シン・エヴァ、庵野秀明監督のファンとして。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は、監督/プロデューサー/社長/理事長・庵野秀明の現時点での集大成であり、最高傑作。
自らや作品を形作った全ての人や物事に感謝を捧げ、その後の幸せを願う。
シン・エヴァはそんな庵野さんの想いが具現化した作品でした。
所信表明で庵野さんが語っていた願いが、そのまま成就したような作品でした。
パンフレット2ページ目の「我々は三度、何を作ろうとしていたのか?」をまだ読んでいない人は読んでください。
その上で。
人の、どこだって力強く生きていく力。その影響を受け、成長するレイ。またそのレイの力によって再び立ち上がるシンジ。「縁の力」。
人々の生活の中で育ち、収穫されていくカブ(株)のみずみずしさ。
「種の保存」=「文化の保存」。たんぽぽの綿毛型の方舟。
アニメと特撮の文化を後世に遺すという活動が、どうか華開きますようにという願い。
意思の槍を知恵と工夫と努力で作り上げるヴィレクルー。
この世に存在しないものを作り上げる、という決意。
そのために結束する人の営みと力強さ。
補完されていくキャラクター。自らの分身の昇華と、これまでの活躍への感謝。
人が人を模して作り上げた「人形」と、中に人がいる「着ぐるみ」の対比。
世界の見方を変え、呪縛から解き放つ補完。
エヴァンゲリオンを、救うべき人=ファンへと還元。
過去のエヴァ全ての要素に決着をつける、という覚悟。
シンジのもとを去っていくレイ・アスカ・カヲル。「エヴァ」との決着と別れ。
シンジは声変わりしていて、「男性の声」。庵野秀明の時間による変化。一般化。
マリによって外されるDSSチョーカー。エヴァの呪縛からの解放。
シンジが手を引き、マリと共に外へ出る。閉塞感の打破。共に歩むパートナー。
庵野秀明の原風景、工業と生活が混じり合った街、故郷への感謝。
あれこれ書きましたが、こんな文章よりシン・エヴァそのものの方がより多くを語っています。
もっと、もっともっと、観ていきましょう。
こんな作品を観ることができて、本当に幸せです。
こちらこそありがとう、庵野さん。おつかれさまでした。