仮面ライダーガッチャードの視聴を切った話。
※全く楽しくない話
まあ表題の通りですね。
先週は坂本監督のアクション目当てにガッツリ見ましたがね。クロトーさんかっこよすぎか。
視聴は切ったしそれについては特に後悔はないんですけど、いくつか言いたいこと、というよりは言わないと気が済まないことがあるので、だらだらと書きます。
ふせったーにしているのはガッチャードをシンプルに楽しんでいる人たちと、ガッチャードアンチに見られたくないから。そのために作品名だけ伏字にしてるしね。
ということでここからは、面倒なので端折っているだけですが語尾にすべて「※個人の感想です」がついているという前提で読んでね。あくまで私の感想だからね。
なんで視聴を切ったかというと、簡単に言うと初回からうっすらと感じていた不信感がどんどん大きくなっていったから、かなと。
まず、「本作のテーマに対する不誠実さ」。
これは初回から言っているのですが、「錬金術」である必然性がまだ見えてない。
錬金術ってどちらかというと化学に近くて、いろんなものを混ぜ混ぜして新しいものを作る、みたいなイメージがあるんですけど、本作でやってることと言えば指輪を天にかざして呪文を唱えて物の形を変えて、みたいなやつじゃないですか。
それは魔法では?
それこそ過去作のウィザードでやったほうがしっくりくる奴じゃない?指輪だし。
最初はまあこれからかな~なんて思ってたんですけど、とある回の東映ブログで錬金術をやりつつもうまく表現できていない自覚がある、みたいなことを書いていた時にあ、これはダメだなと思った。
「錬金術」をテーマに据えた作品なんだから、そこは妥協せずに考えてほしかった。錬金術ってなんだろう、みたいなところから逃げながら錬金術の作品を作るのはさすがに無しだよ。
あともう一つのテーマが「ボーイミーツガール」。
高校生を主役に据えているわけで、青春ネタもやりたい、的なこと言ってたけどそれもなんか微妙で。
この前のロミジュリ回とかもそうだけど、青春が薄っぺらいのよ。
高校生の青春じゃなくて、「おじさんが思うキラキラ高校生活」を見せられている気持ち。
そんなわけで、東映ブログでたびたび言及されている本作のテーマ、「錬金術」「アオハル」がぐだぐだなのに耐えられなかった。
個人的にこの作品のもう一つのテーマって、「応援」だと思っているんですよ。
ようやくあちこちで声出しが解禁され、今までのGロッソも戻ってきたのはいいけれど、多分今の小さなお友達にとって「声を出して応援する」って全く馴染みのない文化だと思うんです。
それに対して、加治木や先輩ズを中心に「がんばれ!」とヒーローに声を送ること、それが力になることを伝えていこうっていうの、すごく素敵だなぁと思ってみていたんですよ。
でもここまでメインテーマに裏切られていると、ここまでこっちがいろいろ思っていることも実は私の都合のいい妄想だったんじゃないかな……って気もしてる。
実際、公式はそんなこと一言も言ってないしね。
それから、「主人公たちの薄さ」。
せっかく未成年という、人間として成長できる人たちをメインに据えているのに、彼らの成長がゼロ。
寧ろ、宝太郎という人間が周りに与える影響、という方が重視されている印象。
結果的に、本来子供に教え導く立場のミナトや先輩の立場のスパナあたりの成長物語に労力が割かれているというチグハグさが目に付く。
おかげさまで現状唯一マトモでしっかりした大人な鏡花さんが輝いているんですけどね。
あの人すごいよ、基本的にちゃんとした根拠がないと断言しないし、きちんと腹括れる人だし。
間違いなくこの世界の中で一番カッコいい大人だよ。
例えばここで、宝太郎のキャラ造形が「超絶完璧高校生」とかなら全然いいんですけど、別にそうじゃない。
寧ろ今まさにいろんなことを吸収して成長していく、どこにでもいる高校生、って感じの造形。いろんなところがまだまだ粗削りで、これからどんどん大人になっていくんだろうなって感じの雰囲気。
けど実際1話からの彼に変化はそんなになくないですか? 錬金術にちょっと詳しくなったのと、演者の演技力が上がったくらいでしょ。
一方同じく高校生のりんねちゃんはというと、基本的に父親かアトロポスとの関わりに時間が割かれており、
そのやり取りも堂々巡り。
父親はいまだにどうなっているのかよくわからないし、アトロポスとは出会う度にアトロポスが妙に彼女に執着して攻撃を仕掛け、りんねはそれを見て助けたいと言い続ける関係に終始している。
正直りんねがそこまでアトロポスを助けたがるのもわからんのよなー。彼女に同情の余地って今のところないのに。りんねは友達が欲しい者同士って括ってるみたいだけどそれもずいぶん雑というか……。アトロポスが欲しがっているのは家族(という名前の自分が使役しても許される相手)でしょう?
