2023/12/10(土) 19:30からジョルディーノ立川で行われた『蝉散』の感想です。未通過❌
v 1.0.0 2024/01/07 14:35
2023/12/10(土) 19:30からジョルディーノ立川で行われた『蝉散』の感想です。内容は通過済みを前提としています
留意点
これは僕が演じた霧島翔による、獅子神沙織(NPC)のための墓標のようなものです。演じたが故に心のどこかに引っ掛かっている気持ちを区切りをつけるために書かれたものであり、かなり内面的な内容が多くなります
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1. Intro・キャラ選択・HOとキャラの掘り下げ
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1.2. Introduction
本作『蝉散』はかなり期待度を高めにもって挑んだ作品だ
作者の幸田幸氏の1作目は『蟻集』という作品だ。『蟻集』は、僕個人のマダミス観を変えた作品の1つである。マダミスの天井の高さを体感できたし、何を演じるとかどう推理するかとかじゃなく、別の要素を理解できたと思っている。自然、同作者の第2作目である本作は気持ちが乗るものとなった
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1.2. キャラ選択
作者への思い入れだけでなく、気持ちが乗る別の理由もあった。それは事前配役だ。事前配役だと人物の掘り下げをする時間が十分できるため、気持ちを込めやすい。今回はそんな事前配役だった
今回演じることになったのは"霧島翔"というキャラクタだ。活動的で、研究者で、白衣の男性。配役時に活用した情報はそれだけだったが、活動的な研究者は好感が持てるし、PLするのも楽しいということで第一希望にして、そのまま通った形だ。それが霧島翔との出会いだった
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1.3. HOとキャラの掘り下げ
キャラクタ選択後、事前HOが配布される
配られたHOというのは厄介で、しばし事前情報と真逆な性質が書かれていることがある。しかし霧島翔は基本的には印象そのままのいい子であった
背景を簡単に振り返れば以下になる
・元々はヒーローや正義が好き
翔の父も正義感が強く、社会のためと行動をする人
具体的にはウイルスの研究をし、多くの人命を水面下で救っていた
・事故により、鬱屈とした状態に
そんな父親が管理している研究施設でウイルス漏洩の事故が発生
世間からバッシングを受け、父は自死・母は病気に
・獅子神沙織に救われる
獅子神沙織は父の研究を手伝っていた人物で、翔の現状に理解を示す
研究職を紹介してもらったり、私生活でも支えてもらい立ち直る
・昨日、プロポーズを獅子神沙織にしている
本キャラクタは、世間から隠れるため苗字を"雨宮"から"霧島"に変えている
これは上手く二面性を表した性質でもある気がする。
"雨宮翔"はヒーローに憧れるが、細菌やウイルスという研究の機密性の高さ故、評価されずむしろバッシングにより自死を選んだ父を見ている。己が好きだった正義はそう簡単なものではないのかもしれない。そういう挫折したキャラクタだ
一方、"霧島翔"は救われたキャラクタである。獅子神沙織によって、公私共に救われ、プロポーズするにまで至った。正義がどこにあるかは分からないが、少なくともそこには救いがあった
悪くないキャラクタだ
好きになれるキャラクタは没入できる。あるいは、買った服の手触りとでもいうのか、そのキャラに接した時の最初の印象は結構当たっている時が多い
PRの指針も素直に反映すればいいだろう
・ヒーローぽい感じ
・でもどこか鬱屈としたところを抱えている
・獅子神が重要
これならできるだろうか?
そんな感じで脳内趣味レーションをする
悪くない
獅子神が敵対組織に所属していた場合、どうしようかな?と一瞬考えたけど、それはやってみないとわからないなと思う
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2. 本編の開始
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2.1. 現場でのHO公開
ジョルディーノ立川に到着をして、当日分のHOが配られる
物語が始まる
当日分のHOにはおおよそ以下のことが書いてあった
・プロポーズはOKもらったのこと(よかった!!!)
