鉄風に散る花びら
しゃみさん卓。
ソードワールド2.5のメモ書き、第4話。
前回(https://fusetter.com/tw/9jtWAxm5 )
【4話】
・準備:個人面談
一人ずつ室外に呼び出されGMから秘匿が配られる。
……なんで?
オーレア、イズ、メル、アットの順。
前の人が次の生贄を指名するスタイルだった。
・導入:ふわふわオムレツ亭
滞在4日目。
本日の目玉たまごに据えられるスフィンクス。返して。
そろそろ次の街へ行きたいかな~……という感じのメル、そうですねー……という表情のオーレア。
ここにベックはいないしなという挙動のアット、次なる名誉とお金を見据えるイズ。
そんな話をしていたところ、クク・サブジの2Pカラーみたいな女性がふわふわオムレツ亭を訪れる。
どう見ても女将の姉妹ですという感じの彼女は、親しげな態度でアットに話しかけてきた。
「あらまあ~、どちらの方からいらしたんですか~?」
「(引き取られた教会の名前を告げつつ)。ああ、ええっと……俺はちがうよ」
「あら、そうなんですか?」
「大丈夫? 何と話してる?」
「会話成り立ってなくないですか?」
なお、アットは彼女が用いた符牒に対して返事をしている。
それを読み取るために変転を切った。22→55。PLのあやたかは室外に拉致られていた。
彼女は『柊の棘冠』という団体で自然保護の活動をしているらしい。
エコテロリスト。かなり思想が強め。
それでもアットはいつものをやる。
「このタビットを見たことはないか? ベックというんだ」
「タビ……? ……その方、ファミリーネームは?」
「エネディクトだ」
「ああ、ベック・エネディクトさんですか。でしたら、名前だけですが」
「知ってるのか!?」「……!」「実在したんだ……」
騒然とする一同。
しかし続くウエボスの発言でさらにざわつくことになる。
「ええ、所属は私たちの団体ではありませんが。さぞ志のある方だと聞いております」
あれ~……?
もしかしてベックもテロリスト? ウエボスは気にせず捲くし立てる。
「彼とお知り合いですか? それに、その首飾りをしているくらいですから、きっとあなたも自然を愛する人に違いありません! こちら入会届です!」
羊皮紙を押し付けられるアット。
ちょっと対応に困っている感じだったあたりで、わらわらとパーティメンバーが加わってくる。
「聞こえるんです、開拓され虐げられて苦しむ自然の声が!」
「ドルイドってそういうの聞こえるのかい?」
「あなたも! ドルイドなのですね!? 私もです!!」
「私は~……ちょっと修行不足で聞こえないですね……」
「そんなはずありません! 貴女が耳を塞いでいるだけ! こちら入会届です」
羊皮紙を押し付けられるオーレア。
どうやら自然を破壊するアクションに対抗して襲撃などを行っているらしい柊の棘冠。
現在は主に、鉄道の敷設に懸念を抱いているとのことだった。
入会は保留にしつつ、何かあれば話を持ってくるように伝えて別れた。
クク・サブジ曰く、ウエボスは「魔動列車の事故を目の当たりにして以来、過激思想に目覚めてしまった」とのこと。
危険な活動を始めてから、花びらも1枚失ってしまったらしい。
「悪い人じゃないんだよ、ちょっと無鉄砲が過ぎるだけで」「どうか、姉さんの花びらがこれ以上散ることがないようにしてやっておくれ」と頼まれることになる。
たまごも1人1個持たせてくれた。ありがとう。
・依頼:議員を護衛せよ
入れ替わりでやって来る博士。
「おお、おったおった。君らに見せたいものがあるんじゃよ」
「よかったですね、あっと一歩早かったら聖戦起きてましたよ」
「(かくしか)」
「なんじゃと、柊の棘冠……!」(片腕を押さえるポーズ)
どうやら博士には、柊の棘冠の襲撃で第一線から引くことになった経緯があるらしい。
「あやつらは文明の発展を目の敵にしておる。伸び放題の森はちょっと焼いて使った方が役に立つというのに」
「焼いちゃだめ! 焼いたらだめです~!」
「じゃあ切ろう! それなら大丈夫じゃろ、だからちょっとだけ……」
「はいはい、行きますよ。行くんでしょ」
騒ぐ博士を、なぜか案内される側の我々がなだめながら、彼らが拠点としている倉庫の一角へ。
そこには国のジオラマと鉄道の模型が。どうやら敷設が交易に及ぼす影響のシミュレーションらしい。
明日、ハルジオン連盟の議員がこの模型の見学に来るため、場の警備をしてほしいというのが今回の依頼だ。
何も起こらなければ1000G、何かあって議員の犠牲がなければさらに倍額。
ここでメルが「そろそろ街を出ようと思ってたんだけど」とごねたらPLが部屋の外へ連行された。
何言われるんだよ、どうせ最終的には受けるよ。
「そういえば、メルはどうしてそんなに先を急ぐんだ?」
「そうだな……うん、今は気にしないで」
「そっか……、言えるようになったら話してくれよ?」
それはそうと、なぜかアットとオーレアとイズは大きめの模型に乗って遊んでいた。
楽しそうに汽笛鳴らしてるじゃん。
なお、ここで博士の素性も明らかになっている。
名前は「スラン」、キングスレイ鉄鋼共和国から派遣されてきたらしい。
ちなみにサッサは「サッサ・ザ・スターコーラ」だよ。
議員が5人来るので、こいつも戦力にされていた。
・審議:どちらを取るか
