金カム映画、何をどれだけ書くとネタバレ?という加減が判らないので、ネタバレと思われるかもなあと思う成分がある気がする感想はこちらで。
ツイートにも書いたけど、端的にまとめると「バトルアクションとドラマで見せるゴールデンカムイ」
・ドラマ成分はかなり原作に忠実
・戦争映画成分&バトル盛り盛り
・ギャグ成分やや控えめ
・グロ成分は絞りこんでる
(別に端折ってるところなくちゃんと描写してます、がPG12は体の切断面描写禁止である事、割とせわしなく動かす等ビジュアル的なグロ印象が強く残らないよう工夫されてるのでお子様連れでも割と大丈夫。なお耳には来る。)
・冒頭、初っ端頭上から降ってくるtdknボイスにうおおっとなる
(尾形でなくちゃんとナレーションの語りでした。声優さんすごいね)
・二百三高地は死体(役)の散りっぷりがウクライナの戦場と被るリアルさ
・戦場でどんどん標的を変えながら戦っていく山崎杉元の動き凄い
・砲撃の音が凄すぎて私にはちとキツいくらいだった
・そこから転じて北海道の山中にぽつねんと居る杉元の姿の寂寥感。映画版は冬の北海道の風景を背景にロングで撮った絵が美しさと寂寥感が迫ってて、そもそもGK冒頭部は素材として映画と相性が良いんだなと感じました
・ただ北海道場面は初っ端から固雪で、原作より季節が遅い風景に見えた。さすがにそこは贅沢言うなな話。
・登場人物(第七師団と脱獄囚人)はその都度紹介してくれる。人物紹介フォントがアニメ版準拠。
・山崎賢人の「俺は不死身の杉元だ!」声がアニメ版とほぼ変わらないですよ。
・見慣れた開拓の村の風景w
・見慣れた蕎麦屋とか銀行の場面もあったけどあれはロケでなくてセットだよね?
聖地で見た建物が聖地と違う配置になってるのでちょっと混乱します
・杉元入浴シーン、想像以上に体作ってました。さすがに原作杉元のバキバキ筋肉ではありませんが、ちゃんとメリハリある筋肉に程良く厚みのある皮膚が乗ってた。
・白石がホントに白石。
・あの時期の川に全身入ってちゃんと声の出せる役者さんすごいね!?
・鶴見中尉が原作に忠実に変態ですごくいい。
・ご尾どんは瞼の重たさが尾形似なのだな。
・ヒグマが凄くこえぇー!
・(追記)杉元も白石も尾形も、皆さん容赦なく実際に雪の斜面落ちてます。おかげで描写がリアルですがあれは本当に大怪我しかねないので感謝しかない一方よくぞ御無事で。
・月島の応答の仕方が月島だー!(最初からフルネーム紹介されると違和感抱いてしまう原作勢)
・二階堂の戦闘力が変態的にマシマシ。(映画化で馬ぞりシーンでも戦闘場面が増えた)
・鶴見中尉のターミネーター走りも健在。さすがに3回転はしてくれなかったw
・谷垣…は、ちょっと出番少な目。この場面としては原作より雰囲気柔らかめなのは、二瓶編以降のキャラに寄せたか。
・アニメでは端折られた故郷の梅ちゃんとのシーンが、アニメとは対照的なくらい充実。原作ではちょっとわかりにくかったのだが、やはりああいう別れ方だと梅子視点では「(杉元の本意ではなくとも、実像として)自分は杉元に捨てられた」だろうなあ、というのがわかりやすくなってた。
・原作時点での懸念材料だったアシㇼパの『チタタㇷ゚と言いながら叩け』が、”アイヌの風習ではなく、アシㇼパの家のルール(作品上の創作)”と作品内で明言されたのはとてもよかった。あれは各所で弊害が出てたので。
・一方で寅次が今際の際に明確に杉元に「梅子を頼む」と言っているなど、原作では”主観と客観”を分断する事で違和感を醸し考察の仕込みの種とされていた部分が、そういう違和感を抱かずに観られる形に改変。娯楽映像作品として、没入感を深めることを優先した作りにしていると思われる(ギャグシーンの温度差が少なめなのもたぶんそういう理由)。映像作品の特性を考えると、同様の変更は今後も続くんじゃないかなという気がする。
・エンドロール。スタッフ数がめちゃくちゃ多い。そしてアイヌ工芸家の皆さんの名前もずらっと並ぶ、裾野の広い作品作りだったんだなと思いました。
とにかく原作にもアニメ版にもリスペクトのある、どこから金カムに入ってても(また金カムミリしらでも)見て没入できる造りにしてあると思いました。その分ロケもCGもめっちゃくちゃ大変だったろうと思います。よくこういう形で完成させてくださった、と感謝いたします。