流れとしては
・自己紹介
・本を出すまでの流れ
・本の作り方
・作品を評価するということ
というものでした。

大学での講演会は初めてで緊張されていたよう。

京都でずっと過ごすと思っていたが、作家デビューし、大学卒業後すぐに上京した。

そして早速立華のお話（軽くだけ）
橘が立華を元にした。
橘→たち ばな→立華
という小話

大学生のときのお話
一作目は夏休みで書き、冬にデビュー、二作目でユーフォがアニメ化した。
大学生までのタイムラグがあるのは、実は浪人してしまったとのこと。
高校生の頃、小説を書くことにハマってどんどん成績が悪くなっていった。

大学生になり、1日1,400字程度の話（ファンタジーものとか）を書いて、毎朝友達に送って読んでもらっていた。模試の朝に送った日にはさすがにそれはヤバいと言われた。

大学では文芸サークルに入らずに絵を描く系？のサークルに入っていて、サークルは100人くらいいて友達を作るのがメインな内容だった。

1回生のときに年5作は書くと決めて、数打ちゃ当たるという精神だった。

自己紹介はここで終わり？



小説賞への送り方
賞についてしっかり調べる（ジャンル、締め切り等）
カテゴリーに違うものを送るとカテゴリーエラー（ジャンル違い）でそもそも弾かれてしまうが、カテゴリーにそのまま沿ったものだと他の作品に埋もれてしまう。
そのため何かしら特徴が必要で、あえてカテゴリーエラーを起こすことも大切。

一回生の夏休みに書いた処女作、7月末が締め切りでなんとか書ききったものの、投稿した賞は月９向けのもので、本来は恋愛ものがテーマだった。そこに青春ものを送ったことでカテゴリーエラーをしていたが、期待枠でデビューできた。


関係者のパーティのときの言われて残っている話
ちゃんと働いて生活を安定させることと、ガンの死亡率（なる確率？）より（専業）作家になれる確率の方が低いということ。



サークルの合宿の幹事をしたり、バイト（最初？は家庭教師）したり、執筆したりで忙しかった。
それのせいか、大学の健康診断を受けたときに、腎臓の病気が発覚した。
手術を受けたり、入院しながらもユーフォを書いていた。
薬の影響で顔が丸くなっていたのが嫌だった（恥ずかしかった）。

4回生で一度就活してみたものの、多忙でまた体調を崩したときに、自分はもしかして体が弱いのだと実感し、（働きながら執筆するのは無理だと判断し）専業作家になることに腹をくくった。

余談、20歳で大病を患ってしまい、完治したものの求持病持ちだからと保険に入れない（入りにくい）からみんなは保険早めに入った方がいいよ、と。



本の作り方
プロット→企画会議→執筆→校正、ゲラチェック→校了→発売！←ビックリマーク可愛い

企画会議で大事なのは、新人はとにかく（自分の好きな、書きたい）企画を通すことが大事。深甚は企画を通すのは難しい、大物になるとほぼ企画は通る（武田先生もこのステップを踏んだ）
プロットはpdfとかではなく、今でも紙で送るのがメイン。

プロットの書き方（武田先生の場合）
箇条書き→それをブラッシュアップ→執筆用のプロット（企画書）
プロットは4～5万字程書く。（担当さんからはプロット誉められるとか）
業界でも多い方で、恋愛もので書く人は「男と女が出会う、以上」と二行で終わる人もいるそう。
そのプロットが15万字（350p）の小説になる。

先生でも1日1,000～5,000字くらいしか書けなくて、ゲームに逃げることもある。
脳を使うので、疲れてペースが落ちるため。

1日2万字書かないと作家になれないと言う人をTwitterでも見かけるけどそんなことはなく、書ける人は極めて稀。無理に書こうとするより身の丈にあった分で書くのが大切。

大物作家は企画がよく通るが、新人は通らないので、流行りなどを担当さんに聞いたり、じぶんでよく調べる。



プロットを作るうえで大切にしていること
・キャラをしっかり作ること
ここをちゃんとしていないとキャラがぶれて、書いてて暴れてしまう。
・起承転結の承、結に盛り上がりを作ること
（承<結にする）
・構成のバランスを考えること
・プロットの段階で、何度読んでも面白いと思えること



朱音の話
プロットは2013年の夏にはあったが、ユーフォのアニメ化が決まりそちらをメインに動かすことになった。その結果、企画始動が2016年、原稿完成品が2017年頃、出版が2018年
時間が掛かったおかげか、完成度が上がった。



色んなジャンルのものを書きたいが間に合っていない。

小説を書くときにもう一人読者としての自分がいる。執筆する自分が良しとしても、読者としての自分が楽しめないならボツにする。楽しいときは読者としての自分がワクワクしてどんどん筆が進む。

