映画金カムちょっと語り。山崎佐一について
たぶん思いついたらその度伏せで垂れ流します。
映画版の山崎賢人の演技は、セリフの語りがボソボソとしてて、原作やアニメと比べると温度が低い。原作版に比べてちょっと陰キャな杉元佐一。だけど、それを戦争の場面から始まるあの映画の物語の中に落とし込むと、それが”戦争で心に傷を負った男”という背景と相まって「あ、杉元佐一って本当はこういう男だったのかも」と思わせる、リアリティというか説得力を発するものだったように思う。少なくとも原作を読んだ上での違和感は、全然なかった。
とある批評家の方が「山崎さんは戦場で目をかっぴらいて人殺しをしている場面より、悲し気に目を伏せている場面で狂気を放つ演技をされる方」と評していた。それを狂気と言っていいかどうか私にはよくわからないけど、彼の演技は”生きるためには殺さなければならなかったけど、殺さなければならなかった事は悲しい”という杉元の抑圧されたバックグラウンドが引き立つものだった気がする。
山崎氏の演技がそういう解釈に基づいているのかどうかはよくわからない、素でやってるのかもしれない。
でも”原作の完コピ”なのが良い事ばかりではなく、むしろそうではないからこそ、杉元という人物像が引き立つ演技というのもあるんだなあと振り返って思った。