サークル”青雲アステロイド”さんより『幻想物語寄稿集 金』の感想です。
時間も文章も長くなって結構疲れちゃいましたが頑張って書きました。
読んだ方のみどうぞ。
1 みずなみ様著『to boldy go』
東方において魔理沙ほど強い子はいない、そう思います。
自分の弱さを自覚して頑張って虚勢を張って、頑張って力を付けて、頑張って、頑張って。
神社で霊夢に言ったことはいつも心のなかで考えていることなのでしょう。
そこですぐに折れることなく努力を続けられるのがやっぱり強いな、と思わされるのです。
諭す霊夢の一言一言に「それな!」という同意しか出ない。
魔理沙の折れる姿には魔理沙の『普通』を感じる一方、弱さゆえに強くありたいという意志、願いの強さを感じられる作品でありました。
2 五十嵐月夜様著『実録!人形の館 被害者の男が語るには・・・』
一文目から「あっ(察し)」が入りました。
入りがマッドパーティだったのでなんとか生還できるかなー、と思ったのですが普通の魔法使いさんと違い甘くなかった。多分種族の違い(適当)。
曲の方にノックの音など効果音がリンクしているので合わせながら読んでみました。
最初の重苦しさから追われる場面のパニックな感じ、ラストの雨の音までリアルにまるでホラー映画を見ているようで非常に楽しく読めました。
3 満足ひろpon様著『眼差しは地に咲く華となり』
鈴仙の罪の形の描写がきっつい。
そんな『Cruel CRuEL』からちょっと軽めの空気を挟んで『貴女を幸せにするために』へ一気に落とす流れは見事。93頁目でいきなり雰囲気が変わった場面では鳥肌が立ちました。
最新作の紺珠の薬も絡めて、『なかったこと』にしてはいけない、と自分の意志をスペルカードとともに高らかに宣言する姿はまさに主人公。
心の強さを描いた王道でしたが一転二転する雰囲気に驚かされ、読ませる作品でありました。
4 涼名様著『いつかあなたと旅するために、私がしなくてはいけないたったひとつの重要なこと』
パチュリー視点魔理沙とともに図書館を観覧しているよう。楽しい。
基本的に会話文ですが地の文ででるパチュリーの内心がカワイイ。個人的に新聞紙への考え方がお気に入り。「偽りのない読み物などけして面白くないじゃない?」
ホンノタビビトだけかと思っていましたがまさか最後にR.I.Pを持ってくるとは思わなかった。
ところでヴワルの話が結構具体性を持っている印象を受けたのですが元ネタあるんですかね‥‥‥?あるとしたら『ラクトガールは八度死ぬ』だと思うんですがいかんせん読めてないので‥‥‥もしそうなら5次創作か‥‥‥
5 浅木原忍様著『名付けられた幻想』
歴史書のような形で「リゼッテ」を追った作品。こういう作品を読んだのは初めてなのでこういうのもあるのかと感心しました。
最後の「アリス」の持ち主はRDさんだと思い込んでいたので女性という情報が出た時「ん?」となりましたがまさか砂鉄の国と絡ませてくるとは‥‥‥天晴。
数世紀の重みにプラスして砂鉄の国もあること考えると「―許さないからね。」の重みが全然違って感じられました。
6 はーしぇん様著『早苗と紙芝居とロープウェイ』
早苗さんのはっちゃけっぷりを全面に出した作品。
ロープウェイ開通の年数と幻想入り時女子高生ということを考えると最低でも22くらい‥‥‥?早苗さんはもう少し落ち着こう(提案)。なんだかんだ職人気質な小傘ちゃんはカワイイのでそれでよし。
紙芝居の中身はまあ早苗さんらしい話でありましたが早苗さん本人が演じるとどうなるのか、ぜひとも聴きたくなりますね。絶賛女子高生のあの子の感想は‥‥‥これの前の曲がアレなのもあって聞きたいようなそうでもないような‥‥‥
7 桶住人のmist様著『夢のまた夢』
なんとなく渋谷のスクランブル交差点って魔法陣みたいだなぁと思う時があります。実際東京はまるごと大きな結界になってるなんて都市伝説もあるくらいで。
そういう幻を見ることもよくあることなのです。
そんな幻の話をしながらもリサもはたも完全に現実に足をつけているのがちょっと悲しいな、と思いますが、私達もそうしないと生きていけませんからね。だから「ハロー、マイフレンド。」っていう一言には憧れとか、諦めとか、決意とか、すごく色々な感情が詰まっているのを感じるんだろうな、と思います。
あくまで日常を描いた作品ですがその裏の感情を色々考えると非常に面白い作品だと思います。
8 とものは様著『正義の味方』
正邪が小槌に生み出された命という設定、面白い。
自分の存在意義を根底から揺さぶられることを言われても最後までアマノジャクであった正邪はやはり正邪だな、と思いますがちょっと哀れだなとも感じてしまう。
小槌に帰っても使われることを熱望している意志を見ると‥‥‥ねぇ‥‥‥
できれば小槌に帰ってもアマノジャクであって欲しかった、と思わなくもないです。
9 みの様著『刻まれた物語』
みんな大好き蓬莱人形。やったね。読んでいる途中で『葬迎』の手拍子が聞こえます‥‥‥
「ボク」が徐々に追いつめられていく感じが伝わってくるような緊張感。一幕の最後の文章までオチは『葬迎』と変わらないながらも、「ボク」の内心が見えることで新たな絶望感が見られました。
その忘れえぬ物語を覚えている幻想郷の記憶。できれば次の物語は安らかなものであって欲しいと願います。
10 卯月秋千様著『コインの行方 ~ Whereabouts of coin(s)』
卯月さん最高。
ゲームセンターの歴史をたどっていく物語で、東方キャラは一人も出てきませんがそれでここまで魅せるストーリーを書けるのは凄い。
幕を経るごとに投入されていくコイン。最後の一枚。ネームエントリーの部分では思わず涙がこぼれてしまい。
「祈りは御礼」。その言葉を胸に、私もコインいっこ、投入してみたいと思います。