・だけどOKもらって心配
ここまでが事件前日から今朝の話
そうして読み進めていると、事件当日の行動に次の一文がある
...体調が悪い獅子神を目撃
やめてくれー
何かしらの方法で、努力すれば生き残れる手段を提供してくれー
そんなことを祈っていると読み込み時間が過ぎ、ゲームの開始を告げるアラートがなる (緊急用のベルだ)
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2.2. 救いの在処
アラートが起きる
緊急事態と登場するのは、GM演じる来栖だけ
...あっ
いや、まだ分からない
まだ生きてるかも
わからない
頼む
やめてくれ
そんなことをひたすら願う
願いを知ってか知らずか、シナリオはただそうであるように進む
その進行上、霧島は龍ヶ崎と獅子神の研究所に行くことになった
そうして目にするのは「死体」と名前がつくカード
...あっえっどうしよう
どうしたらいい?
カードの意味する所はわかる
それを現実に落とし込んで、獅子神の研究室に死体と思しき何かが横たわっている情景までわかる
でも、霧島にその死体を調べる勇気は、そのカードを引く勇気はない
...龍ヶ崎の人は躊躇わず引く
そうして、死体に擦過傷がある、みたいなことを言う
カードにはやはり死体の文字がある
見たくない
これがセーブができるゲームなら、リセットボタンを押したい
それができなければ世界全てが滅べばいい
...どうすればいいか分からず漠然と盤を見る
死体のカードはもう1枚残ってるようだ
それを調べる勇気はない
死が確定してしまう
まだ、龍ヶ崎からの伝聞でしかない
まだ死んでいない
だから、見たくないから、デスクを調べる
見つかったのは「栄養ドリンク」
体調悪かったものね
頑張ろうとしたんだね
そんな死の需要と拒絶の狭間に立つ
いや、死は横におこう
ロジカルなことは考えられるはず
霧島は、天才ではないかもしれないけど、それくらいの頭はあるはずだ
(end的にもこの解釈は正しかったように思う)
獅子神が害されたと仮定して、まだ死んでるとは限らないのだけど、よしんば死んだとして生き返る可能性があるとして、考える
これは獅子神の役に立つはずだから
体調が悪いことを目撃したこと、栄養剤があることを併せて考えると
1. 体調が悪いタイミングで感染
2. 栄養剤に含まれてる
3. 出血が致命的
その3つの可能性があるよね
そんなことを口走る
ただ、現状の乏しい情報でできる考察は限られている
調査はシステムの関係上、4分はそこに居なければならない
...あー、えっと
プロポーズしたんすよ
一応OKもらったんすよ
死んでた
死んじゃったっすねーx5
みたいなことを口にする
実感はない
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2.3. 全体議論に戻って
全体に戻って情報の共有をする
龍ヶ崎が説明しようとしたけど、霧島としてまとめて説明する
なるべくロジカルに。現実から目を背けられるように
・擦り傷があったこと
・3つの可能性があること
・あと最後に、プロポーズをしてOKをもらったこと
(思えば、ここの理路整然として話しすぎたことで疑義がかかったようにも思えるが、現実から目を背けたくてロジカルに逃げるというのは実際の人間でまぁまぁある挙動だと思う)
獅子神の死を簡単に報告すると、次に来栖と一緒に部屋に行ったという氷室から報告がはいる
なんでも、来栖も死んだという
本当かな?分からないな?
誰が犯人なんだろな?
