【アンソロ原稿に関する騒動について思う事】
今年の夏に発行されたTGアンソロの件で今回個人的にも思うところがあったので、界隈の末席ながら少し書いてみます。
11/2、アンソロ告知垢から謝罪が出ました。参加した自分も心当たりがある為、当事者だと認識しています。
当時同一主催で3冊同時進行で、私もそのうちの1冊に参加させていただいていました。
他の方に比べると軽いですが、私も今回の改変(と呼んでいいのか)を受けた1人です。
この文章を出すにあたって、まず『私は主催個人を大々的に責める意図は今も後も一切無い』事をご理解頂きたいです。
私個人の、もやもやを吐き出す為の行為だともご理解いただけますと幸いです。
【はじめに】
今回の騒動を知ったのは流れて来た某参加者さんのふせったポストからです。不要な記号の挿入、認めていない改行が複数あったとの事。
拝見した時に唖然としました。これは私と同じような(さらに酷い)人が他に居たのかという驚きでもありました。
発行直後、ページの編集ミスの告知が有りましたが、それ以外は何もなかった記憶ですので、余計にそう思ったのかもしれません。
その後もいくつか改変があったと声を上げられたポストも拝見しました。私が確認したのはいずれも小説勢でした。
今更なんで言うのか、と思われる方も居ると思います。でも原稿を作った側としては、ずっと口を噤んでいるのもやはり辛いです。
貝になれればよかったのですが、今回だけは言わせて下さい。我慢が出来なくなった、という事です。
【発覚経緯と当時の思い】
私が参加していたのはアイマヴェのアンソロジーです。10pほどの小説を寄稿しました。
手元に献本が届く前に友人が購入してくれたものを先に見る事ができ、中身を確認した際に提出原稿との違いに気づきました。
初見は『...ん?』という違和感だけでしたが、よくよく見れば普段気をつけている文字の並びが崩れている上に、文字がいやに大きく、スマホに保存していた原稿データと照らし合わせて初めて分かりました。
1行当たりの文字数が変わっていました。
出来上がったもので初めて知るというのは、同人制作ではよくある事かもしれませんがショックでした。
これは文字書き特有の事かもしれませんが、ページ一枚の中の文字の並びなどこだわって作っています。例えばなんですが《次の行に2文字だけ渡る》などは特に見栄えや読みやすさが気になるので回避していました。それが全て台無しになっていました。
でも完成品となってしまった時点でどうにもなりません。文字構成がダメになっただけで、話自体は読んで貰えるなら別にいいやとその時はなんとか納得しました。
また、当時TLには豪華なアンソロが出ると楽しみにしている方のお祝いポストが溢れている上に、大仕事を終えたばかりで安堵しておられる主催さんに指摘するのも憚られて、結局何も言わず終わりにしてしまいました。
この時の心境としては、原稿を作ったのは自分だが、大変なその先の編集等を主催さんに丸投げしている身なのだから大きな顔をすべきでは無い、と言った気持ちが強かったです。
今思えばこの考え方もおかしかったなと反省しています。優劣をつけるべきではなかった。
【不信感】
ちょっと愚痴っぽくなってしまいますが書きます。あとから色々思い返せば不信感が湧く事象が多かったです。
一番は『経過報告が無い』でした。原稿受領と誤字確認のメールは確かに頂きました。とても丁寧な文面でした。しかしそれ以降何ヶ月もアンソロ進捗は音沙汰が有りませんでした。
専用サイト、アンソロ垢があるにも関わらず、更新が殆どない。かと言ってメールで知らせがある訳でもない。主催さんの個人垢で話が出てた、なんて事をフォロワーさんから伺うという状況でした。
今どうなっていて、目処がどうなっているか位は何かしらの手段(サークル機能や一斉メールなど)で参加者宛に月一でもいいから都度教えて欲しかったです。告知垢やサイトを何度も確認しに行って収穫無しは何もかもが見えてこなくてとても不安でした。
本自体の発行が不明なまま進捗報告が何も無い中、突然『素敵ノベルティ出来た!』というポストが主催個人垢に出た時は、何で今それなんだよ、もっと言わなきゃならない事が他にあるでしょ、と思ってしまいました。
いや、ノベルティは素敵でしたよ。喜びいっぱいで皆に見てもらいたいという気持ちもわかります。でもそうじゃねぇだろ、という気持ちが大きくなり過ぎていました。
あとちょっとした事ですが、知らない間に締め切りが延びていました。しれっとサイトの表記が訂正されているのを見た時に必死で締め切りに間に合うように調整してた分呆れてしまいました。それも専用サイト・アンソロ垢・メールでの告知や報告は無し。もしかしたら何処かで主催さんが発言されていたかもしれませんが、私は知らずじまいでした。
頻繁にやり取りをするほどの仲では無かった(TLに個人垢のポストが流れてくるのを見る程度)ので、今は仕方なかったとは思っています。
【改変と原因判明】
提出した原稿は主催さんが用意してくれていたテンプレートを埋める形で作成していました。
以前参加させていただいたアンソロの時に『作業環境等でレイアウトが崩れるなどこちらとそちらで見え方が異なる場合がある』と教えていただいた事があったので、原稿データと一緒にこちらの想定している見え方見本のPDFを念の為つけていましたが意味が無かったです。
文字の並びに到る細部までが計算されている、というのは文字書きの暗黙了解なのかもしれません。相手も分かっている、これがそのまま完成品になると思い込んでいた私が短慮だったと思います。
実際は謝罪文にあったようにページ数の大幅増加でテンプレ自体が使えなくなり、急遽主催側で直して入稿したようでした。これがレイアウト崩れの原因だった訳です。
理由を今回初めて聞いて、そりゃ大変だったな...と思っています。本当にお疲れ様でした。
でも、その理由を知って許せるか?と言ったら、ちょっと...無理です。
当事者と個人間で謝罪のやり取りをしている、と書かれていたので、おそらく冒頭で書いた方の事だと思います。
え?じゃあ申し出て無い人の事は認識してないのか?と思ったので、これを書いています...。
騒ぎになって謝罪が出た訳で、騒ぎにならなかったら多分出てないですよね。出ない事で、私は今も原因を知らぬままでいたかもしれない。
ご本人が問題が一部の声を上げた人にだけ降りかかっていると認識しているのか。
いやいや、テンプレート使って出した人全員に起こってるってわからないのだろうか???
