第5話冒頭、大変なことになってしまったアジラフェルの書店の中で叫ぶクロウリーの話。 #グッドオーメンズ
消防士から止められても燃えさかる建物に当たり前のように入っていっちゃうのは悪魔だからともかくとして、業火の中、必死に叫ぶクロウリーがほんとにもう切なくてですね。
"Aziraphale, where the Heaven are you, you idiot?!"
(アジラフェル、おまえ一体全体どこにいやがるんだ、この馬鹿!?)
おわかりでしょうか。「一体全体」ってオーバーに強調する言い方で"what the hell" "where the hell"っいうのはよくお聴きかと思うですけど、彼、"where the heaven"って叫んでる。ヘルじゃなく。
"Aziraphale, for God's, or for Satan's!! Ah, for somebody's sake, WHERE ARE YOU?!"
(アジラフェル、神の名にかけて、ああ、サタンでも、とにかく誰の名にかけてでもいい、おまえどこにいるんだ!?)
すごくないですか。悪魔であり堕天使である彼が、神でもサタンでもとにかく誰でもいいからって叫んでる。ただただアジラフェルの存在を探してです。
6000年来の付き合いで、初めてアジラフェルの気配をこの地上で感じなくなった彼の恐怖を思うと、それはもう。
アジラフェルの店に向かうベントレーの車中でも、店内でも流れているクイーンの名曲"You're My Best Friend"。「ベストフレンド」に向かって語りかけるこの曲は、ベストフレンドという表現で見落としがちですけど、実はクイーンのベーシストであるジョン・ディーコンが「愛する妻に向けて」作ったものです。
6000年の間、たまさかに会っても、たとえ会わずに長く離れていても、常にクロウリーがその気配を感じ続けていた相手を必死に探し回っているときに、この選曲。
"you make me live(君が僕に生きる力を与えてくれる)"と繰り返すこの曲がここで流れるですよ。
なんてこと。