水心子正秀には水神子と書くパターンもあるらしいのですが、今回の主役的な立場が彼だったのは、まさしく水を司るものとして、滞っていた物事に流れをもたらしたからなんだろうな〜って少し思いました。
#東京心覚 #ネタバレ
江はそれぞれ、豊前が風、桑名が大地、五月雨と村雲が文字通り雲と雨をあらわして、水の循環をあらわしていた。
思えば今回の出陣刀剣男士たち、みな名や銘に「水」に関連する語をもっている。三「池」、「江」、「水」心子、「清」麿。
名前のもつ力について幾度も語っていた今作なので、偶然ではないんじゃないかなって。
農耕において水は不可欠なことから、水神と田の神って同一視されることも多いので、江の循環で降った雨を水の流れにして、桑名くんの耕していた乾いた大地を潤した。
平将門に、道灌に、勝海舟に、問いを投げかけて、聞かれなければ秘められ続けていただろう彼らの心の断片を知る。そんなふうに、水心子は停滞していたものに流れをもたらしたのかもしれない。山吹の花に満ちたあの土地を見たのは、水心子と清麿だった。
清麿は水心子の「差し向かう心は清き水鏡」、そんな相手なので、水心子がまどったときも、清麿が水心子の居場所を見失うことは決してなかった。
二振りがそろっていたからこそ、「清き水に月は宿った」。三日月宗近の心を、彼らは見つけることができたのかな〜なんて、少し思いました。