「明るい部屋」のノクチルのあの場面の話がしたくなったからするね……!
まだシナリオ公開されてから1週間も経ってないのでふせったーで。樹里とノクチルの握手の場面の話です。
ここ超好きで、最後の放クラの部屋の話をのぞいたら一番感動したところかもしれません。握手した樹里のあの満足そうな感じがもう最高。
あの場面、普通の高校生としてケーキ販売のアルバイトを申し込んだら、申込先でパートとしてはたらいていたのがはづきさんで、はづきさんの計らいでアイドルの仕事ということにしてくれたというもの。まずパートなのにアルバイトの面接を任されるっていうのがすごい。私も昔飲食店でアルバイトをしていましたが、私の先輩にはアルバイトの立場でアルバイトの面接を任されてる人はいましたが私にはその役目は来ませんでした。はづきさんがいかに有能かというか、あのスーパーで仕事を任されているか、ということが分かる一場面です。
本題に戻りましょう。普通の高校生としてアルバイトするつもりが、アイドルの仕事にしてくれたというところがまずポイントになると思います。「天塵」以降、アイドルとしての仕事は全く無いわけではないものの、かなり少なくなっているし、そもそもアンティーカなどと比べてまだぜんぜん売れていないというのがノクチルの立場です。だから普通の高校生としてアルバイト応募もしちゃう。けれどそれははづきさんの素敵な計らいでアイドルの仕事になったわけです。
で、それがスーパーの店頭でのケーキ販売。クリスマスに見かけるやつですね。それをする。ケーキを買うと写真を一緒に撮るか、握手するか選べるようですが、それを求めてくる人はぜんぜんいません。アイドルが販売していることを認識してもらえていないか、ノクチルというアイドルに対する関心がそこまで高くない様子。それでもケーキ販売頑張る3人がえらいです。お会計担当してる雛菜がちゃんとしてて見てて嬉しかった。
で、そんなところに樹里と智代子の2人が現れる。普通にケーキ買うためにそこに来るんですが、2人はノクチルの3人がケーキ販売してるっていうことは知らなかった様子。樹里と智代子がそこに現われると、その場にいたほかの客は、アイドルと写真を撮れるっていうのはこの2人のこと!?と勘違いします。アイドルとしての認知度というか興味の持たれ方に差があることが明らかに分かって、切ないところ。
お客さんに対する対応を終えた後樹里は誤りに行きますが、円香も円香で巻き込んで申し訳ないという感じです。自分たちの認知度などが低いことへの思いもあると思いますが……
で、最高なのがこの後で、ケーキを買った樹里に対して「握手、してってよ」、と透が言います。「一個買ったら、写真か握手ができる」と円香が教えると、「おう!」と言って握手する樹里。そして「この後も頑張れよ」。樹里は雛菜にも握手を求めます。もう感動~! そして円香が最後に「3個、買ってなくない?」って言うのが超良いわけです。
樹里が透たちに握手したのは、ケーキを買ったからです。ケーキを買ったら、ケーキ販売してるノクチルの3人と写真を撮るか握手をすることができる。ケーキを買って握手をしたってことは、その瞬間樹里の目の前にいたのはアイドルの透たちだということになります。他のお客さんからの認知や興味は低いけど、樹里はこの目の前の3人をアイドルだと思って見てる。まずここに感動。
で、で、さらにポイントになるのは最後の円香のセリフです。「3個、買ってなくない?」。樹里はケーキを1個だけ買って、それで3人と握手しました。本来ならば、円香が言うように、1個かって1人と握手(あるいは写真)ということになるはずです。樹里はそのルールを破って3人と握手しました。なぜルール破りができたのか。それは端的に身内だから、だと思います。そう、身内。身内だから、1個買って1人と握手というルールを破ることができた。逆に言うと、ここで3人と握手したということ、握手できちゃったということは、樹里と3人が、互いを身内だと認識しているということを示していることになると思います。樹里にとって目の前にいる3人は、アイドルであり、アイドルとしての身内だということです。同じ事務所に所属している身内です。
ユニットを越境するイベントシナリオや、ホームでの会話などでの、ノクチルの他ユニットアイドルとの距離感などがよく話題にあがっていますが、ここでの樹里と3人のやりとりの絶妙さに私は超感動してしまいました。「アジェンダ283」の真乃と透のやり取りに連なるような、超絶妙な距離だと思います。超近づくというわけでもなく、全く交流しないというわけでもなく。同じ事務所に所属しているアイドル同士であるという繋がり。互いを身内として認識し、握手し合う。ここには明確に繋がりがあります。そうした繋がりが見れたのが、超感動でした。