「アーガイル」を観た。
エリーが自身の人格や好きな物が刷り込みで作られた記憶だったと知り、断片を掴むようにして元の自分を思い出していくところ、
かといってエリーの時の全てが偽物だったというわけでもなく、本来の自分の部分もあった事、猫好きが残ったりと元の人格と混ざり合うような形で落ち着いたところ。これらはまるで、ノンバイナリーだと悟った時から刷り込みで選ばされてきたものを洗い出し、本来の自分を探しつつ、それはそれとして今の自分を否定はしていないという自分のように思えて、思わず重ねて観てしまった。
特にクィアリーディングというわけではなく、個人的な体験として重ねて観ていた。なのでレイチェルとエリーには親近感がある。けれど作風がスカッとしているので楽しい気分で観れた。
でもよく考えると、アーガイルとワイアットが実際はレイチェルとエイダンだからゲイな気配はあったし、煙幕の銃撃戦ダンスはかなりキャンプだったし、クィアな感じはちょこちょこあった。気配じゃなくて、正面切ってやって欲しい。悲しくない、楽しくて面白いガンフーなクィア映画かなり観たいよ。