だいたい1章分に2～3ヵ月かかる。



構成要素
・題材
社会的問題、売れ筋、定番、向き不向き
この下はメモできてません



キャラクターの話

久石奏について
キャラクターのコンセプト
・主人公の助手だが、一癖ある
・大人びた子供
・あざとかわいい（原文ママ）

ユーフォの話は一年生編で一区切りついていた。
そこで、二年生編を書くにあたり、パンチがあるキャラクターがいないことに気付いた。三年生編をやることになると、新一年生は二、三年の2年分登場することになり、パンチがないと薄味になってしまう。その結果パンチのあるキャラクターにした。
それに比べ、三年生編の新一年生はあまりパンチがあっても描写しきれないため、名前を覚えてもらってこういう子がいたな、程度にするためにあえて出番を抑えた。

久石奏のコンセプトはワトソン。久美子を助ける助手的なポジション。

コンセプトをあげてからキャラクターを作る。役割が先で、性格などは後。
久石奏も2、3回設定が変わった。



キャラクターの個性について、みかんで例を挙げられた
・皮をバラバラに破る
（雑なキャラ、または普段はしっかりな子のギャップ）
・皮で絵を描く
（天才系、子供っぽさを出せる）
・先に二つに割る
（分けあうことを大切にする、手が多い）
・キレイに剥き、筋まで取る
（しっかりもの、几帳面）
・向いてもらう
（甘えん坊、末っ子）
・食べない
（めんどくさがりや、上と組み合わせるとより効果的）

天才だと思っていたキャラクターも進学すると他に埋もれることがあり、それだけでは個性とは言いにくい。

SM○Pの「世界に○つだけの○」が流行った世代だけど、ただオンリーワンなだけではダメ。他人との違いよりわかりやすい個性を作る。
個性とは他人と違うところと、他人と同じところの蓄積。
お嬢様キャラ等、こういうキャラならこう言うとお約束キャラを使うと、そのキャラを知るまでのエネルギーを減らせて話に入りやすくなる。

その時代に斬新なことでも、後に読むとそれが普通になっていることがあり、それが他人との感想が違うことがある原因なのではという考え



鎧塚みぞれと傘木希美の話
対になるようにしている。
名前は、空から降るみぞれと、それを防ぐ傘になっている。

みぞとのぞ
大人しいと活発
無表情といつも笑顔
友達が少ない多い
天才と努力家
一人に認められたいと皆に認められたい



書くときに気にすること
・視点主の頭の良さ
（言い回しやその言葉を使うか等）
・視点主の目線
（見え方等）
・言葉とキャラが合っているか
（合っていないとボツにすることも）
・文章の固さ、間の取り方
（情景描写では間を取ることが多い）
読み飛ばされることは理解していて、三点リーダーを使っても時間経過を描写できるけど、実際何行か書くことで、読み飛ばされてもその分目線が動くことで物理的に間を取れる。



作品評価
五角形で構成、キャラクター、文章、売れ筋、ジャンル

良い作品≠売れる
悪い作品≠売れない
売れている≠良い作品
売れていない≠悪い作品
ではない。
何故そうなっているか、分析が必要。
面白いかどうかは自分がそれを面白いかどうかと思える視点や価値観が大事。
なろう系が好きでも、純文学が嫌いな人がいる。逆も然り。

Amazon等レビューを見て自分の考えが変わってしまうことがあるが、それは良くない。

売れているから嫌いという考えは良くない。ミーハーな方が売れているものについて理解できる。
流行りものでも、流行ってなくても自分の感性を持つことが大切。



最後にオススメ作（武田先生推し2作大、学生向け3作）
・凍りのくじら 辻本深月先生
・勝手にふるえてろ 綿矢りさ先生



以上で終わり、以下質疑応答（一部メモ）なし



・今後書きたいジャンル（別ツイート参照）

・難産だったキャラクター
田中あすか

・話に詰まったときの対処法
サイコロを振る。
TRPGのように偶然性に賭ける。そのままでは自分のパターン化されたものを書いてしまうため。

・ハマっている作品
武田先生のTwitter参照

・質問内容は失念
他人に期待しすぎない。
期待してできないとイライラしてしまう。それはイライラしてしまう自分が悪いだけ。イライラしてしまったときはできれば文字にして書く。
他人に期待しないことで、人間関係が良くなる。

ラスト、大学の先生の質問
何故高校は嵯峨野高校にしたか（当校するの（1時間半かかる）
大きいものはマラソンがないから。
他には図書室が広い、文芸部があったから。

以上、花束贈呈で終わり