週末にスパイダーバース2観てきたんですが、マイルズが「お前はスパイダーマンになるべきでは無かった」と叫ぶ敵対者に抗う物語で、完全に「改変するな新ヒーローでやれ」と叫ぶ人たちとの戦いのメタファーの物語である事が全開で最高でした
アルティメットスパイダーマンでのマイルズの登場と継承、映画スパイダーバース一作目の公開、ゲーム版スパイダーマン:マイルズ・モラレス…と、これまでマイルズが主役を演じるたびにマイルズやクリエイターに対して投げかけられてきた「ピーターでやれ」だの、「既存作品を改変するな」だの、「別のキャラにするなら新規ヒーローでやれ」だののバッシングの言葉。 それに敢然と立ち向かい、確固たる意志とテーマをもってスパイダーマンの精神をマイルズを通して描き、希望を与えたい、勇気を与えたい受け手の現在と未来のために新たな物語を作り上げていったクリエイターたちとマイルズ・モラレスというキャラクターを讃える最高の映画だったと思います。
「カノンイベントを変えてはいけない!カノンイベントを起こさなければ次元の危機が起こってしまう!」という話も、ミゲルがそれを語り始めた当初は一般的な予定説・宿命論に抗うことがテーマなのかなと思っていると、マイルズの蜘蛛の正体が判明してからは
カノンイベントを強いるスパイダーソサエティによるマイルズへの攻撃は「原作を改変してはいけない!新キャラクターや新展開なんてことをするとコンテンツが滅ぶぞ!」と叫び新キャラクターやレガシーキャラクター、新しい展開を作り出すクリエイターをバッシングする人たちの比喩であることが分かっていき、それに抗うマイルズを通して新たなクリエーションの可能性と希望を見せていく作りでビビりました。
このテーマはスパイダーマンのみならず近年公開された様々なコミックや映画、ゲーム、ドラマなどコンテンツ全体にも力強い勇気を与えるものだったと思う…非常に良かったし、続きを見届けねば。