あー、でも獅子神さん死んじゃったし、意味ないなー
霧島として思うのはそんな感想だった
そんなことを知ってか知らずか、全体としては感染源がどこにあるのだろうなども議論され始める
でも相変わらず霧島として考えることは1つだった
「あー、死んじゃった」
「えっどうしようもう生きててもあまり意味がないかも」
「犯人探し…」
「...」
「えっ、本当に???」
「死んだの?????」
「嘘でしょ」
これを延々と繰り返していた
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3. 調査の開始
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3.1. 希望にすがって
議論の開始と共に、自由行動が許される
何をするかと考えた時、できる行動は1つだった
それは獅子神が生き残れる可能性を期待して、"斑雪"のシャーレを取りに行くこと
"斑雪"は今回漏洩したウィルスであり、霧島は密かにその研究を継続していた
そのため、自身の研究室には"斑雪"のシャーレがある
万が一獅子神が斑雪に感染したとしても
シャーレがあれば、まだ研究を継続できるかもしれない
それで治せるかも知れない
そんな淡い期待を胸にして行動しようとする
...しかし、みんな情報精査をしてて話を聞いてくれない
いや、まだ分からないじゃん
調べたら何か変わるかもしれないじゃん
特効薬今から作れるかもしれないじゃん
だから早く調べにいこうよ
...右往左往していると、水瀬が乗ってくれる
最初声をかけた狐塚も、なぜか同時に乗ってくれた
(ここの水瀬の乗り方には違和感を覚えたが、心神喪失状態なのでスルーしたが)
具体的には、狐塚の研究→霧島の研究室ならOKだよという内容だった
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3.2. 調査結果
狐塚の研究室に着き、適当に漁る
引き出しか何かから白乳色の石を手にいれる
HOにもそんな情報があったと思い出す
なんでも、「白は毒、紫も毒。赤褐色だけが安全」とか
狐塚はそんなものを扱ってるんだ、なるほど
あぁ、化学が研究対象だから、物質的なものであるのはそれはそうか?
でもそれってここで研究する意味ってないよね
菌との関係って何だろう?
そんなことをばーっと考えるが、どうでもいいやとスルーする
(ここの思考を停止したのも、大きな分岐点の1つだったと思う)
それから霧島の研究室に行き、シャーレを保管庫から回収する
よかった、無事シャーレがあった
"斑雪"は霧島の研究室からの漏洩ではなさそうだ
獅子神さんに危害を与えたのが自分でなくてよかった
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3.3. これから
全体議論のテーブルに帰る
この後、ほとんど調査に行かず全体議論に居座っていた
増える情報に躍る議論
例えば、研究室の本部的な所から3回アナウンスが入ったり
その一部が偽装されているのでは、という話があったり
郵便物が届いてたり、清掃の話があったり
資料室と会議室が重要ということで、入退室の精査が始まったり
アラートの情報が出たり
でも、霧島として考えることは1つだった
あとはどうするかな
犯人?とやらを見つけた方がいいのかな
それは獅子神さんの状態を確定してしまうし
もう、生きてても仕方ないんだよなぁ
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4. 想いの在処
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4.1. どちらに進むか
物語が展開し、HO上の選択が迫られるギミックがあった
それは「復讐」か「信念」か
復讐だと、獅子神の死の原因を作った人に復讐をする
信念を選ぶと、正義を貫き犯人に法の裁きを受けさせる
振り返れば
霧島翔にとって『蝉散』とは、この2択をする物語だったと思う
調査・議論は分割されていない4時間勝負
ただひたすら4時間かけて、1つの選択をする
そんな物語だった
でも、考えても考えても何も分からなかった
ひとつ分かったのは、雨宮の人生は一旦ここで終わったのだ
だから続きを想い描けない
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4.2. 分からないこと
延々と考えて、たまに議論に混じって、でもまた考えて
どうするべきか考え続けて、残り10分になっても結論は出なかった
分かったことは、考えても答えが出ないということだけだった
だから、もう一度獅子神に会いに行こう
そう思った
具体的には、研究室に死んでる"だろう"獅子神を見に
メタ的に記述すれば、あと1つ残っているカードを調べに
獅子神の研究室に行こう、北条優也を誘ってOKをもらえる
そうして獅子神沙織の研究室に霧島翔は再び足を運んだ
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4.2. 再会を望んで
場には相変わらず、"死体"の文字
何か霧島の後押しをしてくれるようなものが得られることを祈って
獅子神が霧島の理解者であれば、何かあるのではと思って
死体を調べる
(カードをめくる)
得られたものは、指輪だった
それは霧島が獅子神にプロポーズした時のものだった
...
......
