
■兵士A
皇子!!!
※兵士Aを斬り捨てる蘭陵王
※兵士Aは茫然とした顔で倒れる
※怯えて部屋の隅に固まる兵士達
※こびへつらった顔で蘭陵王に話しかける兵士B
■兵士B
殿下!殿下!
殿下!殿下!
お許しください殿下!
殿下は……そう!寛容な!大人大量なお方でございます!
か……勘弁を……ご勘弁を!!
私は斛律光将軍の部下です!
私を殺せば兵は混乱し!貴方の評価にも傷がつきますぞ!
■蘭陵王
軍規により斬る
※斛律光将軍の威光を笠に殿下に詰め寄る兵士B
■兵士B
まって!まって!
私を殺す勇気はございますかな?
私は斛律光将軍の部……下……
※話の途中で斬り捨てられる
※床に額づく兵士達
■兵士達
殿下!お命だけは!お助け下さい!殿下!
■蘭陵王
命令を下す
■兵士達
是
はい!
■蘭陵王
兵を五百騎用意せよ
今宵、夜襲を行う
■兵士達
はい!
拝命いたします! はい!
従います!!
■兵士達
伝令!殿下からのお達しだ!
兵を五百騎用意しろ!
出陣だ!
※テントから駆け出る兵士達
※仮面を外す蘭陵王
※そっと兵士Aの顔に触れて、自らの手で瞼を閉じてあげる
※手が震え何かを堪える表情で仮面をつけなおす
■ナレーション
鬼神の面をつけた蘭陵王
彼は戦場で無敵でした
これ以降、誰も彼を見くびる勇気はありませんでした。
穏やかで美しい顔をした蘭陵王高長恭
十年後
蘭陵王は毒酒を呷り賜死を命じられました。
それからわずか三年で
北斉は滅亡します
高長恭の勇敢さを称えた
蘭陵王入陣曲
それは今でも演奏されています。