PPP 狡噛について2
・ケースバイケースは絶対言ったらいけなかったやつ
・宜野座に拒まれたり常守に謝れなかったり、全体的にヘタレ
・なんだかんだ迎えてくれると思ってたんでしょ
・社会的断罪は済ませたのにね…
今作の狡噛はヘタレ
というか、中途半端に弁えてるので強気に出れない所が人間味あって良かった。
相変わらず、便利に使われている。
能力発揮できる所属で良かったね、とも思う。
宜野座に「二度と顔を見せるなと言ったはずだ」と怒鳴られて
「ケースバイケースでいこう」ってお前から言ったら絶対にダメなやつ!
せめて言い訳なり考えておけよと思ったけど、なんだかんだ受け入れて貰えると思ってたんじゃないかな。
海外では能力発揮したら比較的ちやほやされてた訳だし。
宜野座が聞く耳持ったかはさておき。
雑賀先生に言われて素直(?)に電話したくせに意地張って謝れないとか。
モクリで「常守が雑賀の評価を得ているから嫉妬したのでは?」と聞いて、ありうるな…と思った。
(書いてて気付いたけど、電話じゃなくて訪室でも良い距離のはずなのに対面じゃないのはどーして?🤭)
翌日に雑賀先生にバレて呆れられる始末。
「どうして、お前はそうなんだ…」との言われようから、ヘタレは元々のご様子。
1期は槙島のことがあったから尖っていただけで、本来の狡噛はああなのかも。
でも咄嗟には身を呈して常守を守ろうとする。
ただアレは、どうだろう…
狡噛視点では、単純に一番非力だから庇った、程度ではないだろうか?
(あの場面は常守視点で、お互い意地張って和解できなかったけど
万一の時には守ってくれる=同僚時代の彼を彷彿とさせて心を許す契機であって
既に絶妙なすれ違いが発生しているイベントなのではないかな…)
エレベーターで泣く常守をたしなめ、「全て終わったら泣けばいい」「今やるべき責任を果たせ」
その通りだし、1期5話のオマージュなんだけど、今回は「常守の非」を否定はしてないんだよね。
できないよね…発端は「常守が雑賀を施設から連れ出した」に収束するから。
ゆっくり泣ける頃には1係なり、もしかすると狡噛自身が傍についている事を想定してた気がする。
結局、彼女は誰の手も届かない所で一人きりで泣くのだけれど。
(1期時代も常守は自宅で涙を枯らしたので彼女の通常運転。狡噛は知らない)
医務室でタバコ取られて「私たちはチームです」と言われ、
ホッとしたのは彼だけではないはず。
そして、これが3期の「最後はチームワークがものを言う」に繋がるのだろう。
砺波射殺は、散々に別項目で書いたけれど。
中途半端な甘さを見せれば、海外で経験したように常守が死にかねない。
だから、即死させた。狡噛の考え方を思えば当然の選択だった。
狡噛寄りの考え方をする人には、常守こそ他力本願の理想論者に見えるだろう。
でも、その理想自体は狡噛も理解していて彼は生き抜くために捨てざるを得なかったもの。
賛同できない(自分はもう参加できない)けど、お前の理念は正しいと思う、と…
彼自身の祈りを彼女に託してしまった。
人殺しの事実は覆らないから、今更「正しさ」を求める事はできないと【弁えて】しまったんですね。
それが、彼女を孤独へと追いやると思わずに…。
裁きを受けないといけない、と係数に基づく処置(矯正施設入所)をうけ、社会的断罪を済ませた狡噛。
常守からの手紙は彼にとってかなりキツかったんじゃないかな。
狡噛は感謝と決別と「俺のことは忘れろ」と手紙に書いていったけど、
アレが彼的には常守の負担を軽くするために選んだ言葉であって。
つまり、狡噛は「忘れてくれ」とストレートに言われた方が気が楽になるタイプなのかも。
それなのに、常守の手紙は感謝と決別と薄ら「忘れないで」と透けて見える内容だった。
たぶん、彼にとって一番キツい。
しかも矯正施設にいるので手も足も出ない。
(常守はその気になると狡噛に対して一分の隙もない牽制をできるようだ)
あの二人はお互い無意識に心の柔らかい部分を刺し合う運命にあるんだろう…。
某日に某監督が呟いた「(前略)ハッピーエンドのようで、バッドエンド」
これは狡噛のこと。
槙島事件も海外逃亡も社会的断罪が済んで、生還。
矯正施設から出て、行動課への復帰も決まっている。
一見、めでたしめでたし、ハッピーエンド。
けれども、常守の勾留は彼にとって不本意で、しかも自身が契機となっている。
当然、放っておけない。
優しい人なので「彼女自身の選択だから」とも割り切れない。
苦い思いを消化できないまま迎えるバッドエンド。
ただ狡噛の中でこの時点は終わりではなくて
「必ず迎えに来る」と腹を決める始まりのポイント。
正直『お前が来て何になるねん』とは思ってしまったが
これは「常守が出られる状況をつくる」という決意であって、出所のタイミングで出待ちするということではない。
で、「常守が出られる状況をつくる」方法について。
ここから推測が多めになるけど、
おそらく狡噛は常守が殺人を犯してないことを察している。
カラクリは不明だけど、クリアカラーのまま犯罪を犯したように【見せかけている】と理解していると思う。
(これは常守の信念を知っている狡噛ならすぐ辿り着くはず)
その上で彼女が勾留されている理由は【クリアカラーのまま犯罪を犯して裁かれる前例】が必要だから。
つまり、常守以外で【クリアカラーのまま犯罪を犯した人間】を逮捕すれば、
常守がわざわざ見せかけの罪で勾留され続ける必要がなくなる…という理論なら、
「梓澤は俺が逮捕する」に繋がるという仮説。
ただの狐は犯罪加担の自覚がないだけなので力不足、上記目的ならインスペクター以上の逮捕が不可欠だった。
結果的には、梓澤は係数上昇&常守は法斑とシビュラの都合で釈放となった訳だが…。
3期FI、常守の事で能動的に行動しただけでも、彼女には響いてるよ。良かったね。
ただ…この後、二人に接点が生じるか…は別の話な気がする。
(長い、旅の土産話はー?!)