山田玲司のヤングサンデーがさらざんまい回になるということで、一話を見ての私見や考察をまとめとく
現段階で普通に見てれば伝わるメインテーマは恥も欲もさらし合おうということ。河童と男の子たちの物語ということで、おそらく裏テーマは男性性
男性性喪失と、そこからの再出発だと思う。
かつては男はサムライと呼ばれ、男性性、女性性というものがこの社会を覆っていた。しかし今はジェンダーフリーが叫ばれ、女性の社会進出が進み、もはや男性は女性を守る必要性を失った。
河童とは、水子、間引き(捨てられた子供たち)が伝承になったものであり、平家の落武者伝説と合わさっている地域もあるという。
河童といえば特徴的なのが皿とその周辺に生えた髪だが、あれは落武者の髪とよく似ている。男性性の象徴である髷を失った落武者と、生き方のモデルケースを失った現代の男とは重なっていて「俺たちはどう生きるか」迷い悩んでいる。
つまり、これは男の生き方についての物語でもあるのだ。
だから主人公の女装がバレる一話っていうのは素晴らしいスタートだと思う。
さらにさらに言うと、この作品にどことなく漂う女性向けっぽさは、かつてのサムライとサムライの「つながり」とリンクしている。
かつてサムライは、弱さを受け入れ合うことによって、戦場で背中を預け、戦果を検分し合い、戦国の世を生き抜いていた。過酷な時代を生き抜く男同士のつながりとして、かつてあったもの「衆道(男色)」の精神も関係してくると思われる。
強くあるために、弱さを分かち合う。それがこれからの生きる道だと、そう伝えたいんだと予想。
それ以外にも、
なぜ浅草なのか……江戸時代から武士の給料だった米を銭に替える札差という職を中心に栄え、その後も映画、観光業、裏浅草は風俗街と、昔から欲望を搾取し続けてきた街だから
猫ばかり集めた男(簡単にイイネを集められる動物)が欲望を搾取され、スマホに魂を吸われる……本当に動物への愛でやってるの? ただイイネが欲しいだけじゃないの?
という意味での「欲望か」「愛か」
などなど、とにかく情報量が多すぎる。特に重要なキーポイントは上記の通りだと思うけど、外れるかも。外れて欲しい。上をいって欲しい。
まあ、だがテイザーPVを見る限りこれだけでは終わらない。
「つながっているけど、ひとりなんだ」
このフレーズについてはまだヒント不足。あるいは考察力足らず。でも、ただつながればいいわけじゃないこともこの作品で示してくれたら嬉しい。
自立と、つながり。
つながりだけでなくこの二つを両方、同じ物語で語ろうとしているなら、凄い。これからも目が離せない。