ここでパーティは自然派か開拓派か、どちらに付くかの選択を迫られる。
イズがメルを連れて密談に行った。中身は内緒です。
基本的にエコテロリストは邪教・反社会勢力に分類される。
しかしアットは「柊の棘冠」からベックの情報を引き出せるかもしれないので後ろ髪を引かれていた。
「向こうに付くなら、皆に迷惑かけないように一人で行く」とまで言っていた。
「とりあえず議員が来る情報だけ渡してベックのことを聞き出したら、襲撃があった時に返り討ちにすればいいんじゃない?」
「それ、そのあと私たちすごく恨まれちゃいませんか……」
何がとは言わないものの、イズも何か気になることがあるようで、どっちサイドにせよ関与はしたい感じの雰囲気だった。
なんとなく鉄道側に付く空気になった面々。
アットが汽笛トラップの設置を提案する。設置はできた、設置は。2日かけた。
最後に、GMの指示で全員目を閉じてどっちにつくか挙手。
みらの「衣擦れの音で分かるんだよな」
・戦闘:エコテロリストの皆さん
議員の人がやってきて説明を受けているあたりで何かが撒かれる。
生命抵抗、全員吸った。
知識判定でファンガスの胞子だと分かる。
胞子病。今は大丈夫だけど明日あたりキノコが生えてきてキノコ人間になるらしい。
ゲホゲホ言ってる議員たちを隅に寄せていると、エコテロリストがやってくる。
コイルアイビー2体、機転の利く軽戦士2体、そしてアルボルもといウエボス。
アット「罠には引っかからなかったか!」
先制判定が残念だったのでアットが変転を切った。
本当にありがとう。
1ラウンド目
メル :怒涛の攻陣Ⅰ、敵エリアに雑なファイアボルト。ウエボスに当たる
オーレア:愚断剣魔力撃でコイルアイビーに結構なダメージ
アット :ヘビーメイス両手持ちで的確に当てていく
イズ :全力攻撃って使った方がいいですよね? 減るもんじゃないですし
コイルアイビーが1体落ちつつ、敵ターンはウエボスが毒を撒く。
これが16ダメージくらい入った。ウエボスとアイビーにも入った。
どうしようもなくなった軽戦士たちは、どうしようもなくなって乱戦に入ってきた。
2ラウンド目
ここで結構迷った。雑魚を散らして回復が味方に入る確率を上げるか、アルボ……ウエボスを落として毒を阻止するか。
「土属性って必中魔法なかったっけ」「ないよ、何せまだ2レベルだからさ」
オーレア:ウィングフライヤーを前衛3人にかけて魔力撃
アット :両手持ちアタック
イズ :全力アタック
メル :怒涛の攻陣Ⅱ。誰が回復するかわからないウィスパーヒールは味方3人とアイビー、無傷の軽戦士に入った
ウエボスは普通に殴ってきた。アットを。
コイルアイビーと思想強めの軽戦士たちもそれぞれ攻撃。
多分、このターンでアットが落ちている。
3ラウンド目
この辺りから記録がない。
多分、ウエボスが毒を撒けないようにHPを削ったり、メルが前に出てアットを起こしたりしていた。
1/6の確率でやぶれかぶれになるウエボスは1d6で1を引いた。
冒険者組とウエボスに入る11点の毒ダメージ。
イズは今回抵抗している。アットとオーレア、メルはもろに食らってた。
なお、アットはHPが1から-10になったけど、生死判定で6ゾロしたので実質無も同然だった。すごいな、何でだよ。
ここでウエボスが落ちる。リーダーを失った軽戦士たちは「あ、姐さん……」と日和って逃げだすことを選択。
コイルアイビーは殴ってきた。多分このあたりでイズが落ちてる。
4ラウンド目
コイルアイビーを落とせ。最悪、順番にやられていくため。
意識の高い軽戦士たちは「革命の日は消えない!」などと言いながら去って行った。
・顛末
その後は、ハルジオン連盟の議員をふわふわオムレツ亭に運んだり、黄金樹党議会の人から治療を受けたりしていた。
ウエボスは、その間に姿を消したらしい。見た事のある花びらが1枚だけ、そこに散っていた。
ハルジオン連盟から鉄道敷設に関する勉強会をしていたという説明を受け、黄金樹党議会も「議会で意見をぶつけ合おう」と決して否定的ではない姿勢を見せる。
結果として鉄道敷設が文明の発展に資するという着眼点は、想定より多くの政治家に認知されたとも言える。
その点について博士から「君たちの活躍によって!」と激励されながら、パーティの半数くらいが「この活躍って柊目線だととんでもない所業では?」みたいな顔をしていた。
また価値観が異なる2派閥の対立を、大規模な事件となる前に押しとどめた功績から、偉い人との謁見が叶うことに。
御簾の向こうの女性「これは口封じです」
護衛の人達「やっちゃっていいんですか?」
普通にお金をもらった。たくさんもらった。一人1000G取って残りは共有費に。
その後、個人面談になる。みんな何言われたんだろうね。
もちろん、クク・サブジにも報告した。
「姉さんはどうなったんだい?」
「これ……」(花弁を差し出すイズ)
(隣でうんうん頷くオーレア)
「……」(血の気が引くクク・サブジ)
「違うからね?」
どうしてそうなってしまうのか。
何はともあれ、このパーティは知りたいことがある人が過半数を占めている。
人がいる場所で情報収集をするために、大都市を目指すことにした。
これでショートキャンペーンが一つ完結。
次回もよろしくお願いします。
→(https://fusetter.com/tw/UhYJzK6z )