いや、今こうして感想文を書いているタイミングでは、キャラとPLの距離があるけど、やってた当時は感情が酷いことになった
あーーーーってなり
なります
なりました
涙もちょっと出ました
2,3分うろうろ歩いて情緒を整理しようとする
(同行していただいた北条優也の人には、挙動不振になりますが...と一応は断ったけど、それでもあれだった気がする)
でもまぁ、しょうがないじゃん
これはしょうがないじゃん
ずるいでしょ
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4.2. 再開に臨んで
あーーーと感情はなってるけれど
まぁ、それなら、犯人を探そうか
死に顔の情報もあって、それは穏やかなものだったらしい
そうして指輪を持ってたらしい
まぁ、穏やかな顔だったのなら
その思いが届いていたのなら
優しく受け取ってくれていたのなら
心情に従おうか
獅子神が残したこと志を引き継ぐ
指輪とシャーレがあれば、霧島としては最低限はいいはずだ
それ以上は見たくない
これ以上邪魔されないためにも、犯人を見つけよう
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5. 推理とENDING
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5.1. 整理する
時間は本当に限られてる
でも、やれるだけのことをやろう
パッと脳内の印象を整理してみる
・龍ヶ崎茜
整備員だけど、部屋を移動してるは怪しい
何かを探してる人か、小銭稼ぎ的な仕事がある人かも
・氷室七美
正体を掴めてない。薬好きな人?にしては変
・北条優也
"霧島にモルモットにされてる"と何度も主張する
こちらも正体が分からないが、たぶん敵対組織っぽい
・狐塚類
自分しか愛せない人
必要であれば誰もを裏切りそうだが、テロはしなさそう
・水瀬和
正体が一番わからないけど、狐塚が好きっぽい?
変に余裕がある。雨宮に恨みがあるならこの人?
・岩波修治
ウイルス撒いたりしてるから敵対組織
でも娘のためにとのこと。実際その行動をしてる
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5.2. 推理する
これらを踏まえて、岩波修治と狐塚類はたぶん大丈夫と考える
狐塚類が犯行をするならもう少し違う形になるだろうし、
岩波修治は、ウイルスを仕込んり会議室に潜伏したりしていたが、
娘を人質に取られてるらしい。蛇足かと思って割愛したパートでは、岩波からの信頼を得て調査に協力して、その旨を聞いていた
残るは氷室七美と龍ヶ崎茜・水瀬和・北条優也
氷室七美と龍ヶ崎茜は、数瞬考えて犯人候補から外す
まず清掃業の龍ヶ崎茜がウイルスを仕込むならカプセルなどは不要
氷室七美は分からない所もあったが、多分目的は人殺しではなく、むしろ調査サイドにあるように思えた
水瀬和と北条優也が分からない
ただ、実行できそうなのは北条優也かな
これは、霧島が北条優也を被験体として受け入れていたため、どれくらいに時間の空きがあるか等を、他の人より把握していたために出せた答えだと思う
北条優也は、単なる被験体というには不思議な挙動があった
そして調査の間で、その挙動に関しての弁明も説明もなかった
であれば、北条優也はそれを隠したい人
犯行できる時間的余裕はあったので、あとはトリックを使えばできるのだろう
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5.3. 指定する
犯人として「北条優也」を指定する
全体の犯人指定は、水瀬和が三票、北条優也が二票くらいだったと思う
この犯人推定の成否は、ENDにも反映されていたように思う
例えば、狐塚は道中で水瀬和を襲い、牢獄に収容されていた
その後のENDでは自分の絶対性を信じられなくなり〜という展開だったが、霧島は事件解決に貢献し、研究をその後も続ける的な内容だった
(ここは資料を探して詳細に書く予定 will be soon)
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6. 感想など
感情がバキバキに死んだ回だった
メタ的に言えば、プロポーズが死亡フラグなのは間違いなくそう
でもでは、物語中の霧島がそんなことを考えるというと確実に違うように思える。むしろプロポーズにOKをもらえたことの嬉しさと、今後の不安が内混ぜになっている以外の感情を持つのは難しい
何をどう考えても霧島としてはそう行動せざるを得ない状況で。そこでメタってたからメンタル的に大丈夫でした、は僕のマダミスのやり方ではない
だから全力でやったけれど、ちょっと今回はダメージが大きかった
そうして最後に指輪を自引きできた所も含めて
どうにもそういうHOを手にしてしまう星のものとにあるらしい