【FF16】フェニックスの曲の歌詞について。エンディングにて、ロズフィールド兄弟のふたりだけで「最高神」に立ち向かう因果があることを、この歌詞の中に謳われている。重大なネタバレを含むので、未クリアの方々は開けちゃダメだよ。
最初の4行の情報量について、語らせてほしい。
歌詞は英語で書かれているので、日本語に翻訳するところからはじめるが、
O Prometheus! Epimetheus
Hollos out your noble name!
O Prometheus! Epimetheus
Clamors for your stolen flame!
ああ、プロメテウスよ! エピメテウス
貴方の尊き名を称えよ!
プロメテウスよ! エピメテウス
奪われた炎を求めよ!
ヒントとしては、最初の4行だけでも足りている。
プロメテウスとエピメテウスは、ギリシア神話に登場する神の名前だが、このふたりも、実は兄弟なんだ。
兄のプロメテウスは、天界の神々から炎を盗み、人類に渡しては「技術」「知識」「文明」を与えたことで神々に逆らった。彼は「人類の英雄」として知られ、芸術・技術の発展の源泉とも考えられている。
また、西洋古典の伝統において、プロメテウスは、人の努力と行き過ぎた行為、予期せぬ結果の危険性を象徴する人物となった。特にロマン主義の時代には、人の在り方を向上させようとすることが悲劇を生むこともある 孤高の天才を体現した人物とみなされていた。
一方、弟のエピメテウスは、愚かな人物として描かれている。
兄が独創的で賢い人物であるのに対し、エピメテウスは後先を考えずに、他者に与えすぎてしまうような人物だった。
エピメテウスが「愚鈍」とされた、最も有名な理由は、「自身の能力を兄弟に奪われた」などである。
挙句の果てに、最高神との対立では、彼は兄を巻き添えにしてしまった。
そして、
・先見の明を持つ兄と、後知恵によって過ちをおかした弟
・先に考える者と、加えて考える者
対比的なこのふたりは、「人類の代表」として最高神に立ち向かったと言われている。
FF16の、ヴァリスゼアの物語で考えるに
・クライヴは、書物や舞台芸術を好む人である
・クライヴの存在が隠れ家に多くの技術的発展をもたらした
・ジョシュアは、考えるより先に行動してしまうところがある
・ジョシュアの能力は「与える」ことが主な役割だとされている。
それらを鑑みれば、プロメテウスの物語がクライヴのキャラクターコンセプトに当てはまることが明らかだと感じられる。ジョシュアについても、エピメテウスの話がモチーフの一部であったという印象を受ける。
また、ヴァリスゼアでは、最高神だといえる存在は「アルテマ(リウス)」たった一人である。
最後の戦いでは、ふたりは世界を救うために、アルテマの前に立ちはだかった。
しかし、ジョシュアはアルテマが狙っていることを誤解し、重傷を負ってしまった。
彼はフェニックスの力を──自身の能力をクライヴに渡さなければならなかった。
よって、歌詞のプロメテウスは「クライヴ・ロズフィールド」のことを指し、エピメテウスは「ジョシュア・ロズフィールド」のことを指しているのだと考えられる。
フェニックスの曲の歌詞に、4行だけでこれほどの情報量を仕込むような開発陣の方々、人の心というものをね……
もう少し、あってもよろしいのではなくてっ!?(心からの感謝を込めて)
→ https://twitter.com/sem_sep/status/1678367722177196032