宣戦布告、そして大戦の幕開け
しゃみさん卓。
ソードワールド2.5のメモ書き、第14話。
前回(https://fusetter.com/tw/bD61BjMi )
【14話】
・導入:流派入門
ダークドワーフの鉱山を救った後、各々は流派に入門して技術を学んだり、個人的な用事を済ませたりして過ごしていた。
中でも特筆すべきはイズが入門した流派である。
その名も悪逆蛮王剣。
かつてオーガの騎士、オーガオーバーロードが配下たちの武術を統合し教えたものだという。
蛮族領の流派、習得すると名誉点が減る。
筋力を習得要件とするこの流派への入門にあたり、ダークドワーフのおじさんたちと腕相撲をすることに。
イズが力を籠めたら、めきょっという音がした。
「あっ」
「……いや、どうということはない。だがこれ以上勝負できんの」
「3回勝負じゃありませんでしたっけ?」
「次はワシじゃ!」
3連戦、3連勝。
最初の2人は腕が折れた。
「やはり、悪逆蛮王剣を継ぐのはおぬししかおらん。うちの曽祖父ちゃんがな、戦場で武功を立てた時に、その時の大将直々に教わった流派じゃ。継いで、くれるな?」
「は、はあ……。まあ、使えるものであれば」
現在習得できるのは「渾身断頭ルイゾン」。全力攻撃Ⅰの置き換えである。
ダメージ+8、回避-3。強い。
「今の君を見たら亡き当主様はどう思うだろうね……」
「守るために必要な力だったのだなと言ってくださいますよきっと!」
・導入:ダークドワーフの集落
そんなこんなでイズには、しばらく蛮族領にあるダークドワーフの集落を拠点とする必要が出てきた。
「私、色々教えてもらえるみたいなので、ちょっと泊りがけで行ってきますね!」
「えっ、それは大丈夫なのか?」
「なんてったって私たち家族なので!」
「まあ良い人そうでしたから、悪いようにはされないと思いますけど……」
「イズさんが向こうを悪いようにしないか心配なんだよ。送迎するか……?」
「ところで、その間おぬしも覚えんか? 蛮族流派」
「僕は別にいいかな……」
「ううむ、覚えんかあ……。見込みがあると思ったんじゃが」
(隣でうんうん頷くイズ)
「さりげなく失礼だな」
他の面々も時折、ダークドワーフの集落に遊びにおいでと言われ、食事をご馳走になったり荷物の運び入れを手伝ったりしている。
これは子供たちと一緒に、土の中からクワガタの幼虫を拾っていた時のこと。
「わあ、おっきいの取れたね! これはアットにあげる」
「……」
「え? おいしいんだよ、これ」
アットは1d6で奇数が出たら美味しい、偶数が出たら不味いと感じることに。
結果は6。
「あれ、合わなかった?」
「独特の味だね……」
「そっか、ごめんね」
「ううん。俺の分も食べていいよ」
「あ、じゃあこれならいけると思うんだ!」
取り出されたのは鮮やかなピンク色のミミズ。
「こっちは弾力があっておいしいよ絶対」
再挑戦。結果は5。
「これは見た目の割にいけるな! これなら多分、皆も食べれると思うよ」
しゃみ「みなさん、いただきますか?」
みおな「まあ出されたなら」
ゆら 「食べるかなあ……」
みらの「どうせトカゲの一族だよ」
巻き込まれの皆。イズとメルはアットと同じ、オーレアは1-4/5-6(美味しい/不味い)のダイスで振ることに。
結果はオーレア以外が美味しく食べた。
「これは案外いけるだろ?」
「なんか違うかもです……。見た目で想像してたものと味が違います……」
・戦闘:
ダークドワーフの集落は、雪山をくり抜き火山の熱を利用する形で作られている。
多階層からなるそれは吹き抜けの構造をしており、見張り台を兼ねる最上階からの声はどの階層にいても届くようになっていた。
「大変だ!」
その声と共に、からんからんと鐘が鳴り響く。
「襲撃だー! うっ、ぐわあ!」
「うわーっ!」
落ちてくる2名のダークドワーフをオーレアが森羅魔法で助ける。
「やつらは、この中に入ってきている……。防備を固めろ……」