一方、冥国の三姉妹の方のドラマが回を追うごとに充実していくのよ。
恐怖に耐えられなくなって裏切ったラケシス、
同じく恐怖に苛まれながらも裏切る勇気はなくて、結局異様な強化を受けたクロトー、
父を喪って本格的に「復讐」という手段をとることになったアトロポス。
全員がただの人形だったのに、少しずつ人間らしい方向に進んでいっていて、しかも全員(微妙に形は違えど)求めるものは「家族団欒」という。
見守っていて結構楽しいんだけどね。
でも相対的にみるとガッチャード組が薄くてチグハグな代わりに冥国の三姉妹がどんどんかっこよく魅力的になっていて、あれ、この作品の主人公って誰だっけ……みたいな。
三姉妹のことは好きなんでもう少し見守っていたかった気持ちはあるんだけどね。
主人公たちに感情移入できない作品って見ていてきついんですよ。
まあ、もちろんできない作品はありますよ、そりゃ。極悪人が主人公なやつとか。
でも、感情移入できないうえにチグハグなんてもう駄目だよと。
ラストは「隠せてない財団Bの影」。
特撮番組は言ってしまえばバンダイがおもちゃを売るための番組じゃないですか。
別にそれはいいんです、そういうものだから。
なら、東映は、せめてそれを見せない努力をしてほしい。それがエンタメを届ける人たちの仕事じゃないの?っていう。
特に、今回私が視聴を離脱する決定打になったゴージャスですね。
もう完全に、ゴージャスの変身グッズを売りたいバンダイに振り回されているのが見えるんだもん。なんならブログで言っちゃってるし。
グッズを売るためにあれやこれやして、なんかキャラソン作らせたりブログに無理やりねじ込んだり……。そもそもその媒体って特撮視聴者が全員目を通す場所じゃないし。傍目から見てもしんどそうだったし。
本編にゴージャスが登場したのはいいものの、完全にスピンオフ前提だから未見勢はついていけない。
まあ、YouTubeでの配信なのである程度は「見ている前提」でも許されると思うし、見てない私にも責任はあると思うよ。
でも、それなら「見ていないと分からない」というよりは、「見ていた方が面白い」「見ていなかったけど見ちゃおうかな」という気持ちにさせてほしかったなあというのが正直なところ。
ぶっちゃけ見ていないと分からないネタが多すぎて全てに見る気をなくしたのが今の私なので……。
正直この辺は大人の事情が絡んでいるから何とも言えない、何ともし難い部分はあるのだと思う。
でもせめてそれは見せない努力、感じさせない努力をしてほしかった。
間違っても、東映ブログで東映側の人間に「バンダイがおもちゃの告知出すのが早すぎて広報が大変だったんです!」なんて言ってほしくなかった。
出していい裏側と、出しちゃダメな裏側ってあることをわかっていてほしかった。
こんな感じ、ですね。
なんというか、ただ面白くない作品だったらまだ諦めがついたんだろうなって書いてて思った。
自分には向いていなかったな~とか、そんな言葉で済んだから。
結局まとめると、「制作チームに対して不信感がわいちゃった」に尽きるんですよ。それが辛い。
だってきっと来年のライダーも、同じ人たちがある程度関わっているのは間違いないから。
ということでぐだぐだ言いましたが、そんな感じです。
これで、私がガッチャードに言及するのは最後になります。というか、最後にします。
ちょこちょこ書いてきた通り全部が全部嫌いなわけじゃないので、それがますます悲しいなぁと。