「生きづらい」とか「死にたい」って思ってるフォロワーさんに伝えたい事。前に interviews ってサイトで回答したんだけど、サイト自体が消えてるので、思い出しながら書きます。
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真面目な話なんで、酒も入ってない時に書きますけど。
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以前からDMなんかで「鬱で死のうと思ってたけど貴方のゲームに救済された」とか「自分はちょっとオカシイと思ってたんだけど、肯定された気分になった」とかそういうお便りを頂く事があります。そんな意図を持ってゲーム作りはしてないんですが。
でもまあ、偶然にせよ何にせよ、皆さんのお役に立てて良かったな、とは思うんですよ。
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一方で Twitter のTLを夜遅くに眺めてると「死にたい」とか「生きるのが苦しい」みたいなツィートが流れてくるんですよね。気軽に書いてるのか、本当に苦しんでるのかは、わからないんですけど、自分の作るゲームのファンの皆様には自己肯定感の低い人が多い気がするんですよね。
そもそも、僕自身も自己評価の低い人間なので、まあ、同類を呼び寄せてるのかもしれませんけど。
参考:
ヒルズライフ HILLS LIFE|「無限のネガティブ」は創作の源である——ヨコオタロウ(ゲームディレクター) http://bit.ly/2JrUgh7
で、そういう「死にたい」みたいなツィートを見るとですね、二十数年前のある出来事を思い出すんですよ。
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あの時僕は、ナムコってゲーム会社の新人研修に行ってました。
確かどこかの施設で、泊まり込みで。
いや、まあ楽しかったですよ。なんか若者らしくバカばっかり言ってた気がします。泊まり込みのイベントで、同期の女の子達の事をチラチラ気にしたりね。
泊まりは確か何人かの相部屋なので、同期の男子と一部屋に入るわけです。
ひとしきり騒いだ夜、寝ようとする前。相部屋の一人がスゴイ暗い顔で僕に言うんですよ。「何の為に生きてるかわからない」とか「辛い」「死にたい」とか。
いやもう、何て言ったらいいのか、わかんないですよ。
同期って言っても、会って数日の他人です。そんな仲良くないし、自分も22歳とかの若造だし。
でも、「がんばれ」とか不用意な言葉は悩んでいる人には良くない、という半端な知識だけはあって。だから仕方なく「僕は素人だから、今かけるべき言葉がわからない。でも、もし悩んでるんだったら病院に行って診てもらうのがいいと思う」って声をかけたんです。深刻な気持ちは伝わってきたから、慎重に、なるべく、言葉を選んで。
その夜は無事に寝て、朝には彼は元気に見えて。
で、研修を終わって確か2~3ヶ月くらい経過した時に、聞いたんですよ。彼が自殺したって。
別に悲しくはなかったんですよ。
当時の同期は大勢いたし、研修後に会ってもいない、そのくらいの距離感です。当時の自分は、自分が可能な限り、正直に最善を尽くしたつもりだったので、罪悪感も特になく。
そもそも僕は自由主義者で、自殺したいという本人の意向を、他人がどのくらいまで立ち入るべきかという部分はよく判らなかった、というか今でも判ってない。苦しみは人それぞれだから、本当に「死んだ方がマシ」な感覚になる人を否定は出来ない。
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でも、その後、よく思い出すんです。
あの時、僕は何を言うのが正解だったんだろうか?って。
例えば、今振り返っても「死にたい」「生きるのが苦しい」って言ってる人に、解決方法を提示する事はやっぱり出来ない。そもそも twitter のフォロワーさんなんて殆どが赤の他人ですからね。距離の遠い人です。
それでも、そういう遠い人が「死にたい」「生きるのが苦しい」って書いてるのを見てると、心がモヤモヤするんですよ。これを放置してしまっていいのか?って。少なくとも、僕のフォロワーさんって事は、僕の事を知ってるわけですよね。距離は遠いけど、全くの他人ではない訳です。
病院で診てもらう事が最善だとは今でも思ってるんです。だけど、そういう他人の距離の正しい言葉じゃない、自分自身の正直な言葉として今回頂いた質問に答えるなら
「貴方が死ぬと、僕は悲しい」
です。
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もしかしたら、その言葉が、二十数年前のあの夜に必要だったのかもしれない。
名前も忘れてしまった彼の死を、こうやって偽善的に twitter で利用するのもどうかと思うんですが、10万人もフォロワーさんがいますから、一人くらいの役には立つかもしれない。今度は手遅れにならないかもしれない。
そう、思ってるんです。