彼らは、そう警告を残して意識を失った。
上階から縄が下げられ、蛮族が降りてくる。
魔物知識判定の結果、オーガ6体、エルダーオーガ、ダークトロール。
あやたか「強くない?」
みらの 「てか多くない?」
「皆の者は下がっておれ!」
こちらにはピッケルと火炎放射器を持ったダークドワーフのおじさん2人が加勢してくれることに(ザルバード基準)。
とはいえ、この集落には先日のワームに対処することも難しい程度の戦力しかない。
一行が戦わなければ、容易く陥落してしまうだろう。
エルダーオーガ隊長が部下たちに殺戮や略奪を指示し、何人斬られるか1d6で決めることに。
結果は2。
斬られたうちの一人はイズの師匠である。
「今こそこの技を使う時。子らを、この里を守ってくれ……」がくっ
「ええ……?」
「ええ、じゃないよ」
士官であるダークトロールは文書を広げ、朗々と宣戦布告を読み上げ始めた。
「度重なる勧告にも関わらず、こちらの提案を拒否し非協力的な態度を取った。最早敵意ありと見做し、我が栄誉ある蛮族軍の一員としてこの里を占領下に置くことを決定した。抵抗する者は、殺す」
これを読み終えるのに2ターンかかるらしい。
難儀。
余裕で先制を取り戦闘へ。
1ラウンド目
メル :魔法拡大数、怒涛の攻陣Ⅰ、オーガAにパラライズミスト
前衛にバーチャルタフネス
おじ① :出目4、オーガAにつるはし〇
おじ② :出目6、オーガAに火炎放射器〇
オーレア :マルチアクション、魔力撃、キャッツアイ(魔晶石)、バークメイル、自分にフォッシルアブゾーバー
ナチュラルパワー
オーガAに宿り木のクォータースタッフ〇 23点
アット :マルチアクション、キャッツアイ、マッスルベアー(マナチャージクリスタル)
デモンズアーム
オーガAにディフェンダー×
オーガAにマンゴーシュ〇 Aが落ちる
イズ :マッスルベアー、渾身断頭ルイゾン
オーガBにロングランス×
ペガサス×
オーガF :戦線離脱 1ラウンドごとに1d6人のダークドワーフを襲う
1人
オーガB :オーレアにブラスト◎ 26点
オーガC :アットにブラスト△ 8点
オーガD :オーレア×
オーガE :オーレアにブラスト△ 6点(実質0)
エルダーオーガ:乱戦に移動
アットにブラスト△ 7点
ダークトロール:(読み上げ 1/2)
2ラウンド目
メル :魔法拡大数、怒涛の攻陣Ⅱ:旋風、エルダーオーガにパラライズミスト
アットとオーレアにアドバンストヒーリング
オーレア :マルチアクション、囮攻撃、自分にフォッシルアブゾーバー
エルダーオーガにコングスマッシュ 26点
エルダーオーガ× 回避-1
イズ :渾身断頭ルイゾン
エルダーオーガにロングランス◎ 41点
ペガサス〇 9点
おじ① :出目2、エルダーオーガにつるはし〇
おじ② :出目3、エルダーオーガにつるはし〇
アット :必殺攻撃
オーガBにスティールブレード〇 21点
オーガBにディフェンダー〇 21点
オーガF :1d6人のダークドワーフを襲う 3人
オーガB :アットにブラスト△ 6点
オーガC :アットにブラスト〇 15点
オーガD :アットにブラスト△ 5点
オーガE :アットにブラスト△ 7点
ダークトロール:(読み上げ 2/2)
3ラウンド目
メル :怒涛の攻陣Ⅲ:旋刃、陣率:効力亢進Ⅰ、オーガBにパラライズミスト
アットにエクステンドヒーリング(マナチャージクリスタル)
イズ :渾身断頭ルイゾン
エルダーオーガにロングランス〇 34点
ペガサス〇 15点 オーガBが落ちる
アット :必殺攻撃
オーガCにスティールブレード×
オーガCにディフェンダー×
オーレア :剣魔流転撃、囮攻撃
オーガC◎ 22点
オーガCにソーンバッシュ(マナチャージクリスタル) 15点
おじ① :出目5、オーガCにピッケル〇
おじ② :出目2、オーガCにピッケル〇
