#白銀の竜と楽園の少女 ネタバレあり感想 3000文字強とかになってしまったがまだゲーム性部分を絡めたキャラ個別の言及は別に書くつもりなんだよな(
クリアした今ゲーム全体を振り返ると、1章のマップのけして昼間のように明るくはないが恐ろしい夜のような暗闇でもない
幻想的できれいな印象が、そのままゲーム全体の印象とマッチしていたな~~と思った。
個人的にはこういうのを「自己紹介がうまい」と思っていて好印象。
すでに呟いているけど、拠点での会話画面で画像表示機能を活用して、この会話に登場するキャラクターを示している形式は非常に良かった。
各キャラのミニキャラを全て画面上に置きつつ登場する人をカラーにして強調する形式なのは、単純に登場する人の画像を出すのよりもかなり効果的に見栄えを良くしていたと思う。ただちょっと枠自体が明るすぎるせいかカラーになってるキャラの強調度が足りないかも?とは感じたかも。
その他、拠点画面の魅せ方やキャラクター・用語解説の画面構成など細かいところのデザイン性などが非常に好印象。WEBデザイナーをしている方と知ってすごく納得した。
こちらも総評でも述べたけどキャラクターの過去には昏いものが多かったり、性に関わる話題もたびたび出てくるがその割に露悪というか陰惨さや淫猥さに印象が寄っていないのは
デフォルメ調のキャライラストもあるけれど、最終目的が最序盤にはっきりしており、そこに向かって前向きに、前に前に進んでいるお話なのが大きいかな~とか思った。ハーピーの末路など哀しいイベントもあれど、旅の「当事者」にあたるレイちゃんが一貫して明るく、自身が製造された兵器だと知った後でも(もちろん、アイリスはじめ旅の仲間が居たからではあるだろうが)絶望して父を名乗っていた存在に対して最後の希望のように縋り付くようになってしまう事などなく、「なぜ、そう語り呼び掛けてきたのか知りたい」というスタンスを取ったのも、「お話が進むほどもっと何かを失いそうだ、何か嫌なことが起きそうだ」みたいな雰囲気にならずに良かったと思う。
そういえばメルムはなぜお父さんを騙ったのだろうか。お兄ちゃんなら概ね嘘ではないのに(
やはり自分が親という存在を渇望していたからこそ、ならばレイも親を騙れば必死にここまでやってくるのではないだろうかという目算だろうか。
あるいは単に兄弟という存在が知識や感覚の中に存在していなかっただけなのだろうか。
前者とすれば、エルメスの罪というのは自分ではメルムやレイを造ったこと自体という認識をしているが、レイちゃんが純真で善良に育っていることを考えると、本当の罪はやはりメルムを子のように愛さなかったことになるのかもしれない……いや、生物兵器作ってる時点で罪なのは間違いないんだけど。ていうか、メルムの時点でそうしていたら逃がすために託す相手もいなくて生物兵器として成功しちゃって結局制御装置で操られるバッドエンドかもしれない 結果論だけど……
そしてアンゲルスの頭目はテンプレのような自ら起こした化物にやられる小物ムーブ 自分に逆らえない存在に囲まれ続けて反逆の可能性が頭から飛んでたんだろうか。
物語の結末も、何か大きな富や栄誉を得たわけでもなく、小旅行が終わったかのような雰囲気で1話のすべてが始まった場所に帰ってきて終わるのも
1話のどこか閉塞感のあったアインス、切迫し逃げまどっていたレイとアイリスの状況との対比として、穏やかに、安心と幸福、希望を感じられるのもとても良かった。
いやまあ、何か大きなものを得たわけではないとは言ったものの、普通にタチ悪い組織のアンゲルスがおそらく壊滅(頭も主力も失い、しかもそれを清濁併せ吞むタイプの大組織の長であるノアが把握してるんだから、残党も含めてすっかり養分にされてそうだ)したのは間違いなく大きな事なんだけれど。
でも逆にそのことで帝国軍のほうに危険分子として狙われたりするだろうか……?アンゲルスと帝国軍の情報の共有具合次第?レイに逃げられた事自体それで失態扱いされるの嫌いそうだし伏せてそうで、だとしたら軍側は「突然代表のメトゥスが失踪 何があったのか聞こうにも主要幹部等も死亡していて何も分からない」となっているのかもしれない。
これからきっと暖かな日々が待っていることを願いたい……でも次作で50~70年後には再び戦乱に引っ張り出されることが確定してしまったアインスくん
最初このツイを見たときはおいおいレイちゃんはどうしたんだよ~~~~~~他の女に目移りかァ~~~~~?と思ってはみたものの
どうもレイちゃんは老いることはなくても長命ではなさそう(竜化で削れるしなんなら短命)っぽいので……あっ……というか他の仲間たちももう……?確実に寿命を迎えてるかは怪しいラインだけど。 メイリンは子孫っぽい感じの子が登場予告されてるしうるせえ占いババアとして出てきたりはしそうだけど イシュエルもアネモネの人体実験のせいでうっかり人間やめて生きてたりして。
そういえば、ゼノの性異常について。
アイリスは無性だけど水着スチルだと結構胸があるように見えるのは「生殖器が存在しない的」なニュアンスで胸はそれなりにあるんだろうか、それともパッドというか、見栄えがいいように胸部が厚みがある水着を着てるんだろうか?あと、サブイベントでメイリンのセンサーがレイリスには反応しないくだりがあったけど、アイリスにはベタベタだったのは「ついてる」のがメイリンのセンサー的な基準なんだろうか。ハーピーにはどうだったっけ?敵対しててそんな話するタイミングなかったから特に言及してなかった気がするけど、仮に判定取るならメイリン的にはどうなんだろうか。
特に好きなキャラクターはレイちゃんと……アネモネ(小声)殆ど出番ないけど見た目も一番好みだしこういう方向のヤバい女が好きだから……
イシュエルのが3つ上の幼馴染なのにあの関係性なのは面白い ある種のアネモネの甘え方?それとも単に性格の相性か。もしくはイシュエルも彼女ほどではなくともわざわざ(怪しい)とつくような錬金術実験が好きなあたり、ふたりの師の影響があったりして。
レイちゃんは出自とは裏腹の明るさ、純真さ、優しさ、そして言うべき時にはっきり言える芯の強さを持っているところ。この辺はこうやって記号的な記述をすると「明るく優しい純真で、それでいて芯が強いヒロイン」と"よくある"属性になってしまうのだけれど、ストーリーへの言及で既に書いた通り、昏い過去や残酷な現実が広がる中で中心人物の彼女が、(自身が人造の兵器であると分かった時ですら!)明るくいてくれるから、プレイヤーも前向きな気持ちでゲームを進められるようになっていると思う。アイリスの暴走の後のシーンとかが好き。激しい感情を見せるのではなく断固とした態度で休ませるところとか。
まとめに入っていくと、BGMの選曲なども合わせて一つの「作品」(あるいは「世界」と表現してもいい)の纏まりがとても良かった。
いわゆる「万人向け」かというとシナリオや設定などに合う合わないはあるかもしれないが
既にTwitterもといXで呟いてるように、「作る人」にはプレイしてみてほしいという気持ちがある。
体験版が出た時はちょろっと1章を触って、マップグラフィックは美しいけどそれ以上にはピンと来てなかったのだけれど
完成版が出た時にたまたまプレイしようという気になって1章後の拠点で「ちょっとこれはすごいかも」と引き込まれた形なので
気分の巡り合わせみたいなものでプレイすることができたことに感謝したいと思います。
素晴らしいゲームをありがとうございました!