エピローグのベリルで魔女=妖精(大体一緒)とわかったわけで、もう一度振り返るとベリルって物凄くブリテンの妖精らしいんだよね。後先考えない欲望に忠実な行動といい、彼の原理が苦痛を与える事ならばモルガンがベリルに
国立殺戮劇場を与えるのも納得で、オーロラ同様ベリルが「そういう妖精(存在)だから」なんだよね。
彼らの有り様を変える事はできないってウーサーくんの毒殺事件で嫌になるほど理解させられたから。
「よりによって毒殺」というのはケルヌンノスの毒殺の事実を知ってるからこそ、モルガンにはもう彼らを「救うことは不可能」だとわかっちゃったからの、あの女王の対応なのよね。
だから、そこに「あるがままの妖精の醜さを持ちながら、在り続けられるように法を敷く」ことで彼らを一定制限して、あの國を保たせたんだなぁと思う。
だって、もし、その根底から変えられるなら、彼らは妖精ではない別の存在だし、その世界にモルガンは不要だからね。
モルガンの願望が、自分の居場所を得ることである限り、彼らの大半が他者を苦しめる事で成り立ってる妖精である事を認めて尊重しなきゃいけないんだわ。
だから、そんな妖精達を傷つけるベリルも否定しない。
それがベリルの魔女の裔、妖精の子孫としての在り方だから。
名無しの森で見たように、美しいものを、愛しいものを玩具のようにいじくり回して、引き裂いてしまうのも妖精の特質だから。
だからベリルが何かを傷つけたり壊した時、一切モルガンは怒らない。
それはベリルが「愛している」が故にやる事だと理解しているから。
それにベリルの性質を咎める妖精たちの事を見る目が冷たいのは、彼らがいかにしても今まで他者を愛もなく「玩具として」傷つけてきたか知ってるからなんだろうなと思う。
シェフィールドの攻撃も、あの時はベルリは何を考えてるんだ?と思ってたけど、今思うと単にモルガンのために動いているし、それでいてシェフィールドの事も好意的に評価してるしで
おそらく、ベリルにとってはあの妖精國は、全ての妖精を苦しめて、痛めつけて、戦乱を起こしてもイイと思えるほど「美しくて」「愛おしい」ものだったんだろうなと思う。
そして、同時にトリ子のことも利用して、何かしてるのかなと思ったけど
利用はもちろん、自分の欲望のためにしてるけど、同事に嫌いじゃなかったのも本当だったと。
トリ子の事を美しいと認めてたし、親密であったし、好意的に思ってたからこそ
「魂から腐って、痛みと恐怖と不信感から歪んで欲しい」
と思ったんだろうな……
あそこでトリ子を戦力として失う旨味は一切ないもんね……
そして、そこにはマシュが感じたのと同じぐらい「悪意」は一切ない。
トリ子が可愛そうだから、最強の術を教えるし
トリ子が可愛そうだと、愛おしさが増すから、どんどん状況を悪化させる。
トリ子が自分を好きだと好意を向けてくれれば、くれるほど、親しくなればなるほど、トリ子が結果的に苦しむようにする。
そういう性質だし、自分からトリ子には近づいてなかったのに、トリ子がな〜〜〜ベリルに自分から近づいてくから……
だからモルガンが最後に扉を蝋で塞いでどこにもいけないようにしろって言ったのは、トリ子の自由意志ではトリ子は破滅するし
ベリルの妖精としての性を否定して罰することもできないから、最善策だったんだなぁと思う。
ベリルに一匙ほどの人間のような功名心があってトリ子に何かしたなら、モルガンも罰せたんだが
そこにあったのは純粋な好意からくる行為だったから、何もできなかったんだろうなと思うのシンドいなモルガン……
ベリルと一緒にいる時のトリ子楽しそうだから止められなかったんだよな……(´;ω;`)ウッ…
そしてベリルもトリ子を気に入れば、そうしない事ができないタチだから絶対に幸せな結果を迎えられないという……
妖精の業よ……