映画金カム視聴2回目感想(IMAXでおかわり)
・IMAX、視界をだいたい埋めるスクリーンサイズなので、顔を正面から動かさなければ感覚がちょっとVR的。前の方の座席をとったので余計に。ただ余り前だとスクリーンの中央よりやや下に視点が向き、上半分が見えにくいので、中段くらいの席だともっと良かったかも。
・画面が明るい。映画のスクリーンは薄暗いもの、という感覚があったが、雪原のまぶしさとかが実感できる映像だったし夜の暗い場面でも詳細がとらえやすいので、映画金カムみたいな映像だと良さが引き立つ。
IMAX用の撮影でないにもかかわらず久保監督が「IMAXで視てください」と言ってたのがなんか理解できる。
・スピーカーが多いので音声の位置がリアル。ムビカムのヒグマの登場場面はどれも怖いが、杉元とアシㇼパがマタカリㇷ゚と戦う場面でヒグマの姿が見えないにもかかわらず、背後の暗い林の向こうでヒグマの気配が右から左に動いていくのが伝わるのが、ヒグマの姿が見える場面よりも怖かった。
・二百三高地の場面で杉元以外のキャラを探す。尾形は見つけたが谷垣は見つけられず。あとラッパを吹いていたのは岡田じゃありませんでしたか?(俳優さんのお顔をそれほどしっかり覚え込んでたわけでないので前山の可能性もあるけど、岡田だったような気がする)
・札幌駅に展示されている作中登場の橇に木箱が乗っていて、先にTLにアップしてた相互さんが「これ何だろう」と言っていたので「御者用の腰掛けじゃないかな?」と答えておいたのだけれど、映画再視聴で確認しました、腰掛けで合ってました。杉元達が小樽の市街地に出た直後に杉リパたちの横を通り過ぎるソリや、終盤のソリ上バトルが始まるまでの場面で腰掛けとして使われているのが確認できます(橇上バトルが始まると、vs月島戦の途中で橇上から消えます。多分戦闘中に次々と物が落ちたという描写にされてる)。
・杉白斜面落ち&川落ちの場面が作中一番面白い。役者さんには一番過酷な撮影シーンだったのは判るけれども、橇に引きずられる杉元もそうだけど撮影が大変な場面はやはりその分リアルで、見てる方は没入できるし面白いんですよ。
・谷垣がアシㇼパを木から降りるよう促しての直後の場面、実写映画だと刺青人皮が如何にも「人間から剥ぎ取ったばかりの生皮、人間の死体の一部」という出来で生々しく、それを”アイヌの少女が持っている”事の異様さが際立ち、しかも谷垣が振り返る前にアシㇼパがあからさまに矢を番えに行っているので、この場面の谷垣の驚愕とアシㇼパへの(殺人者の可能性についての)疑惑と警戒が割と当然視しやすい絵になっていると思った。
・1回目を見に行った時は”映画の出来が良い、原作と比べて違和感がない”事だけ感嘆して帰って来た感じだったけど、今回は映画見ていて2回ぐらいウルッと泣きそうになってしまった。杉元がアシㇼパのコタンを出ていく所と、杉元救出後の、「俺はもう地獄に行くのは決まっている」と言う”空っぽの”杉元にアシㇼパが「生きている以上お前にも役目があるはずだ」と語り掛ける場面。そして朝日の中ダイヤモンドダストが二人の周りに降り注ぐ絵から、そのまま砂金が舞い散り様々なキャラの抽象を紡ぎ出す映像(あれはおそらく今後のドラマ版のOPになるんだろう)に繋がるの、すごく綺麗だったなと思う。泣きそうになったのは、やはりIMAXで没入感が高かったせいもあるんだろうな。
・上記の泣きそうになった場面に使われていた、少しざらついたひび割れるようなストリングスのOP曲いいですよね。映画版杉元の、孤独と寂しさが浮き上がる曲で、あれ聞くだけで泣きそうになる。ムビカムは音楽が全体に良い。アニカムの曲も好きだったけどそれより好きかもしれない。円盤が出たら買うつもりだけどまずはサントラ買おう。
・よく見たら映画版の杉元はほとんど食レポしてない。アシㇼパと一緒の場面で「やっぱり味噌はいいよな」というくらい。でも映画版のあの寂しさに満ちた労しい杉元が原作やアニカムのように食事の時だけ饒舌な食レポをしていたら、浮き上がるのはホッコリさでなくて異様な狂気に満ちたシーンになりそうなので、あれでいいんだろうなと納得する。
・映画館が混んでいるのは避けたかったので平日の日中の上映を選んで行ったのだけれども、それにしたって観客は少ないなと思った。大ヒット上映中とは宣伝されているもののそれほど動員できてもいない。キメツが始まってしまったのでグッズコーナーはそちらに持ってかれてる。次の週末から特典付きキャンペーンでしたか、頑張れ。