天気の子を見たのだけれど、倫理観を更新できないオタクが倫理観の崩壊を描くとここまで痛痒い映画が作れるんだなぁと
ここからネタバレも含むかも。ストーリーはそう書き出しませんが偏見ありきのネガティブ感想だから映画本編観てから読んでね。あと百点満点で好きな人は読まないでね。
話の大筋としては島からの家出少年と、彼が都会で偶然出会う問題と能力を抱えた少女のラブストーリー。君の名はよりも、序盤から説明や補足は少なく進みます。そこらへんは好みのタイプではありました。そこらへんは。あとpv演出増し増し。
そして鑑賞していてすぐ思い描いた作品は、以前販売されたライフイズストレンジともいう海外ゲーム。
田舎町の高校に通う主人公が時間を操る能力を得てしまい、かつての親友と辿り向き合う十代の眩しさと悩み、仄暗さを描く作品です。
今回の「天気の子」とは設定も含め展開やテーマは近いんですよね。能力と代償。選択と責任。現実と崩壊。
どちらの作品も未成年の子どもが向き合うにはだいぶ残酷な現実を扱っているのですが、そこで説得力を産むのが根底にあるべき「倫理性」だと思うんですよね。ライフイズストレンジはそこらへんすごく良くできてました。ダメなものがどれほどの絶望かを描き、それを踏まえてプレイヤーが選択していくから。
まぁしかしそれが全く見当たらないんだ天気の子!
家出少年や家庭の問題抱えた子どもがぶち当たる壁に対して救いもなく寄り添う大人もいない。そういう中で大人は責任を子どもに問うんだよ、まーーー理不尽でね。でもあんまり演出上で問題視しないんだよな。そのせいで主人公たちもイマイチ的確に大人や社会に怒れない。
キャラクターの倫理観や、その欠落、崩壊を描くには、作品がしっかり倫理性を保ち、問題を問題として描わけで。そう言うリアリティが全く無い。見慣れたリアルな新宿や渋谷なのに。
そうなってくるとかの作品、ツッコミどころが多すぎてすごい。
大衆映画なのに十代半ばの女の子が性的な理由ではなくとも同世代の前でばさっとバスローブを脱いだりする。でもぴゅわーに人を喜ばせて幸せを感じられるようなオタクの理想詰まったファンタジーガール。
女の子はべらかしてる文武両道の小学生のおかっぱ美少年。
そして不幸そうだけど最後まで家出や行動の動機が見えない、パソコン打つのは遅いけどそれなりにちゃんと動いて、一般人が安心してお金と振り込めるシステム含んだサイト作れちゃうラノベ主人公。
いねぇよ
大衆映画なんだよね?と疑いたくなる。
“世界最速上映”をうたってる時点で世界に持ってくつもりだったんだよね?それで子ども主人公にしたのにこんなに子どもや女性を軽んじた描写でいいの?せっかく東京の街をリアルに描いてても感情がリアルじゃないし、思考に重心がない。展開にモラルもなければキャラに倫理観も備わってない。
幼稚園児の子どもを引き取る意思がある男がさらっと無意味に少女の太ももや腕触ったりするのとかなんで動きが無駄にリアルなのああいうの
子どもらしい描写なんて「東京ってこえー」って繰り返しながら主人公がバイト探すシーンくらい。
しかもそれもすごく不自然で、田舎出で何も知らないのに、危なそうな新宿の繁華街から出ない。不安でスマホ使って情報散々調べてるのに、下町のまかない出してくれそうな定食屋とかも行かずにガラ悪い道で仕事探したりする。
それなのに2時間の中に描かれる主人公の思春期描写の半分以上がおっぱいとか太ももなんですよ。もうびっくりなんだよ。
お前家出直後ボコボコに殴られた跡とかあったじゃん!そういう家庭環境だとかのリアルな部分描くと思ったらまーーーったくそこに触れないでおっぱい見て「何やってんだ俺!」×4、5。なんなんだよ怖いよー十代について考慮も取材もせず、自分の中で構築した思春期のロマンやイメージだけで描いた感じがすごい。周りに10代いなかったのかな。もうすげえのふわふわっと子どもを消化してく
こちとらフェリー乗って家出するほど思い悩んでた少年の心の動きや、そこからぐいっと引き込まれてく運命の恋みたいなの来ると思ってたら、ボーイミーツガールしたらもうそこで感情はある程度到達してるのよな。その後の障壁はあるけれど、脚本内で恋愛感情をそこまで積み上げてくれなかった分思い入れもない。信頼からくる好意とは違うと思うんだけど、監督の中では全部同じなのかもな。その点の描写はまだ君の名はの方が上手かったと思う。
舞台や恐怖はリアルだけど、キャラの感情はそこに追いつかない。映像は美しいのに、そこを総スルーして動き続ける深夜アニメ全開な主人公お二人。
能力に葛藤する描写って映画や漫画に溢れてて、そこからオリジナリティを出すための深みって感情の共感力が結構大きいと思うよ。何より大衆映画だし。でも今回は完全に深夜ノリ。
子どもには君の名はより見せられない内容。これを監督が作りたかったならいいけど、これは日本以外では売り出しに悩む描写ばかりだよ。今後どうなりたいのかは知らないけど、世界的アニメ監督になりたくて、十代のキラキラな恋愛描きたいなら、もうちょっと色々社会を勉強したり、いろんな人と対話したり、アニメ以外の作品を積極的に摂取した方がいいのではなかろうか。そのせいで作中には人間じゃなくキャラがいるんだよずっと。
可能であれば子どもに対する倫理観を備えた脚本家を1人でも起用した方がいい。
本当に今回の諸々のモヤモヤは言い訳できないレベルで脚本はほんと甘い。でもきっと流行るんですよ。雨続きの東京というリンク感は冒頭テンション上がったもの確かに。そういう引き込み方はうまいんだよなー。
でも批判も倍増かなと。
きっと監督含め、ファンはそう言う意見クソフェミって叩いて終わりにするんでしょうけど、でもそういう意見をフォローができる倫理観備えた映画だったとしたらもっと沢山の人にとって面白かったと思うし、もともと満足してた方々も面白さをそがれることはなかったと思うよ。テーマも設定も映像クオリティも演出力もすごいんだよ。
なのに作品を国外に発信しづらいデメリットを、オタクの「わかる奴がわかればいい」オナニーで直視しないのはすごい勿体無いと思う。十代の胸や太ももが持ち味で、深夜ノリが真骨頂かつ作品の軸であるならばもう何も言えないけど。どちらか選ぶしかない気がするな。
以上、纏めますと映画クソ倫理観トーナメント開こうって企画を考え始めたくらいにはもうそこだけが壊滅的でした。劇場で歯を砕かぬよう食いしばり用の倫理の枝を売るべきパンチ
頑張れ新海監督!!りんりかんドリルでおべんきょしよ!
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