ガウひめ事後『星よりもあの人』
一夜を過ごしてる途中、星を見たひめ
青みかかった瞳が捉えたのは煌めく星が散らばる夜空と、星々の隙間を通る数本の流星の軌跡。
「おっ、また流れた。ねぇねぇがうまぁ〜流れ星だよ。めっちゃ綺麗だよ。ほら」
「くがぁ〜…すく…ぐがぁ〜!」
隣で眠る想い人を何度も揺するが一向に起きる気配がしない。そのお返しに凄まじいいびきが寝室のベッドの上で鳴り響いていた。
「もぅ〜こういうのロマンティックな雰囲気を2人で味わいたいのにさ〜。寝るの早すぎなんだよ。えろがうまぁ」
こっちがいくら愚痴を溢しても想い人の眠りが覚めることない。むしろ寝返りで何も着てない赤黒いキスの痕跡と引っかき傷だらけの背中を見せつけてくる。
「あ〜そうですか。がうまぁは私の身体にしか興味ないのかなぁ〜?ん〜?」
声が届いてないのを知りつつも、幼子のように、でも幼子よりもうるさく寝てる耳に問いかける。
「がうまぁ…私と私の身体どっち好き?」
「…ひめ…ぐがぁ〜」
「おっ!ふふっ…私も好きだぞ。がうまぁも、えっちながうまぁもどっちも…ふふ」
恐らく偶然返ってきた答えに笑みが顔から溢れる。
肌寒い夜なのに流れる汗は色気と艶めきを引き立てさせ、交わした口づけと営みの激しさを増した。
実は星が流れてる光景は既に見ていた。想い人に後ろから嬲られてるときから。
でも想い人の瞳のガラスに反射していたのは、常に私の顔だけ。
紅潮したときも、涙を流したときも、快感に悶えたときも全部見られていた。
「う〜やっぱ肌寒いな…」
掛けてる毛布の中を移動して想い人の背中に胸を押しつけて暖をとる。
「はぁ〜がうまぁあったかい…」
この体温を感じる度にこの願いを流れる星に捧げる。
この温もりが再び彼から失われないように。