オーガF :1d6人のダークドワーフを襲う 5人
ダークトロール:バトルソング
オーガC :イズにブラスト〇 12点
オーガD :イズにブラスト△ 8点
オーガE :イズにブラスト△ 6点
4ラウンド目
メル :怒涛の攻陣Ⅲ:旋刃、オーガCにパラライズミスト
オーガDにデイズ〇
「オーガくらいなら出目3とかじゃなければ抵抗されないって話があって」
「オーガくらいなら」
おじ① :出目1、無作為(オーガE)に火炎放射〇
おじ② :出目2、オーガCにピッケル〇
イズ :渾身断頭ルイゾン、マッスルベアー
オーガDにロングランス〇 29点
ペガサス〇 14点
アット :マルチアクション、キャッツアイ、マッスルベアー
オーガCにモヴキラタッチ Cが落ちる
オーガDにスティールブレード〇 22点
オーガDにディフェンダー〇 19点
オーレア :マルチアクション、魔力撃、キャッツアイ
オーガDにウルフバイト Dが落ちる
オーガE〇 ピンゾロ
オーガF :1d6人のダークドワーフを襲う 6人
オーガE :イズにブラスト△ 6点
ダークトロール:乱戦に移動、魔力撃
イズ×
「西方旅団長万歳!」
「士官殿!」
さすがにオーガFが帰ってきた。
5ラウンド目
メル :怒涛の攻陣Ⅲ:旋刃、オーガEにパラライズミスト
イズにエクステンドヒーリング(魔晶石)
イズ :渾身断頭ルイゾン
オーガEにロングランス〇 33点
ペガサス〇 10点
おじ① :出目1、オーガEにピッケル〇
おじ② :出目2、オーガFにピッケル〇 Eが落ちる
アット :必殺攻撃
オーガFにスティールブレード◎ 31点
オーガFにディフェンダー×
オーレア :マルチアクション、魔力撃
オーガF◎ 32点
オーガFにコングスマッシュ 24点
相手が1人になったので、ここで降伏勧告が可能になる。
軍師+知力B+2d6で相手の弱点値を抜くことができれば、相手の名誉を保って適切に捕虜として迎え入れることができる。
みおな 「でもこれ出目8くらい出さなきゃだめなんだよな……」
あやたか「もうちょっと痛めつけたら目標値下がらないかな」
みらの 「駄目だよ」
結果、出目3。
しゃみ 「説き伏せるつもりある??」
ゆら 「ないかもしれない」
あやたか「メル一体なに言ったの」
6ラウンド目
メル :怒涛の攻陣Ⅲ:旋刃、オーガFにパラライズミスト
オーガFにデイズ〇
「我々名誉ある蛮族は、お前らのような人族などには決して屈しはせん! 旅団長殿万歳!」
「そう……。残念だけど、そのまま死んでもらおう」
イズ :渾身断頭ルイゾン
オーガFにロングランス〇 29点
ペガサス〇 15点
おじ① :出目1、無作為(ペガサス)に火炎放射〇
おじ② :出目2、オーガFにピッケル〇
アット :マルチアクション
オーガFにスティールブレード◎ 35点
オーガFにマンゴーシュ×
オーガFにアヴェンジャー△ 10点
オーレア :マルチアクション、魔力撃
オーガFにウルフバイトFが落ちる
みおな「全部『ちゅ』だとね、書き起こすとき分からないんだ」
みらの「Chu! 宣言雑でごめん」
・顛末
高位蛮族の一個小隊を見事に撃退した面々。
斬られたダークドワーフたちがの生死判定を行い、命に別状がないことも確認。
止めを刺せと騒ぎ立てる若い衆たちを、長老であるおばばが制止する。
「殺せ! 殺せ!」
「おやめ」
あやたか「剥ぎ取ってからじゃ」
(一同爆笑)
しゃみ 「皆さん、だんだん蛮族に寄ってきてない?」
みおな 「落ち着いて、剥ぎ取るのは殺してから」
あやたか「あ、そうかごめん……」
みらの 「拷問始まっちゃうな」
「これは宣戦布告の一個小隊であって、この後、大隊そして旅団が押し寄せてくるだろう。よって、まずこの先攻部隊を見事に退治せしめた武功を前に出して今後の交渉を優位に進めていく方が里のためになるはず。だから、ここはどうか堪えてほしい」
戦利品と共に、いくつか気になる物が見つかる。
