『金曜日に君はもう来ない』を読了してしまったとしこばのオタク(ネタバレ)
私は、小鳩が死んだあとの俊月は本来の生活を続けながらもふとした時に小鳩の不在を感じてしまう程度のイメージしかなかった。もちろん、小鳩が死んだことに絶望感はあるしただただ悲しいという感情もあるけど、それでも俊月は生き続けるんだと思ってた。だから「金曜日に〜」を読んで純粋に俊月の脆さに驚いてしまった。脆い、というか完全に生への基盤がグラグラしている俊月。だけどもしかしたら私のそのイメージしてたものも、小鳩の死に対する俊月を纏まり良くフィクションでコーティングした綺麗な終わりを作り上げただけで、実際の人間はそんなに物分かりは良くないし潔くもない。生きる理由を失ったところで人生は続くし、なんの愛着もない世界で生きていかなきゃならない。
俊月の人生に於いて小鳩の死は物語の終了で、幕は降りたにも関わらず人生にはまだまだ続きがあるからその長いエピローグを小鳩なしで生きつづける。ドラマチックな終幕なんてそうそうないし、その終幕の先もみせてくれたこの話が私めちゃめちゃ辛いよ……(としこばのオタク)
ナオカレサイドのハピエンの反転ですよね
歳ちーに遺した独白と俊月に贈るプレゼント、
歳ちーは小鳩のそれを上手く調理してフィクションで包んで消化したけど俊月へのあれはもう呪いでは…?小鳩にすら自分無しで生きる俊月が考えられないのだから俊月がああなってしまうのもしょうがないか。お前が俊月の大切な歳華も料理も……テディベアを取り上げていったのにお前がいなくなった途端それらも離れていってしまう。大切なものと俊月の間には小鳩がいるってとこがもう俊月の全てに絡みついてる感じがしてホント小鳩……
それに小鳩の置き土産(というか犯罪の種)を発見した時の俊月は"生きてた"よね……あの話の中ので1番"生きた"俊月だった。小鳩の親友としての自分が一瞬戻ってきたような。
俊月が世界を好きじゃなくても、小鳩が語る世界は、小鳩が見る世界は美しかったから小鳩といるのが楽しかったんだろうな。でも小鳩がいなければそんな世界も見れないし…
多様性って言葉で生きていい理由を見つけたところであいつはもう死んでるし結局世界は好きじゃないんだよね。
小鳩に関して総括しても結局害悪としか言い表せないんだけどやっぱり俊月と歳ちーに対してそれぞれに特別な驕りがあって好き。歳ちーに対しては単純に愛情があるし世界一好きなのも分かる。だけど俊月に対してのそれは俊月→→→小鳩の感情に対する驕りなんだよな…。それを正解って言ってしまうあたり俊月は本当に救えない……
たとえ小鳩が求めてなくても俊月は小鳩が生きていい理由を探すし小鳩がいる地獄に追っていくよ……誰が死んだって誰が不幸になったって俊月は小鳩に生きていて欲しかったんだから自分が地獄に堕ちたって小鳩の下に逝くよ
はぁ〜〜〜としこばすきだ……