5/8 回替わりソワレ
繊細×大らかの相性美味しいな………って真顔になって見ちゃった回でした。歌唱とお芝居の両面で。
まず基本的に、先攻浦島くんがとにかく繊細で華やかで目と耳を惹いてくる。
最初のナナナーナ ナーナンナァーー…の横顔から張り詰めたように強張ってて、目の伏せ方や眉の下げ方、指先の表情まで綺麗。
ロングトーンの最後にだけ小さくビブラートかけるアレの、涙声を震わせる少年感ずるい。
対して後攻桑名くん、「show me...」とかを着実に奏でにはくるけど、ドラマティックな演出は控えめの素直な歌い方だったと思うんですね。
そこからクライマックスに向けて盛り上がるにつれ「逃げ切れるならどこまでも↗ぉ→ぉ↘」で彼自身も華を見せてくれる感じがいい。
声質の澄ませ方もよく聞くと浦島くん寄りに軽め・明るめになってて、デュエットとして聞きやすい。
悲劇に打ちのめされて翻弄される浦島くんと、その情感に寄り添う桑名くんのバランス、ちょっと予想してなかった方向に楽しかった。
これが例えば、同じくらい繊細で密度の高い変化突っ込んでくるパートナーだったら繊細×繊細で「やかまし!」ってなっちゃった気がするし、膝丸楽の加州や鶴さんみたいな圧の強いパートナーだったら、繊細×強烈で、せっかくの硝子細工のような歌い方を台無しにしちゃったと思うんですよね。
大らかだけど雑でも鈍くもない、っていうあの塩梅ならでは。
こう……昔の少女漫画で天涯孤独の主人公がつらい目に合ってるときに、ミステリアスで何考えてるかわからないなって思ってたクラスメイトが「逃げちゃおうか。こんな街」って手を差し出してくるみたいな。
村正派悲劇や兼さん伽羅ちゃん悲劇とまた別タイプの、印象的なドラマ悲劇だったなあ。
このあとの化学反応も楽しみだなー!