「このテープもってないですか?」の考察だ。ネタバレ含む長文になる。
作中に登場する怪異?の正体は水子の霊で「暗がり」を子宮に見立てて潜んでいるという外郭は初見でもなぞることは出来た(続く)。
構成に関わってる梨さんの既存作品はそこそこ読んでるんだが、氏の作品の方向性からするに、この怪異?に狂わされた人間は、怪異である赤子の霊が無事子宮から「出られるよう」に思考にバイアスがかかる(耐えきれなくて発狂するのか?)。
でも、ラストの病室の描写から、取り憑いた人間(男女問わず)から生まれ落ちるのかも知れない。
各話の描写を拾ってみると、第1話の、怪異の発端となった方向音痴の女性は既に取り憑かれていて、子宮内で死んでしまった赤子が「どこから出れば良いのか分からない」ことのメタファーか。
第2話の「暗がり」については、ダイレクトに怪異?の存在を示していると考えられるが、同時発生していると考えると怪異?は無数にいる可能性もある。水子の霊なら全て同一の子どもって訳でもないだろうし。
第3話の引きこもり男についても、あれも怪異?に取り憑かれてしまっていて、子宮の外に出るのを拒んでいるのかもしれない。返事がノックだけってのも、壁を叩いて子宮内から返事をする赤子のメタファーだよな。
しかし、そうなると第3話冒頭の黒いシミがうまく接続しないんだよな。出産時の破水を表しているのか?所々に入るスプーン曲げのおばさんやセミの脱け殻を食べるおじいさんは意図的に混ぜられたノイズってことで片付けたいが……。
しかし、ビデオを通じて伝播するんだから、よほど強力な怪異と見える。水子の霊はたちが悪いというのが相場だからなぁ。
見落としないか確認のために二週目行きたい気持ちもあるが、怖い。
おしり。