「無題 Untitled 完全版」の公開中止と、現行版の公開について。それに踏み切った理由と、今後について。
#CoC無題
月末に公開予定だった「無題 Untitled 完全版」は、公開を中止することにしました。
それに合わせて現行版の「無題 Untitled」を公開させていただきます。
現行版と完全版には、それほど大きな差はなく、一点の大きなルール変更のみを含めるつもりでした。
追加ルール
・本シナリオに関しての、あらゆる形式でのネタバレが許可
・ただし本シナリオ内容の、その全てを掲載してしまうようなネタバレは極力避けていただく。
・代わりに、本シナリオに関しての「嘘のネタバレ」の、その全てを全面的に許可する。
・ネタバレを掲載する者は、自分の思いつく限りの虚偽のネタバレをして良い。演出や、登場する神格、果ては使用した探索者なども全て偽って良い。
・これには酷評や注意喚起なども含まれ、本シナリオを「悪質で、非公開にすべきシナリオである」というような内容も全て許可される。
この「嘘のネタバレを掲載する」ということで、未だ本シナリオを未通過の方は、どのネタバレを見てもシナリオの実態を掴む事はできなくなります。よって、本シナリオが持つ「人を誘い込むトラップ」にかける事ができる確率を引き上げる事ができます。
また、生還した方や未通過KPのためにシナリオを読んだ方でも、同様にこの「虚偽のネタバレ」を掲載すると言う形で、間接的に本シナリオに参加する事が可能となります。
こういった意図で組み込み、先日サーバーで先行公開しその掲載に踏み切りましたが、批判的な意見が集中し嘘のネタバレはほぼ掲載されないという状況になりました。
そこで私は偽物の注意喚起アカウントを作成し、特にシナリオ内容の危険性を示唆するような発言を繰り返し行いました。これは先日問題になったシナリオで発生した事例の模倣であり、そういった「捨てアカウントでの告発」のようなものの信憑性を疑わせたい、というような意図がありました。
しかし、これは実際問題そういった捨てアカウントでの告発で心を痛めた方への配慮に欠けた行為であったと認識しております。大変申し訳ありませんでした。
これら嘘のネタバレの掲載について、本来のシナリオ内容が不透明になるばかりでなくそういった注意喚起ですら内容が不透明となり、かつ当事者にとっての苦い記憶を蘇らせてしまうものになりうると判断し、この追加ルールを削除、現行版を無題の最終版とすることを決定しました。
ただし、こういった問題が発生してしまったのはあくまで「嘘のネタバレ、注意喚起を許可」というルールを盛り込んだ完全版での話であり、現行版の無題に関しては今現在でも賛否両論、意見が非常に二分した状況が続いています。
また、完全版の配布がなくなったことで現行版を未通過でプレイすることも難しくなってしまうため、この現行版はこのまま公開するべきだと判断いたしました。
興味のある方は、これを機にシナリオに触れてみて、このシナリオが持つ悪意性について考えていただけたらと思います。
なお、現行版での「誓約書」はこれまで通り利用いただきたいと思います。誓約書の撤廃についても完全版での変更点であったため、あえてこの点はこのシナリオの「欠陥」としてこのままここに残したいと思います。
●今後について
今後、こちらのアカウント及びオカロカ名義での執筆活動を止めるかどうかは現在も決めてません。基本的に名義変えをせずに今日までネットでの活動をしてきましたので、できればこのままの名前で活動を継続するつもりです。何より、私の作品作りのスタンスが合わないとブロックをしてくれた方々へ、あらぬ事故を起こす可能性も考慮しています。
そして、今回の一件は私自身にとってもとても大きな勉強になりました。たとえ作家が「悪意を表現しよう」という意思を持ってやっても、結局そこに含まれる悪意性は、確かに作品と作家両方のものとして受け入れられてしまうのだと言うことがよくわかりました。
常にプレイヤーをあっと驚かせる方法を考えてきました。そのアプローチにはいろんな方法があるだろうという試みで、今回は「全力で悪意的な行動を持ってしてそこに悪意を注ぐ」ということに心血を注ぎました。この点に関しては、後悔はありません。ただそのアプローチの仕方が間違っていました。
何より私の見通しの甘さが招いた事態ではあります。このシナリオで、するはずのない不愉快な体験をした方には深くお詫び申し上げます。
そしてこのシナリオを応援してくれた皆様。本当にありがとうございます。このシナリオをこんなに応援してくれる声がよせられるなんて、思ってもみませんでした。
論理的な批判をきちんと述べてくれた皆様にも、重ねてお礼申し上げます。ただ頭ごなしに弾劾するのではなく作品としてかくあるべきという事を語ってくれた方々へ、改めて感謝します。
大した意味はないかもしれませんが、今後はこんな悪意が含まれた作品作りはしないとお約束します。今後もきっとシナリオ作りは続けますが、このように人に悪意を振りまくような形での物作りはぜったいにしないし、したくないです。
このシナリオをきっかけに私を知ってくれた方々へ、少し時間はかかるかもしれませんが今後は、もっともっと違うものを作っていきます。楽しみにしてくれたらと思います。
「無題 Untitled」へ、たくさんの意見をいただきありがとうございました。
オカロカ