スパイダーマンNWHの完全ネタバレ感想と、(大したことじゃないんだけど)ちょっとだけ、ちょーーーっとだけ引っかかったところのメモ。叫んでおり、うるさく、そして長い。
■叫び
だから言ったじゃん!!!
大抵のオタクが言ってたじゃん!!!!
「予告で“全員は救えない”とピーターが言ってる時点で彼が犠牲にするのは誰かってこと、そしてタイトルがノー・ウェイ・ホームだってことを併せて考えれば、ピーターが悲しいことになるのはもう決まってません???嫌だが???????」って!!!!!
言ったじゃん!!!!!!!!!!!!
うわああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!!!
■からの、噛みしめる““”良さ“””
でもめっちゃ良かった…………。
おれもうトビー・マグワイヤの顔みた瞬間よくわかんなくなっちゃってさ……………気づいたら眼鏡はずしてハンカチでめっちゃ目頭押さえてたんだよね……涙止まらなくて……。
ヴィラン全員助けて元に戻すとか普通に泣くわ…スパイダーマンの原点すわ…ホームカミングでトニーが感じた風がもっと力強く吹いたわ…。
「別の」MJの落下を受け止めて微笑むアンドリュー・ガーフィールド、おだやかな顔に戻ったウィレム・デフォーの隣で笑うトビー・マグワイヤなんて、まさか見られると思わないじゃないか。要所要所でおいおい泣いたわ。オタク殺しか。ていうかよくこれだけの役者揃えたね????出演料すごいことになってるよね???映画見て泣いてる最中でも「いくら掛かってんの?」って思っちゃったよ。いくら掛かってんの?役名と役者名ごっちゃになっちゃうよ。
あの激動のMCUの中にあって、3部作を子供から大人への道のりとして良くこれだけ綺麗にまとめられたなっていう点と、あとトムホのシルエットがさすがに高校生は苦しくなってきたのもあって、絶妙なタイミングでのシリーズ完結で本当によかった。
と言いつつ、MCU見てなくても、スパイダーマンだけ追ってれば普通に楽しめるのもよかった。
■思い出す良さ
・「緑の精霊みたいな」笑うわ(そいつ最凶ですよ)
・「真水? 塩水?」
・ジェイミーフォックス、やはりうるさい(すき)
・ネッド「ピーター」ピーター達「「「はい」」」オタクが観たかったやつ~~~~~~~~~!!!!
・ウォンに叱られるのが嫌なドクター
・子供はサーと呼べ、大人はかしこまるな、なドクター(だから最後は…ヴェッ(えづく音))
・泣くトムホにはドクターも勝てなかった
・ていうかドクター、ドジっ子すぎん?
・もはや紫の宇宙人呼ばわりが安定してきたサノっさん
・ブチギレたピーターめっちゃ怖くて、トムホさん演技うめえなとおもいました(なんて失礼な感想だ)
・歴代ピーターズを無理にCGとかで若返らせてなかったのめっちゃ良かった
・良さしかねえ
・キリがねえ
■ところでヴェノム
まさかとは思うけど、これからヴェノムとの因縁やったりしないよね?
あの二人(エディとピーター)が恨み恨まれの関係になるの見たくないんやが……ヴェノムちゃんはシリアスからは距離を置いてほしい……ひたすら暴れて困ったワンコしててくれ……
■暑苦しいトニーへのメッセージ
トニー、君の屈託はこの子が溶かしてくれたよ。背負わせまいとして守れなかったと悔やんでいるかもしれないけど、この子はとても強くなりましたよ。もう彼はあの頃のきょとんとした高校生じゃないよ…強いよ……ヒーローになることを自分で決めた、強いヒーローだよ…………見てるか、トニー……ヴェッッッッ(えづく音)
キャップの盾がスパイディたちを受けとめたのも心憎い演出でしたね…。
前からずっと言ってるけど、シビルウォーあたりのぎりぎりの緊張感、トニーとキャップの軋轢で流された血から生まれた子供がトムホ版ピーター・パーカーだと私はずっと思ってて(ship的な意味じゃないよ)、ピーターがトニーの道を行かず、ただ僕は「フレンドリーなお隣さん」になるよと決めたことこそが血が流れた意義だったし、この子が未来そのものならそんな素晴らしいことはないと思っていたので、こういう帰結を迎えて本当に本当に嬉しかった。
……すみません、本当にどうしてもダウニーのトニーにはずっと思い入れが……強くて……………すまん………
◆で、引っかかったところ
cureとかfixって表現がちょっとだけ怖かった。
大前提として、映画版スパイダーマンの敵は基本「不本意ながら」敵側に回った人たちなので、今作にかぎってはその「不本意さ」を修正する手伝いをするよっていうニュアンスなのは理解できるんだけども。
でも、もし心底やりたくてやっているとしたら、それって許されることじゃないよね…。例えばこの敵陣にミステリオがいただけで、この作戦失敗しちゃう。それでも押し通そうとしたら、ミステリオの感性そのものを変えなきゃいけなくなるでしょう?そういうところの危うさを抱えていると読めなくもないなって。
私自身、薬を飲めば社会に適応しやすくなる事実を抱えているので、(たぶんこの映画で気にする部分ではないのだろうけれど)ここはちょっとだけ怖かったです。
まあ、そういう、他人を矯正できると考えた傲慢さも含めて、このピーターはとても大きな代償を払ったんだよっていうことなのかもしれないんだけどね。
ただ、ほんとうにちょっとだけモヤっとしたという事実を、メモ的に残しておきたいなっておもったのでした。
■おわりに
はあ、泣いた。
泣いたけど「元に戻してくれえ」とかこれっぽっちも思わないの、すっげえ良くできてるなと思いました。
自分の持つ力を自覚しないまま取った行動が、とんでもない事態に発展したとき、初めてピーターは自分の身に起きていることを我がこととして引き受けたわけで、そこでようやく自分は何をすべきなのか考え、彼は彼の思い描くヒーローになることを選んだ。ここにきて初めて、彼はようやくスパイダーマンになったともいえる。ここから始まる。
だから、ラストの「ひとりぼっち」は絶望感がない。震えるくらい孤独だけれど、彼には大切な記憶と、大きな意思、目的がある。
だから、これでいいと心底思える。悲しみの中の希望の光の美しさ。トム・ホランドだからこそできた清冽な強さ。「なかったことにはできない」痛みを知り、傷が残ることこそが生きるということ、傷そのものがその人を形作るのだと知ったとき、人は大人になる。
RTAとか言われるくらいテンプレ化していた「大いなる力には、大いなる責任が伴う」が、こんなふうに観客にまでリアルな説得力をもって届いた演出は今までなく、そこも素晴らしかった。
あ、それとメイおばさんのところで映画館全体の空気がおいおい泣いてて、隣のお姉さんも後ろの高校生三人組も前に座ってたおっさんも、とうぜん私も声を押し殺して「ヴェエエエ……」って泣いてて、映画館っていいなって改めて思いましたね。おれ、たぶん一人じゃ耐えられなかったよ。
いつもは映画と自分だけになること求めて映画館に行ってるけど、こういうありがたさもあったんだなって思い出せてよかった。
あとねえ、やっぱりウィレム・デフォーは最強。
最強なんだよ。