#少女都市からの呼び声
あれかな、これかな、あれ心に残ったな、いやこれはまじでわからん───。というような考察にもならない感想をまとめました。URL先ガッツリネタバレです自衛してください。
●プーさんの悪夢
中盤まで観劇していて「あ、これプーさんが見た夢に似てる」と思いました。風邪をひいて寝込んだ夜に見る夢もエヴァ最終作品を観ていた時も「はあこれプーさんやんけ」となったので正直この感覚は自分ですら信じていませんが。。ズオウとヒイタチ(ゾウとジョークグッズをドッキングした趣味悪い見た目の「ズオウ」とイタチも同じような見た目で「ヒイタチ」)がプーさんの大好きなハチミツを奪ったりプーさんにイタズラをしかけて笑いものにするという最悪な悪夢です。夢って願望の表れだったり自分が心の底から忌避していることをまざまざと叩きつけてくるよねって思わされる。畸形嚢腫(後述)摘出手術により生死の境をさまよった田口が見た夢もそういったものだと仮定してみてもいいのかもしれない。終盤で目覚めた田口が「仕事が出来なくなったら困る」と真人間のようなことを言っていましたが、序盤の夢の中では「職場の金をちょろまかした上にクビ、現在無職、という事を隠そうとする、妹が職に就いている状況を喜ぶ、わーいパチンコ!」みたいなクズ性が垣間見えます。夢は願望の表れ…わたしも上司の金で焼肉食べて仕事辞めてボートレースだけやっていたい…そういうこと?こういう細かいところも田口の願望やら忌避していることが現れてるのかなあ、これは何回でも観て確認したい。
●ブラックジャックのピノコ
双子として生まれるはずだった姉の体のこぶ(畸形嚢腫:きけいのうしゅ)の中に臓器や手足等がバラバラに収まった状態で18年間過ごし、ブラックジャックにより摘出されさらにBJの神の手により人の形を得て生まれた子(神の手すぎる)。18年間もこぶとして姉の体に居残り続けられたのはピノコ自身の強い念「摘出後に処分されることを拒否する気持ち」があったためである。BJの初手含めBJにたどり着くまでにこぶの摘出を依頼されてきた医者達はことごとくこの念に手術を邪魔され続けていた(ファンタジー)。
田口の中で髪として存在し続けた雪子(畸形嚢腫はほとんど人体の全てが残っているものじゃないのでここはかなりリアルに沿っている表現、ピノコも臓器と手足以外に顔とかは無かったからBJが作ったよ)、劇中は終盤まで雪子が田口から指をもらったことを田口自身が思い出せないでいること(雪子の存在を思い出せない=存在していたことを否定されているような状況?)を恐れていた雪子はまさにピノコを彷彿とさせた。手塚治虫がピノコについて描いたのは1968年、少女都市からの呼び声爆誕1985年、、うーんこれは参考にしましたよ的なあれなのか、こんな感じで繋いでいいんでしょうか。繋いだとしても舞台演出すべてを理解することが難しいけどこのままこれを前提に考察します。ここまでで生まれた矛盾:私たちが見た雪子と田口が夢で見た雪子は同一人物なのか。もうわけわかんないよ…。だって田口の夢の中で登場人物がこの辺鄙な夢に対して「周りをよく見てごらん、ここは無い世界さ」というようなセリフを吐いているんだもん、なのに田口が目覚めたあとも田口に観測されないまま自分を覚えていない田口を恨んでいる言動を取り続ける雪子。はわわ?もうわかんないよ…。つまり雪子は、雪子という概念は田口の夢の中だけの亡霊みたいな存在ではなく本当に存在していた?そして雪子が完全に事切れたのが田口が親友の恋人に「いつ結婚するの(うろ覚えなので意訳)」と聞いたシーンですが!うーーーん、観劇した方ならおやおやと思っていたかもですがやっぱり田口の中には有沢への恋心があったのか、あったと思えるっちゃ思える…、もともと田口は有沢と恋人がいちゃつくのをちょっと邪魔してたりしたらしいと具体的に指摘されてたしなあ。つまり失恋=雪子という田口の中にあった少女性の死なのか🤔田口が目覚めたあとも田口自身が完全に失恋確定宣言(いつ結婚するの)を唱えるまで恨みを吐き続けた雪子、田口の中の少女性の葛藤だったのだろうか…、もうわけがわからないよ。
●性行為
たぶん何度かこれ性行為を匂わせてるなというシーンがありました。なかには匂わせの後わかりやすく露骨に言及してくれるシーンもあり、同日観劇の学生FFが「親と観に行くけど大丈夫かな…」と不安になっていたことも思い出して特に心に残りました…。ガラス瓶を棒でシュッシュッシュッシュッつつきまくるシーンの直後に雪子(生殖器がガラスでできている)から婚約者へ「抱いて寝ても私は〜」と性行為があったことを示唆するシーンがあるんです。PG12ですらお手上げの民なので頭を抱えました。無邪気で執念じみた少女性と頭を抱えてうなりたくなるいやらしくて直接的な男視点の表現がある夢…田口お前どんなメンタルで生きてきたんや…。
ここまでまとめてやっとパンフレットをちょいちょい読み込みました。(対談ページはちょっと割愛しました)しょっぱなにある唐十郎さんの抄録は芸術やら表現やらなにも分からない自分が読んでも全く分かりませんでした。
演出の金守珍さんによると
・「いないもの」の話だけど「もしかしたらいるかもしれない」ということを創造力でおぎなえるのが唐ワールド!
・唐さんの作品では常に堕胎された子供たちが叫び声をあげている、満州に取り残された棄民たちは日本という母国の堕胎された人々でもある!
うーんわかった!!!(わからない)
パンフレットを読んでさらに分からなくなったこと↓
●フランケ
田口の夢の中で雪子の婚約者として登場し何度も何度も田口が雪子を連れ出す場面で邪魔をしていた男。こいつまじでなんだったんだろう。雪子は3本の指を手に入れられるまでは出られないと言い田口から指をもらいます。1本目は勇気、2本目は情熱と名付け3本目は約束(田口と雪子が逃げる約束)ですが3本目をもらいうける直前でまたしてもというか最終手段(銃撃)により邪魔をします。そして現実の世界では「おしめをした男の幼児」として出てくる、なんなんだなんの意味があるんだ、もうなにもわからない。
●子宮の涙
ってなに…。いや生理か排卵のことなのかなあとは思ったんですけど金守珍「最後はおよそ15万個の美しい子宮の涙が溢れますからそこも楽しみにして頂きたいですね」えええ、なに?確かに綺麗だったけどなになに???
パンフレットにあった言葉
「唐十郎の脳内をパカッと覗いて見ない限り、アレとソレがなんでそうなるのか、どこまでも奔放に飛躍する言葉とイメージは遥かに遠く、少女都市を彷徨うばかり」
ぼく「うんうんほんとうにね」
パンフレットにあった言葉続き
「ならば、金守珍が言うところの「誤読のススメ」に従って唐十郎が紡ぐコトバのカケラに身を委ねてみれば、不思議と迷子になるのも心地いい。」
ぼく「うんうん…え?」
わからないままでもいいの????
オタクはすべてを理解したくなる生き物なのに