寡黙は美徳でもなんでも無いな。
問い合わせがなかったから?言わなくていいと思っていたのか?なんで黙ってたのか?隠したかったのか?など暗い疑いばかりが浮かんでしまいます。対応自体人数が多いと大変だと思うので、ちょっと可哀想だとは思いますが。
テンプレートが使用不可になったなら、その旨を教えて欲しかった。使えないならレイアウトが変わる、とこちらは気づきますから何かしらの手を打って結果が変わっていたかもしれない。
いい事では無いですが、事後報告も出来た筈。それなら、見た時のショックも小さかったのに、と思ってしまいます。
今更済んだ事を責めても何の解決にもならないので、成ってしまった事実については飲み込むしかないと思います。これは済んでしまった事。二度と他で起きなければそれで良いと私は思っています。
【主催さんへの気持ち】
流石に私のこの文章はご本人は読まないと思いますが、書きますね。
今は辛いお気持ちでいらっしゃると思います。
謝罪というのはとても多大な気力を使います。
最初にも書いた通り、主催さんを強く糾弾するつもりは全くありません。むしろ今矢面に立っている状況を危惧しております。
匿名というのは時に酷く残虐で、心を壊されないようにご自愛ください。どうかこの件以降は心穏やかに過ごせる日がありますようにと願っております。
元々文字書き専門の方ではないようですので、個々のこだわりなど知らなかった、というのはあると思います。が、だからと言って確認も許諾も無しに通してしまった事は悪手でした。一部でも他人の作品に勝手に手を入れてしまうのは簡単に許される事では無かった事は忘れないでいただきたいです。
受け取ったものは(誤字があったとしても)作者にとっては手を掛け時間を掛けた大切な完成品である訳ですので。敬意を払っていないと思われても仕方ないです。
たかだか趣味の同人で偉そうな、と思われるでしょうが、ものづくりに携わる者なら不完全な作品が形になる事の悔しさは皆持っていると思いたいです。
焦っていた事は度重なる謝罪からも承知はしていますし、実際私生活も仕事もご病気もあってとても心配していました。
時間がない、手が足りない、ならば、唯一発行日未定で一番手がかかるであろうアイマヴェアンソロの企画自体を一旦凍結するなり、誰かに助け(手伝い)を申出る事が出来たらよかったのではなかったのかと思ってしまいます。
アンソロで飯を食っている訳でも無いのですから、事情を話せば分かってくれる参加者は沢山いたと思います。
普段から『私がやります!と誰よりも先に颯爽と手を挙げる意欲の持ち主』と拝察しておりました。それは私には眩しいくらいで、いつも凄いなと感心しておりました。今回は意欲だけではカバーしきれないキャパ以上を抱えてしまったのだと思っています。
向けられる謂れない悪意は流して下さい。過度な攻撃からは身を守って下さい。でも、この一件はどうか忘れないでいて下さい。
お願いします。
【自分の気持ち】
残念な事ではありますが、私は今回のアンソロの自分の作品は話の内容はさておき、失敗作と捉えています。それを数多の目に触れさせた事が悔しくてなりません。
今この場で言いますけど、そりゃ発覚時に大きな声で悔しい!悲しい!と皆に向けて叫びたかった。
わー!凄い企画に参加できた!皆に楽しんでもらいたい!!という高揚感は今も無いです。
主催さんと同じように仕舞い込んで全く読んでいません。
出来れば当初考えていた個人的に完璧な形で再発表したいです。まだ再録許可の期限を迎えていないので、それ以降考えたいです。
大切な作品の一つです。整えてやった綺麗な姿でお嫁に出したい、という親のような気持ちでいます。
今回、私自身も色々と反省点はあります。安易に参加した事、何故自分から都度問い合わせなかったのか、原稿を引き上げても良かったんじゃ無いか、なぁなぁにして来た自分にも責があるんじゃ無いか。忙しいであろう中、余計な手間を取らせると遠慮した事が悪い方向に向いたと考えています。
今となっては《たられば》です。
この事を以後の教訓にしようと思います。
今後は時薬が効いてくるを待つしか無いと思います。
今月のオンリーに向けて複数のアンソロ本発行があるようですので、TG界隈がまた賑やかになっていくのを楽しみにしています。
ここまで読んでくださった方、お付き合いありがとうございました。
(※11/3訂正。当初ここに書いていた騒動の予想時系列はやはり私の邪推でしかありませんでした。当事者様よりご指摘を頂き、主観まみれで不正確な情報を載せていたと判断しましたので一文を削除させていただきました)