@tos 金糸雀の欠伸 Part6 もし志摩くんがまた罪を犯したら(続き)※下品注意 現行・未通過×
「パブロフの犬というものを知っていますか?」
「餌を与える時に毎度鈴の音を聞かせるようにする。
すると鈴の音を聞いただけで餌がもらえると勘違いして、勝手に口が唾液を分泌し始める。
溢れてだらだらこぼすようになるんです。
『条件反射』と呼ばれる無意識下で起こる現象です。
犬に起こるこの反射は私たち人間にも備わっているそうです。」
「ねえ志摩さん。
あなたは今まで多くの女性を組み敷いてきたと伺いました。
あの教団に所属していたのも、自分の欲望を発散するのに都合が良かったからだと聞いています。
法や倫理をものともせず、何人も子をなして、一度刑務を終えて出てきてもなお、
またあなたは繰り返した。
さぞやあなたの衝動は強いものなのでしょうね。」
「私はあなたに後悔してほしいんです。
その強い衝動を持ってしまったことを、男性であることを、
私の娘に手を出したことを、私と関わったことを。
この世に生まれてしまったことを。」
「ただ切り落とすのではもったいない。
貴方自身から『切り落としたい』という言葉が聞きたい。」
「手も脚も口も使えず目も見えない。傷の痛みで身じろぎをすることもできない。
食事も入浴も排泄も一人でできない。
でもあなたはそこだけは健康だ。
どれだけ昂ぶっても、たまらなくても、ひとりで慰めることができない。
するためには私の手を借りなければならない。」
「嫌ですよねぇ。
誰が好き好んで中年男性に触られたいと普通思いますか?
でもあなたは普通じゃない。
人一倍大きな性欲を持ちながら、
道路に落ちてる吐瀉物のような惨めな姿でこの暗闇に囚われている。
娯楽もなにもない、食欲も睡眠欲も十分に満たされない暗闇の中では、
ここへの刺激と快感がどれだけあなたの救いになるでしょう。」
「喜んで手伝いましょう。
触れながらあなたに語りかけましょう。
はじめは頑なかも知れませんが、一線を越えればきっともっと欲しくなる。
色々なことをしましょう。試してみましょう。
私が居ない時間が耐えられなくなるくらい、恋しくて狂ってしまいそうになるくらい、
たっぷり構ってあげます。
あなたが依存し、縋り、私に触れられるのを望むようになった時には
私の声を聞くだけで反応するようになっているはずだ。」
「あなたを誘拐し、
犬以下の食事しか与えず、鼻以外をガムテープでぐるぐる巻きにして
下剤を挿れてオムツを履かせて
ろくに暖房器具もないこの部屋に硬くて冷たい床のまま首輪でつないで
ごみくず同然に転がしている。
あなたから自由と尊厳を奪い、呻く汚らしい肉塊にした。
そんな憎くて恨めしいはずの私の声を聞いて
餌を待ちよだれを垂らす犬のように
この粗末なモノを屹立させてだらだら零すようになるんです。」
「無様ですよねぇ。」
「大丈夫。あなたを絶対に死なせたりしません。
共に暮らしましょう。二人で。どちらかが破滅するまで。」
「これからが楽しみですね。」