カヲシンの民によるシンエヴァ感想①
※パンフバレあり
まずは完結ありがとうございます。
エヴァという作品に出会えてよかったです、制作に関わった全ての方に感謝。
私はQ公開当時中学生でした。序破を金ロで観てカヲルくんカッコい〜って思って(すぐカヲシンの存在を知って)その足でQ観に行きました。そしたらカヲルくん死んじゃったので、困ってテレビ版と旧劇を視聴。
以後貞本版やその他スピンオフを履修しつつ、カヲシンに完落ちしたオタクです。エヴァ歴は浅いです。9年。
本題入ります。Twitterと違って、キャラ呼び捨てで書いてます。主に@tosで呟いてたのをまとめました。他の方の感想や考察を読むにつれ色々感想が変化したので、その辺整理した上で書いてます。
【お通夜期】
シンエヴァ視聴後すぐ、私は絶望感を抱いていました。私の好きだったカヲシンは、シンエヴァで全く違う関係性のフェーズに移行してしまったと感じたからです。
カヲルとシンジは幸せを自分の手で掴むことになったので、もうカヲルはシンジを幸せにしなくてよくなっちゃったのです。もう二人で二人ぼっちの世界に引きこもることもないでしょう。カヲルの無償の愛はシンジではなく、己に向けられることでしょう。
自立した二人が、今まで多くのカヲシンの民が解釈してきたカヲシン(二次創作)のように、二人で一つを選ぶでしょうか。共依存に陥るでしょうか。
さらにこの時点ではラストシーンのカヲルとレイをカヲレイ(カップリング)と認識してそこにも悲しんでいました。
ユイがレイのオリジナルならば、恐らくカヲルはゲンドウのオリジナルで(シンジの「カヲルくんは父さんに似てる」発言からの解釈)、ユイとゲンドウの夫婦の形をカヲレイで表現していると受け取っていたためです。
カヲルにゲンドウを見出したということから、カヲシンは実現しないのだと捉えました。極め付けにシンジはマリ(=大どんでん返しのヒロイン枠)の手を取ったと。
カヲルの無償の愛は闇の中ならシンジの救いになりますが、シンジは自身の力で光の中に飛び出してったのでもう救いにはならない。自分で自分を救えてるから、いらない。
シンジのカヲルからの卒業。同時に、カヲルもシンジから卒業してしまいました。
共依存や片方からの無償の愛を軸にした「これまでのカヲシン」はどれも二人の本当の幸せじゃないと公式から示されてしまったのが悲しく、やおいの者(※私は腐女子をこう表現しています)の「これまでのカヲシン」は喪失されるのだと考えました。これがお通夜期。
【卒業式期】
ひとしきり悲しんだ後、やおいの者も、彼ら二人がやったように、カヲシンという関係性の認識を改めればよいのかなと感じました。
カヲシンに幸せになって欲しかったけど、二人はカヲルとして・シンジとして幸せになるルートに行った。「これまでのカヲシン」とは異なっていても二人(一人と一人)の幸せとしては正解です。
そこで色んな方の(主に53民)感想を読んでいるうちに、「これまでのカヲシン」は喪失したのではなく卒業していった(昇華された)のだと捉え直しました。
正直「これまでのカヲシン」は主にやおい者の考えるエモーショナルで不健全な側面と同時に、いわばネタ要素としての側面もなかったでしょうか。
特にスピンオフ作品ではカヲルからシンジへの揺るがぬ矢印が強調され、「カヲルはホモ(※普段私の使わない単語です)」「公式BL」みたいな言葉が生まれる元にもなっていた。
シンエヴァはそれらに終止符を打ってくれたように感じました。これはすごく時代に即していて、令和の今だからこそできたことかなと思いました。
シンエヴァは「これまでのカヲシン(今更だけどQも含まれる。シン以前の全てのカヲシン)」の卒業式だったのか。ということに気がついたのでお通夜が終わりました。
しかし卒業もお通夜ほどでないにしろ悲しみを伴うものです。
特に私は闇寄りのやおい者なので、カヲシンの幸せを願う一方で、エモーショナルで不健全なカヲシンも愛していました。
言わずもがな庵カヲ・貞カヲ・Qカヲは死んでしまうし、公式スピンオフで描かれてきたカヲルとシンジの関係性も「二人の世界」系が多いですよね。共依存や心中が似合う切ないカップリングだと考えています。
旧劇の「そこにいたのカヲルくん」がはちゃめちゃに好きでした。
そんなエモ・不健全カヲシンが全部否定されてしまったことが切なくて、けどもう以前のカヲシンに戻れないことが悲しくて。
例えシンエヴァが今までのエヴァシリーズ全てを補完する正史として描かれていてもこれまでのエモ・不健全カヲシンを愛し続けることは可能です。
けどシンエヴァのカヲルの在り方は、あまりにも正しかった。エモ・不健全じゃない幸せを目指す二人(一人と一人)について、あまりにも解釈が一致してしまったのです。
私がこれまでの公式の情報を元に私が想定できたのは「カヲシンの幸せ」で、「カヲルとシンジの幸せ」ではなかった。カヲシンに二人の幸せが内包されると思ってた。でも違った。そして今、それに納得してしまっている。卒業式を受け入れようとしている。
正直、序破Qの公式は材料をちゃんと散りばめてくれてたと思います。
Qパンフの石田さんインタビューでカヲルくんが動揺したのは初めて〜って話があって。シンは初めて泣いてるし、なんかその辺で謎多き「シ者」じゃない、「人間」寄りのカヲルくんの示唆がされてるかな?とも思って。
私は卒業式を受け入れつつも、まだ踏み切れずにいました。だってラストシーンはシンマリでカヲレイ(私の見方だとゲンユイでもある)だったから。カヲシンの未来が見えないから。ここからどうやって立て直すんだ。二人が結ばれることはないじゃないか。
私が卒業(それぞれ自立して一人で幸せを探すカヲルとシンジを受け入れる)と留年(これまで通りエモ・不健全カヲシンを愛し続ける)の狭間でうだうだしていると、シンエヴァラストシーンについて私と違った解釈で捉えているカヲシンの民を発見しました。
死ぬほど長くなってしもた。
カヲシンの民によるシンエヴァ感想②
に続きます。