kutulu「百合と蟹」 ネタバレ感想、クリアした人向け。
ネタバレ注意。できれば実際にシナリオを体験して欲しい!
ジョンで生還できるとはあまり思っていなかったのだが、結論から言うと生還できて嬉しかった!
百合と蟹、タイトルだけでは内容の予想は全くできなかったが、終わってみると百合と蟹としか言いようがなくてすごい。
キャラクターにあまり細かい設定がなかったので、その場でさいさんがバンドメンバーなどを作ってくださったのがとてもありがたかった。
仲間たちはサックスのダニエル、ドラムのエディー、ウッドベースのアミ。
1931年のアメリカで暮らすジョンの日々の描写は、思い浮かべることがとても楽しかった。
ボイストレーニングやバンドの練習にあけくれるジョンは、ある日メンバーに誘われて最近評判のシーフードレストランへと向かう。
料理の描写がとても美味しそうで、思わずお腹が空いた。
ここで頼んだイクラとイカのパエリアは自分の好物だったり。海鮮食べてえ~!!
和気藹々と楽しげな食事風景のはずが……忍び寄る異常な描写。
揚げられたはずの蟹が動いている……!?
仲間のダニエルの口からも蟹の生きた足がはみ出ている……。
しまいには床に蟹の大群が!?
しかし、周りの人は動じていない。
「自分の目に見えるものだけがおかしく、誰にも体験を共有できない」この感覚、もどかしい!
しかしここで「蟹が!蟹が!」などと騒いだら狂人扱い待ったなしなので、「疲れているのかな……」などと思いつつ大人しく食事を続けるジョン。
その後も定期的に夢とも現実ともつかない描写が挟まり、今が現実なのか夢なのか、プレイヤーも分からなくなっていく。
必死にメモを取りながら、状況についていこうと頑張った。
夢とも現実ともつかない世界で、瀕死の男から謎の百合のブローチを託されたジョン。
百合……あのレストランの酒のボトルに書かれていた紋章か……?
ふと気づくと、自宅の窓から飛行する謎の怪しい人々が侵入しようとしている!
慌てて自宅を脱し、手がかりを求めて真夜中にあのシーフードレストランへ。
レストランではオーナーとマフィアのボスが密談していた。
盗み聞きしていると、ボスに勘付かれてしまう。
ジョンはビクビクしていたが、ボスはどうやら話が通じるタイプのようだ。
ここ最近出会ったカタギではなさそうな人物達の特徴をあげていると、ブローチを託してきた人物に反応を見せるボス。
どうやら、その人物は昨日急死した「アニキ」の特徴に合致しているらしい。
ブローチはおそらく重要アイテムなので、見せる相手は選ばなければと思っていたが、ここが見せ所か!
ボスにブローチを見せたことで、ボスと共に敵勢力「蟹人間」に立ち向かうルートへ。
とんでもない話になってきたぞ。
なんやかんや冒険を繰り広げ、ジョンは「最後のダイスロール」と言われた重要な場面で普通に「敏捷」に失敗!
死ぬのか!? 蟹人間に足を挟まれるジョン。
しかし蟹人間は指示待ち人間、迅速な指示がなかったためぼんやりしている。
指揮者を倒せばまだいけるのか!?
指揮者の男の肺(声を出せないように)を狙って射撃! これが本当に本当の最後のダイスロール!
相手の油断を理由にボーナスをもらえたことで、射撃に辛くも成功! 肺に風穴を開けてやりましたよ。
安全な場所へと逃げ込むジョン。
目を覚ますと既に丸一日以上経過していたらしく、ボスはいなくなっていた。
ホテルマンから伝言を受け取る。
曰く、蟹人間はマフィアたちが迅速に片付け、ジョンの命を狙う者はいなくなったとのこと。
マフィア……仕事の速さがすごいぜ!!
トニオさん、協力金を要求してきてたけど、結局払いそこなっちゃったな。
そして場面は代わり。
「ジョンは、トニオをイメージした歌を作りました」
聞く人が聞けば誰をテーマにしたのか分かるであろうその歌は、そこそこ売れたらしい。
ジョンのもとに届いたいくつものファンレターの中には、謎めいた請求書が。
歌の原作者には相応の金を払うべきじゃないのか。
そんなジョークが添えられていた、請求書の送り主は明白で。
「ジョンは喜んで支払いました!」
バンドメンバーは、ジョンは騙されているんじゃないのかと苦い顔をしていたが、ジョンは満足げだっただろう。
このオチ、大好き!
最初は自分(ジョン)の身を守りたくて死物狂いだったけど、終わってみるとトニオさんも無事で良かったなぁと思う。
先の分からない一本の映画を観たような気分で、最高だった。
本当に楽しかったぜ!!「オーロラの祝福」も既に楽しみだ。