1つは西方旅団長からの書簡。
書簡には、旅団長の主たる言語たるバジリスク語、及びその他の言語でこう記されている。
「人族領に攻め入るにあたり、ダークドワーフの治めるこの土地、そして里の者のみが知る秘密の地下通路は、西方旅団について大きな利益となる。この事業に協力せよ。旧き盟約に従い、それを為せ」
「旧き盟約というのはそもそも蛮族たちの求めに応じて様々な武具を提供すること。これによって我らは自治を許されてきたのだ。これを拡大解釈し、里を奪い、そして地下通路を奪い、人族領に奇襲を仕掛けるつもりなのだろう。大きな戦になる、そんなことがあってはならない」
もう1つは黒瑪瑙のお守り。
セージ判定で、これがオニキスバジリスクである上官に持たされたものであると予測できる。
「――だと思うよ」
「バジリスクかあ、とんでもない大物がでてきたな。ねえ、オーレア」
「……ねー、大変ですねえ」
「必ず後詰が来る。なんたってこれは先発隊であって、本来ならここでこの里を落として後から来る者たちの拠点として使おうって魂胆だったんだろう。
だが、お前さんたちがこうして先発隊を打ちのめしてくれた。よくやってくれたなあ。だが、ことはこれではすまん。」
「時にそなたは、知恵者の軍師であるようだな」
「お褒めにあずかり光栄だけれど……何か?」
「そこの士官と思しきダークドワーフとも堂々と対面し言葉を交わしておったであろう。
であるならば、この後に来るものたちに対し、どうか我らの代表として無礼のないよう口利きをしてくれんだろうか」
「(さっきの出目が3だったので)あまり自信はないんだけれど……。そもそも、これは本来国を挙げて対処するような問題のはずだよ。国王に報告して、援軍を求めるべきじゃないのかな」
「叶わぬ。蛮族領と人族の領土とを繋ぐこの秘密の通路は、神話の時代より守ってきた門外不出の知恵だ。公然と知られるわけにはいかんのよ。
まして、あのドワーフの王は野心溢れる男よ。そんな者にこの通路を詳らかにしてしまっては、大きな戦の火種となろう。
どうかそなたらの知恵と勇気をもって、戦使として、族長であるこのわしと共に交渉の席に立ち会ってはもらえんだろうか」
「そういうことなら仕方がないと思うけれど、みんなはどう思う?」
「ダークドワーフのみんなにはお世話になってるし、俺は行くよ」
(ここでみらの面談)
あやらか「オーレア人間なのに難しそうな顔してるなー」
ゆら 「なんでだろうなー」
「でも、一緒に人族領に逃げてトンネルを塞いじゃうっていうのは」
「馬鹿! 何ということを……!」
「あのトンネルに何のしがらみもなければ、そうした考え方もあるだろう。しかし、あれは神話の時代から守り抜いてきたわしらの意義そのもの。あれを放棄しろというのは、わしらに死ねと言っているのと変わらん。それは通らんのだ」
「そっか……悪かった」
「お前さんにもあるんじゃないのかな。自分の命に代えても、守りたいものというのが」
「はっ……うん、ある」
みおな「じゃあみんな殺してトンネル埋めちゃうのは……」
みらの「人族的には正しい。ずっと危ないもんねここ」
ここでアットが一つ疑問を述べる。
「バジリスクはいいかもしれないけど、ほかの蛮族たちはダークドワーフの里がなくなって困らないのかな」
「なるほど。我らと盟約を結んでいる他の勢力が、抑止力として機能するよう話を付けてくれるのであれば……南方のドレイク領を当たるのは、よいかもしれん」
いずれにせよ、頼れるのはそなたらしかおらんのだ。5つ目の盟約を結んでも構わん、どうか行ってはもらえんだろうか」
話がまとまり、今回の報酬も兼ねて20,000G相当の武器強化や採掘資源を提供してもらえることに。
なお、その間イズは火傷を負ったアルデバランを必死になでなでしていた。
次回、ドレイクの長との出会い!
・余談
ベック、タビット希少種説が出た。
タビット界のインディジョーンズ。