キャメロット後編、関わってくださった全ての方々に感謝します。特に砂小原巧、土上いつき(みそ)、伍柏諭。この3人がいなければこの映画は完成しなかった。
ディズニー作品的な、キャラクター専属アニメーター制みたいなことがしたいな~とか思って
まあもちろん徹底できたわけではないけど、おおむね
トリスタン専属担当:砂小原
ガウェイン専属担当:土上
アグラヴェイン専属担当:伍柏諭
として、それぞれのアクションパートはコンテ演出一人原画でまるっとお任せ!みたいなノリで。
まあさすがに一人原画までは無理だったけど
(ちなみに同じノリで頼んだランスロット戦担当の古川良太さんはマジで一人原画。マジですごい)
それでも砂小原と土上はそれぞれ100カットぐらい描いてくれたし
伍柏諭は「自分はあくまでコンテ演出」と言い張ってるから実態はよく分からんけど
なんかいろいろ描いてたし、自分のパートほったらかして他所のパートにゲリラ作監キメてたり
(誰が描いたのかよく分からん謎の激ウマ修正がいつのまにか増えてる)、みんなほんとに頑張ってくれた。
頑張ってくれたとか上から物言いしたけど、実態は「みんなで作った」もので、誰が上とかもうなくて
「お前のパートはお前が監督。お前がやりたいことをやれ。俺は全力でそれをサポートする」って各自に言って
舞台設計、色彩設計、音響・音楽設計、全部任せて、だから後半は実質監督が4人いるみたいな状態。
俺はあの3人が何の制約もなく自由に作った画面が見たくて
「あの3人に制約を課さない」という制約を自分に課して、最後までそれを貫いた。
それが監督として俺が果たした最大の務めだったと思う。めちゃくちゃ大変だった。
すなこは舞台設計に凝りすぎてどこで何が起こってるのか全然わからんし
みそは自分のパートだけアナログセルタッチな色トレス処理入れたいとか言い出すし
伍柏諭は相変わらずすごすぎて誰にも理解できないコンテ描いてるし
お互いにやりたい演出がかぶって喧嘩するし、整合性は破綻するし
制作進行は疲弊するし、スケジュールは限界突破するし
でもそれら全てを超えてひたすら「繰り出せ、暴れろ」と言い続けてきた結果があの画面です。
本当にみんなお疲れ様でした。
あと、すなこに100カットやらせるのはさすがに無茶でした。正気の沙汰ではなかった。あいつの手の遅さ舐めてた。
みそは一人で260カット分の大ラフムービー作ってて、もうその時点で音がつけられるレベルで
画面のコントロールが尋常ではなかった。あいつはマジで天才です。
で、伍柏諭。アグラヴェインパートについてはもう語るまでもないが、俺が本当に感謝したいのはラストパート。
ラストパートは俺が自分でコンテ演出したんだけど
あの3人のおかげでぶち上がったハードルを超えるコンテが描けなくて、3回描き直してそれでもまだ足りなくて
どうしようかと頭抱えてたら伍柏諭が「俺がレイアウトでアイデア足してやるよ」って言ってくれて。
ハイジの宮崎駿やパト2の今敏みたいなレイアウトシステムを急遽とることにして
俺のコンテを元に伍柏諭がラストパート130カット全てのラフレイアウトを切ってくれた(自分のパートほったらかしで)。
だからラストパートは「コンテ演出:バリキオス、画面構成:伍柏諭」みたいなことになってて
獅子王戦に入ったとたんキャラの顔がみんないきなり超絶かっこよくなってるのはそのせいです。
本当に伍柏諭には助けられた。あいつはマジで天才です。Go Hakuyu is GOD.
あとふせったー初めて使ったけどこれ便利ですね。あとでまたなんか書くかも。